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アナリストの視点(ファンド)

米国株式“動揺”も、悲観一色ではない米投信市場

2018-10-25

 米国株式市場が再び“動揺”している。ダウ工業株30種平均は10日に前日比831.83ドル安と暴落したが、24日に再び同608.01ドル安と大幅に下落した。米国投信市場においても市場の変調が明らかになってきている。

 米国籍オープンエンドファンド(ETF含む)のモーニングスターカテゴリー別リターン(米ドルベース)を見ると、暴落前の2018年10月9日までの1年間では「コモディティ・エネルギー」や「セクター株式・エネルギー」などの景気敏感のエネルギー関連、「米国株式大型グロース」や「米国株式小型グロース」といったグロース(成長)関連株、またハイテク関連株に投資する「セクター株式・テクロノジー」が上位にきていた(図表1参照)。これら以前の“勝ち組み”ファンドは2018年10月10日の暴落後は一転して調整が加速しており、2018年10月9日〜2018年10月24日までのリターンは▲8〜16%台のマイナスリターンとなっている。

 逆に、暴落前の2018年10月9日までの1年間のリターンで下位にきていた「インド株式」や「セクター株式・貴金属」などのカテゴリーは、2018年10月10日以降は底堅いパフォーマンスに転じており、選好されている資産の逆転現象が起こっている。

図表1:米国籍オープンエンドファンド(ETF含む)のカテゴリー別リターン

図表1:米国籍オープンエンドファンド(ETF含む)のカテゴリー別リターン

※ 2018年10月9日までの1年間のリターン上位・下位5カテゴリーを掲載
※ 米ドルベース
出所:モーニングスター作成

分散投資先を求めた選別の動きが強まる

 また、米国籍ファンドの資金フローにも、暴落前後の投資家の行動が表れている。最初の暴落があった10日前後の2週間(4日〜17日)を対象として、米国籍オープンエンドファンド(ETF含む)のカテゴリー別純資金流出入額を、米モーニングスターの推計値で見ると、米国株式の代表的なカテゴリーである「米国株式大型ブレンド」が88億ドルの純資金流出と全カテゴリーで最大の流出額となっており、米国株式に対する投資家の弱気の見方が表れている(図表2)。また、「米国株式小型グロース」も18億ドルの純資金流出となり、従前好調なパフォーマンスのグロースファンドからの資金の巻き戻しも見られる。

 一方で純資金流入上位を見ると、「米国株式大型バリュー」が17億ドルの純資金流入と、グロースから流れた資金がバリューに向かっている可能性がある。また、「日本株式」、「海外株式大型ブレンド」がそれぞれ15億ドル、13億ドルの純資金流入となっており、米国株式が苦戦する中で対照的な結果となっている。株式全般から資金が流出しているわけではなく、分散投資先を求めた選別投資の動きが強まっていると言えるだろう。

図表2:米国籍オープンエンドファンド(ETF含む)のカテゴリー別純資金流出入額

図表2:米国籍オープンエンドファンド(ETF含む)のカテゴリー別純資金流出入額

※ 期間:2018年10月17日までの2週間(4日〜17日)の累計
※ 上位・下位5カテゴリーを掲載
出所:モーニングスター作成

 一方で注意すべきは米国籍ETFの資金フローで、週次の純資金流出入額を見ると、10月10日までの1週間が35億ドルの純資金流出となり、14週ぶりの流出超過を記録している。10月17日までの1週間においても117億ドルの純資金流出と、流出額を拡大させている(図表3)。

図表3:米国籍ETFの純資金流出入額推移(週次)

図表3:米国籍ETFの純資金流出入額推移(週次)

※ 期間:各日付までの1週間の 純資金流出入額
出所:モーニングスター作成

 ちなみに1カ月間の純資金流出額が100億ドルを超えたのは2014年1月の197億ドルが最後で、10月はそれ以来の流出規模となる可能性もある。ETFは近年、安定的な資金流入が継続し、米国投信市場の規模拡大に大きく寄与してきただけに、流出が加速するか注目だ。

(坂本 浩明)

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