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アナリストの視点(ファンド)

OPEC総会目前、原油関連ファンドの現況は!?

2018-12-05

 12月6日にOPEC(石油輸出国機構)総会が開かれます。原油相場は2018年10月以降急落し、ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は、10月上旬の高値から11月下旬の安値まで3割超下落しました。OPEC総会では協調減産を図ると見られており、原油価格が下げ止まるか注目されています。そこで、原油相場の影響が見込まれるファンドについて確認しておきたいと思います。

原油関連ファンドの大半は北米株式型

 原油関連ファンドとして、国内アクティブファンド(確定拠出年金及びファンドラップ専用含む)のうち、まずファンド名にエネルギー開発関連の共同事業体である「MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)」、「原油」、「エネルギー」のいずれかを含むファンドを抽出し、その中から、原油相場の影響を受けると判断した22ファンドを対象としました。そのうち2018年10月末時点の純資産残高上位10ファンドは図表1の通りです。なお、22ファンドのモーニングスターカテゴリーを見ると、18ファンドが「国際株式・北米」でした。

図表1:主な原油関連ファンド

ファンド名 カテゴリー名 純資産額
(百万円)
リスクメジャー
米国エネルギーMLPオープン(毎月決算型)為替ヘッジなし 国際株式・北米(F) 32,528 5
米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし) 国際株式・北米(F) 23,135 5
MLP関連証券ファンド(為替ヘッジなし) 国際株式・北米(F) 11,332 5
米国エネルギーMLPオープン(毎月決算型)為替ヘッジあり 国際株式・北米(H) 7,147 5
米国MLPファンド(毎月分配型)Bコース(円ヘッジなし) 国際株式・北米(F) 6,684 5
GS MLPインフラ関連証券ファンド 毎月決算コース 国際株式・北米(F) 5,362 5
WTI原油先物ファンド(ロング・ポジション) コモディティ 5,264 5
HSBC 世界資源エネルギーオープン 国際株式・グローバル・含む日本(F) 4,690 4
ダイワ 米国MLPファンド(毎月分配型)米ドルコース 国際株式・北米(F) 3,446 5
北米エネルギーファンド(毎月決算型) 国際株式・北米(F) 3,159 5

※ 2018年10月末時点
※ (F)=為替ヘッジなし、(H)=為替ヘッジあり
出所:モーニングスター作成

関連ファンドは価格変動が大きい

 対象22ファンドの2018年10月末時点のモーニングスターリスクメジャーを見ると、「3」(平均的)が1ファンド、「4」(やや高い)が3ファンド、「5」(高い)が18ファンドで、平均は4.8となりました(図2参照)。リスクメジャーとは、基準価額の変動をリスクと捉えた「標準偏差」が、全ファンドの中でどの程度の水準にあるかを示した値です。「1」(低い)から「5」(高い)までの5段階あり、価格変動をよほど好む投資家でない限り、リスクメジャーは低いほど良いことになります。

図表2:原油関連22ファンドのリスクメジャー

図表2:原油関連22ファンドのリスクメジャー

※ 2018年10月末時点
出所:モーニングスター作成

 次に、対象22ファンドの過去3年間の標準偏差(年率)について%ランクを見ました。%ランクとは、その属するカテゴリーの中で上位何%以内に属するかを表したものです。標準偏差の場合は、数値が大きいほど価格変動が大きいことになります。結果は、51〜60%が1ファンド、71〜80%が2ファンド、81〜90%が11ファンド、91〜100%が8ファンドとなりました(図表3参照)。これは、原油関連ファンドの大半が属する「国際株式・北米」を例にとると、北米の株式というリスク資産に投資するカテゴリーの中でも価格変動が大きいことを表しています。原油関連ファンドは全ファンドを対象としたリスクメジャーで見ても、カテゴリー内でより詳細に見ても、価格変動が大きいといえます。

図表3:原油関連22ファンドの過去3年間の標準偏差の%ランク

図表3:原油関連22ファンドの過去3年間の標準偏差の%ランク

※ 2018年10月末時点
出所:モーニングスター作成

 原油市場の先行きについては、今回のOPEC総会後に下げ止まる可能性がある一方で、2019年に入ると米国のシェールオイルの輸出拡大が見込まれるため当面は軟調推移が続くとの見方もあります。原油価格が下げ止まった場合には、原油の採掘・生産などいわゆる「川上関連」の企業に投資しているファンドにとってプラスとなり、軟調に推移した場合には石油販売など「川下関連」の企業に投資するファンドにとってプラスに働くと見られますが、いずれにしても値動きが大きくなる可能性がある点には留意が必要です。

(武石 謙作)

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