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アナリストの視点(ファンド)

パッシブファンド、意外なけん引役

2018-07-12

 パッシブファンドの純資産額が拡大を続けている。国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用含む、ETF除く)を対象に集計したところ、純資産額は2018年6月末時点で9.1兆円となり、過去10年間で2倍以上となった。本数についても安定的に増加しており、同月末時点で717本と、こちらも過去10年間で2倍以上となっている(図表1)。

図表1:パッシブファンドの純資産額と本数の推移(過去10年間)

図表1:パッシブファンドの純資産額と本数の推移(過去10年間)

※ 2008年6月末〜2018年6月末
出所:モーニングスター作成

 また、純資産額ではアクティブファンド対比で2割弱しかないパッシブファンドであるが、1本当たりの純資産額は2018年6月末時点で126億円と、アクティブファンドの117億円を上回っている。1本当たり純資産額の過去10年間の推移(図表2)を見ると、長らくパッシブファンドがアクティブファンドを下回っている期間が続いたが、2015年7月にいったん逆転し、その後2017年10月にアクティブファンドに追いつかれたものの、直近5カ月は再びパッシブファンドが上回る状況が続いている。今後、継続的にパッシブファンドが上回る状況となるか注目される。

図表2:アクティブ・パッシブ別のファンド1本当たりの純資産額の推移(過去10年間)

図表2:アクティブ・パッシブ別のファンド1本当たりの純資産額の推移(過去10年間)

※ 2008年6月末〜2018年6月末
出所:モーニングスター作成

一般向け以外のシェアが拡大

 さらに、パッシブファンドの純資産額拡大をけん引するのが、銀行や証券会社で購入可能な一般向けファンドではなく、確定拠出年金専用ファンドやファンドラップ専用ファンドである点に注目したい。パッシブファンドのうち、確定拠出年金専用ファンド、ファンドラップ専用ファンド、それ以外の一般向けファンドに分けて純資産額のシェアを見たのが図表3となる。

図表3:パッシブファンドの確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、一般向けの
純資産額シェアの推移(過去10年間)

図表3:パッシブファンドの確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、一般向けの純資産額シェアの推移(過去10年間)

※ 2008年6月末〜2018年6月末
出所:モーニングスター作成

 シェアの推移を見ると、一般向けは10年前に80%以上のシェアを占めていたのが、2018年6月末時点で45%まで縮小し、その一方で確定拠出年金専用ファンドはシェアが18%から35%へほぼ倍増したほか、10年前はほとんどシェアがなかったファンドラップ専用ファンドは現在約2割のシェアを有するまでに成長している。

 確定拠出年金では2017年1月の「iDeCo」スタートが初心者でも運用しやすいパッシブファンドへの注目を高めるきっかけになったほか、ファンドラップではコスト意識が高まる中でパッシブファンドが関心を集めている。委託会社のコスト引き下げ競争などから一般向けのパッシブファンドの方が注目を集めることが多いが、低コスト投資の裾野が確定拠出年金やファンドラップなどに着実に広がっていると言えるだろう。

(坂本 浩明)

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