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アナリストの視点(ファンド)

ノーロード投信は信託報酬も安い?注目のカテゴリーは?

2018-12-05

ノーロード投信の設定本数が全体に占める割合は2016年以降15%超

 ファンドの購入時に手数料がかからない「ノーロード」タイプの投資信託の設定が近年増えている。2018年1月〜10月に設定された国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用ファンド、ETF、ファンドラップ専用ファンド並びに2018年10月末時点で償還済みのファンドを除く)の中でノーロード投信の割合は16.7%と3年連続で15%を超えた。つみたてNISA開始前にノーロード投信の設定が相次いだ2017年の20%台と比べるとやや低下しているものの、5%未満の水準であった2014年と比べて高い水準を維持している(図表1参照)。

 購入時手数料がかかる投資信託について3%の手数料がかかる例を挙げると、1,000万円の投資信託を購入する時点では30万円の負担がかかり、970万円が実際に投資される金額となる。購入時点で購入時手数料がかからないノーロード投信と比較して投資金額に30万円の差が発生することになる。毎年5%の複利利回りのケースで考えると10年後には一般的な投資信託が約1,505万円、ノーロード投信の場合は約1,551万円となりその差は約47万円と購入時よりも拡大し、年々運用益の差は開くことになる。

図表1:ノーロード投信の設定本数が全体に占める割合の推移

図表1:ノーロード投信の設定本数が全体に占める割合の推移

※ 期間:2014年〜2018年(2018年は1月〜10月末)
※ 国内公募追加型株式投信を対象に集計
※ 確定拠出年金専用ファンド、ETF、ファンドラップ専用ファンドを除く
※ 2018年10月末時点で償還済みのファンドを除く
出所:モーニングスター作成

購入時手数料に留まらないノーロード投信の優位性

 また、パフォーマンスを見ても、ノーロード投信は相対的に良好となっている。ファンドの運用の効率性を確認するため、モーニングスターカテゴリー内でのリスク調整後リターンに基づき1ツ星〜5ツ星の5段階で付与され、5ツ星が最も高いパフォーマンスとなるモーニングスターレーティングの平均値を確認すると、2018年10月末時点でノーロード投信の平均値がアクティブファンドでは3.32、インデックスファンドでは3.23となっている。全ファンドの平均値よりも0.45、0.08それぞれ高く運用効率が相対的に優れたファンドが多い傾向にある(図表2参照)。

 この要因として考えられるものが信託報酬等(税込)の低さである。ノーロード投信の平均値はアクティブファンドでは0.92%、パッシブファンドでは0.41%と、全ファンドの平均値と比較してそれぞれ0.62%、0.14%低く、購入時の手数料がかからないだけではなく、運用時にかかるコストである信託報酬等(税込)も低いファンドが多くなっている(図表3参照)。背景には、ノーロード投信の中では販売会社の経費を相対的に低く抑えることができるネット専用ファンドが多いこと、通貨選択型ファンド等の複雑な商品設計のファンドがほとんどなくシンプルなファンドが多いことなどが考えられる。

図表2:ノーロード投信とファンド全体のレーティングの比較

図表2:ノーロード投信とファンド全体のレーティングの比較

※ 2018年10月末時点
※ 国内公募追加型株式投信のうち、同月末時点でモーニングスターレーティングが付与されているファンドを対象に集計
※ 確定拠出年金専用ファンド、ETF、ファンドラップ専用ファンドを除く
出所:モーニングスター作成

図表3:ノーロード投信とファンド全体の信託報酬等(税込)の比較

図表3:ノーロード投信とファンド全体の信託報酬等(税込)の比較

※ 2018年10月末時点
※ 国内公募追加型株式投信を対象に集計
※ 確定拠出年金専用ファンド、ETF、ファンドラップ専用ファンドを除く
出所:モーニングスター作成

バランス型ファンドの設定が30%超の高水準を持続、つみたてNISA対象ファンドも多い

 続いて、直近の設定本数について確認すると、ノーロード投信のうちバランス型ファンドの割合が上昇している。2018年1月〜10月に設定されたファンドについてみると全体の30.7%がバランス型ファンドになっており、40%を超えた前年には及ばないもののなお比較的高い水準を持続している(図表4参照)。

 バランス型ファンドの設定については、一般の投資家が購入可能なファンドも多数設定されている。特に「楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)」などを設定する楽天投信投資顧問、「Smart-i 8資産バランス 成長型」などを設定するりそなアセットマネジメント、「たわらノーロード 最適化バランス(安定成長型)」などを設定するアセットマネジメントOneがそれぞれ一般の投資家が購入可能なノーロードのファンドを今年5本以上設定している。この背景としてはつみたてNISAの指定インデックス投資信託に該当する投資信託の設定が相次いだ要因が大きい。

図表4:ノーロード投信の設定本数に占めるバランス型ファンドの割合

図表4:ノーロード投信の設定本数に占めるバランス型ファンドの割合

※ 期間:2014年〜2018年(2018年は1月〜10月末)
※ 国内公募追加型株式投信のうち、2018年10月末時点でモーニングスターカテゴリーが付与されたノーロードファンドを対象とし、モーニングスター大分類が「バランス型」に属するファンドの割合を集計
※ 確定拠出年金専用ファンド、ETF、ファンドラップ専用ファンドを除く
※ 2018年10月末時点で償還済みのファンドを除く
出所:モーニングスター作成

 ノーロード投信は購入時の手数料が発生しないことが最大のメリットであるが、信託報酬についても相対的に低いファンドが多く、投資初心者向きのバランス型ファンドの設定が増えていることから注目したい。

(永長 祥典)

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