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アナリストの視点(ファンド)

人気のバランス型、“長期投資”成功のカギは?

2018-08-09

 バランス型ファンドへの資金流入が継続している。国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF含む)のうち、バランス型ファンドの純資金流出入額の推移を見ると、2018年7月に809億円の純資金流入となり、19カ月連続の資金流入超となった(図表1)。

 バランス型ファンドへ安定的に資金が流入し始めたのは、NISA(少額投資非課税制度)が始まった2014年だ。その後、2017年のiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象者拡大、2018年のつみたてNISA開始と、個人投資家の資産形成を後押しする制度が拡充される中で、初心者でも始めやすいバランス型ファンドが注目を集めている。

図表1:バランス型ファンドの純資金流出入額推移(過去10年間)

図表1:バランス型ファンドの純資金流出入額推移(過去10年間)

※ バランス型ファンドはモーニングスターカテゴリー「安定」「安定成長」「バランス」「成長」に属するファンドを対象に集計
※ 期間:2008年8月〜2018年7月(月次)
※ 2018年7月はモーニングスター推計値
出所:モーニングスター作成

 バランス型ファンドを選ぶ上で最も重要となるのが資産配分だが、もう1つ注目したいのが信託報酬の水準だ。信託報酬はファンドを保有し続ける限りかかるコストでその分パフォーマンスの押し下げ要因となるため、特に長期で保有する場合は適正な水準か注意するようにしたい。

 実際にバランス型ファンドにおいてコスト水準が長期でパフォーマンスを左右していることを確認してみよう。バランス型ファンドについてモーニングスターカテゴリーごとに信託報酬等(税込)が安い順に上位50%と、下位50%のファンドに分け、2018年7月末までの過去10年間(年率)のトータルリターンの平均を計算した(図表2)。なお、モーニングスターではバランス型ファンドを株式・REITの比率で分類しており、株式・REIT比率25%未満が「安定」、同25%以上50%未満が「安定成長」、同50%以上75%未満が「バランス」、同75%以上が「成長」となる。

 4つのカテゴリーいずれもトータルリターンの平均は、低コスト上位50%が下位50%を上回った。差が最も大きかったのは「安定成長」で、低コスト上位50%のトータルリターンの平均は3.53%と、下位50%を0.73%上回っている。ちなみに「安定成長」における低コスト上位50%の信託報酬等(税込)の平均は0.90%と、低コスト下位50%の同平均より0.73%も安く、長期でコストがパフォーマンスに影響している。

図表2:バランス型ファンドのコスト水準別トータルリターン平均(過去10年間・年率)

図表2:バランス型ファンドのコスト水準別トータルリターン平均(過去10年間・年率)

※ 2018年7月末時点
出所:モーニングスター作成

 金融庁が2018年6月に発表した共通KPI(評価指標)の一つとして、「投資信託の預り残高上位20本のコスト(販売手数料率・税込の1/5と信託報酬率・税込の合計値)・リターン」が定められるなど、コスト水準に対する注目度は一段と高まっている。モーニングスターのサイトでは信託報酬等(税込)のカテゴリー平均との比較や、所属するフィーレベルカテゴリー内でのコスト水準を5分位にてレーティングした「モーニングスター・フィー・レベル」を公表しており、バランス型ファンド選びにおいても活用したい。

(坂本 浩明)

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