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アナリストの視点(ファンド)

依然くすぶる地政学リスク、備えのカテゴリーを探る

2018-05-24

 案の定と言うべきか、来月中旬に予定されている米朝首脳会談の雲行きが怪しくなってきました。米朝の駆け引きに加え、日本を含めた周辺諸国の思惑も絡み、会談実現に向けては紆余曲折がありそうです。イラン、イスラエル、シリアなどを巡る中東情勢も予断を許しません。世界の金融市場には、先行き不透明感が漂っています。

過去3年間の純資金流入額トップのカテゴリーは「国際株式・グローバル・含む日本(F)」

 そこで、2018年4月末までの過去3年間について、資金流出入とリターンの観点から相対的に優位であったカテゴリーを取り上げ、今後の展開に備えたいと思います。過去3年間、すなわち2015年5月から2018年4月の間には、2016年初めの中国人民元安ショックや同年後半から翌年にかけてのいわゆる“トランプラリー”など、市場環境が良好なときと悪化したときの双方が含まれ、良好、悪化双方を踏まえた結果を確認することが出来ます。

 まず、過去3年間の純資金流出入額(ETF除く)の上位10カテゴリーを見ると、以下の通りとなりました(図表1)。2016年後半以降の世界的な株高基調やAI、フィンテックなどのテーマ型投信が人気を集めた「国際株式・グローバル・含む日本(F)」が3兆1,700億円余りの流入超過となり、トップとなりました。直近でも、2018年4月まで17カ月連続で流入超過が続いています。

図表1:過去3年間(2015年5月−2018年4月)の純資金流入額上位10カテゴリー

図表1:過去3年間(2015年5月−2018年4月)の純資金流入額上位10カテゴリー

※ (F)=為替ヘッジなし
出所:モーニングスター作成

累積リターンでは「国内小型グロース」

 次に、純資金流入額上位10カテゴリーの過去3年間の累積リターンを見ると、以下の通りとなりました(図表2)。2016年〜2017年にかけての小型株優位の国内相場を反映した「国内小型グロース」が突出しており、全カテゴリー中でもトップとなりました。純資金流入額トップの「国際株式・グローバル・含む日本(F)」も堅調です。「国際株式・インド(F)」も高いですが、新興国市場には米金利上昇を受けた資金流出懸念があり、警戒が必要です。

図表2:純資金流入額上位10カテゴリーの3年累積リターン

図表2:純資金流入額上位10カテゴリーの3年累積リターン

※ 2018年4月末時点
※ (F)=為替ヘッジなし
出所:モーニングスター作成

注目2カテゴリー内の好パフォーマンスファンドは?

 過去3年間の純資金流入額とリターンから、先行き不透明な金融市場への備えとして「国内小型グロース」「国際株式・グローバル・含む日本(F)」に着目したいと思います。以下、それぞれのカテゴリーに属する一般的なアクティブファンド(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く)の中から、2018年4月末時点で「モーニングスターレーティングが5ツ星」「純資産額が10億円以上」を充たし、3年リターン(年率)が上位の3ファンドを取り上げました。金融市場の先行き不透明感が続いた場合には、関心が高まることもありそうです。

図表3:注目2カテゴリー内の好パフォーマンスファンド

<国内小型グロース>

ファンド名 トータルリターン
3年(年率・%)
純資産額(百万円) 総合レーティング
DIAM 新興市場日本株ファンド 32.39 14,737 ★★★★★
新成長株ファンド 30.48 70,351 ★★★★★
中小型成長株ファンド-ネクストジャパン- 30.13 9,033 ★★★★★

<国際株式・グローバル・含む日本(F)>

ファンド名 トータルリターン
3年(年率・%)
純資産額(百万円) 総合レーティング
野村 世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) 14.92 7,940 ★★★★★
ダイワ・エマージング&ジャパン・ファンド 7.63 1,107 ★★★★★
セゾン 資産形成の達人ファンド 6.23 59,024 ★★★★★

※ 2018年4月末時点
出所:モーニングスター作成

(武石 謙作)

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