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アナリストの視点(ファンド)

米がイラン核合意からの離脱を表明、米朝首脳会談迫る、リスクメジャーの低いファンドに着目

2018-05-10

 2018年初から4月末までの日米株式市場の騰落率を見ると、日経平均株価は▲1.30%、NYダウは▲2.25%とともにマイナスとなりました。昨年後半の堅調な流れを引き継ぎ、日経平均、NYダウともに上昇して始まりましたが、2月に米金利上昇を受けた急落に見舞われたほか、3月も米国が中国へ制裁関税を課す方針を示したことをきっかけに米中貿易摩擦への懸念が高まり、続落しました。米中貿易摩擦への懸念が後退した4月にようやく反発しましたが、それまでの下落分を埋め切れませんでした。

年初来プラスリターンは6カテゴリーに留まる

 さて、その期間における投資信託の動きはどうだったのでしょうか。まず、年初から4月末までのカテゴリー別のリターンを見ると、モーニングスターの79カテゴリー中、プラスとなったのは6カテゴリー(ブル・ベア型を除く)に留まりました(図表1)。

図表1:年初来(2018年1月〜4月)のリターンがプラスの6カテゴリー

図表1:年初来(2018年1月〜4月)のリターンがプラスの6カテゴリー

※ カテゴリーはモーニングスターインデックス(単純)に基づく
※ (F)=為替ヘッジなし、(H)=為替ヘッジあり
出所:モーニングスター作成

 年初から4月末までの国内REIT市場では、東京都心部のオフィス空室率の改善など良好な不動産市況を背景に、東証REIT指数が3.94%高となりました。ブラジル株式市場は、経済成長期待を背景に、ボベスパ指数が12.71%高となりました。一方、「国内小型バリュー」と「国内小型グロース」は、国内株式市場が軟調な中でプラスのリターンを獲得しており、注目されます。

「国内小型グロース」「国内債券・中長期債」は年初来リターンはプラスで流入額は上位10位内

 次に、年初から4月末までのカテゴリー別の純資金流出入額(ETF除く)を見ると、41カテゴリーが流入超過となりました。リターンがプラスとなった6カテゴリーでは、「国内小型グロース」、「国内債券・中長期債」、「国内小型バリュー」、「国際株式・ブラジル(F)」の4カテゴリーが流入超過となり、中でも、「国内小型グロース」と「国内債券・中長期債」は上位10カテゴリーにランクインしました(図表2)。年初来からのリターンがプラスで、かつ流入超過の4カテゴリーは、年初来からの不安定な金融市場において足腰がしっかりしているカテゴリーといえます。中でも、純資金流入額上位10カテゴリーに入った「国内小型グロース」と「国内債券・中長期債」は注目されます。

図表2:年初来(2018年1〜4月)の純資金流入額上位10カテゴリー

図表2:年初来(2018年1〜4月)の純資金流入額上位10カテゴリー

※ (F)=為替ヘッジなし、(H)=為替ヘッジあり
※ 2018年4月はモーニングスター推計値
出所:モーニングスター作成

注目2カテゴリー内で「リスクメジャー」の低いファンドに着目

 トランプ米大統領は5月8日、イラン核合意から離脱すると表明し、イランに対する経済制裁を再開すると発表しました。イランの反発は必至で、中東情勢が緊迫化する可能性があります。また、初の米朝首脳会談が今月中にも予定されていますが、北朝鮮の非核化を巡って水面下で激しい駆け引きが行われているもようです。国際情勢の先行き不透明感は強く、国内外の株式市場において、今後リスク回避の動きが優勢となる場面も想定されます。

 そこで、先に取り上げた「国内小型グロース」と「国内債券・中長期債」の2カテゴリーについて、「モーニングスターリスクメジャー」の観点から注目されるファンドを取り上げたいと思います。モーニングスターリスクメジャーとは、基準価額の変動をリスクと捉えた「標準偏差」が、全ファンドの中でどの水準にあるのか示した値です。運用実績3年以上のファンドを評価対象とし、「1」(低い)から「5」(高い)までの5段階で表示されます。価格変動を好む投資家でなければ、低いほどに良いことになります。

 「国内小型グロース」(確定拠出年金、ファンドラップ向け、ETF除く)には、リスクメジャー「1」(低い)に該当するファンドはなく、「2」(やや低い)に「結い2101」と「みのりの投信」の2本があります。一方、「国内債券・中長期債」では、リスクメジャーが付与されている56本すべてが「1」(低い)であり、そのうちモーニングスターレーティングが最上位の「5」であるファンドは4本あります。さらに、純資産額が10億円以上のものは、「明治安田 日本債券オープン(毎月決算型)」、「明治安田 日本債券ファンド」、「DLIBJ 公社債オープン(中期コース)」の3本があります。リスク回避圧力の高まりに備えて、相対的に良好な状況にあるカテゴリー内でリスクメジャーの低いこれらの5ファンドを意識したいものです。

図表3:「国内小型グロース」「国内債券・中長期債」内の主な低リスクメジャーファンド

<国内小型グロース>

ファンド モーニングスター
リスクメジャー
モーニングスター
レーティング
トータルリターン
3年(年率・%)
結い2101 2(やや低い) ★★★ 6.04
みのりの投信 2(やや低い) ★★★ 14.14

<国内債券・中長期債>

ファンド モーニングスター
リスクメジャー
モーニングスター
レーティング
トータルリターン
3年(年率・%)
明治安田 日本債券オープン(毎月決算型) 1(低い) ★★★★★ 1.95
明治安田 日本債券ファンド 1(低い) ★★★★★ 2.02
DLIBJ 公社債オープン(中期コース) 1(低い) ★★★★★ 1.46

※ 2018年4月末時点
出所:モーニングスター作成

(武石 謙作)

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