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アナリストの視点(ファンド)

国内REITが分散投資の効果を発揮、有効な組み合わせは?

2018-12-13

過去3年間で「特殊運用型」を除く全ての資産との間で相関係数が低下

 過去3年間で国内REITに投資するファンドの他資産との相関係数が大幅に低下しており、分散投資の対象としての魅力が向上している。相関係数とは、ある2つの資産の値動きの関係性(連動性)を数値化したもので、1に近いほど連動性が高く、0近辺の場合にはほぼ無関係の値動き、反対に−1に近いほど逆の値動きをすることになる。

 以下の図表はモーニングスター大分類「国内REIT」型に対する各資産クラス別に見る過去3年間(2015年12月〜2018年11月)とその前の3年間の相関係数(2012年12月〜2015年11月)について示した図表である。「特殊運用型」を除く全ての資産との間で相関係数が低下しており、特に「国内株式型」が0.55から0.14に、「国内債券型」では0.64 から0.04に低下している点が特に注目される(図表1参照)。同じ国内資産同士であってもREITに投資を行うことにより、同じような値動きすることを防止することができたことを示している。実際にそれぞれの資産を単独で保有していた場合、2015年2月〜2018年11月の間(36カ月)に「国内株式型」は12カ月、「国内債券型」は13カ月、「国内REIT型」は17カ月リターンがマイナスとなっているが、3資産を3分の1ずつ保有した場合には7カ月以外はプラスのリターンを確保できていた。

 各資産との相関係数が大幅に下がった要因として2017年、2018年の「国内REIT型」資産の動向が挙げられる。2017年の世界的な資産価格上昇局面では「国内REIT型」、「特殊運用型(単純)」を除く全ての資産が上昇した一方で、2018年1月〜11月にはリスク回避の動きが広がる中で「国内REIT型」資産が上昇している。

図表1:国内REIT型」に対する各資産との相関係数の3年前との比較

図表1:国内REIT型」に対する各資産との相関係数の3年前との比較

※ 「モーニングスターインデックス 国内REIT型(単純)」との相関係数を比較。各大分類は「モーニングスターインデックス(単純)」を使用。3年間の月次リターンに基づく
出所:モーニングスター作成

 2018年に「国内REIT型」が他の資産と異なり、上昇基調となった背景としては、不動産賃貸市場を巡る需要の強さ、並びに世界的な金利上昇局面の中で投資法人による借り入れ、資金調達の目安となる国内金利が低水準にとどまっている影響が大きい。東京証券取引所の発行する月刊REITレポートの用途区分2018年11月末時点では35.8%を占める「総合型」に次いで19.4%の割合を占める「オフィス」では、空室率の低下及び賃料が上昇するなど良好な環境となっているほか、賃貸や物流関係も含めて不動産賃貸市場が全般的に好調さを維持していることなどが挙げられる。

注目ファンドは?長期で優れた運用効率を上げるファンドが多数

 続いて、注目のファンドについて説明したい。以下は2018年11月末時点でモーニングスターカテゴリーが「国内REIT」に属するファンドを対象に(1)〜(4)の条件で抽出したものである。(1)5段階評価で運用効率の高さを示すモーニングスターレーティングが4ツ星以上。(2)「満期が無いもしくは10年以上」、コスト面での優位性を図る尺度である「フィーレベルカテゴリー」でフィーレベルが「平均より低い」、「低い」、「平均的」のいずれかに該当。(3)純資産残高が50億円以上。(4)毎月分配型を除く(図表2参照)

 一例として「J−REITオープン(年4回決算型)」については、2010年7月の現行レーティング付与開始以降一貫して5ツ星を継続しており、高いパフォーマンスが継続していることが注目される。上場銘柄61銘柄中58銘柄とほとんどの銘柄を組み入れしているものの、機動的な資産配分を行い、総合型やオフィス関連の銘柄を多く組み入れている点が特徴となっている。

 現時点で国内REITファンドを保有していない、もしくはポートフォリオにおける組入比率が低い人は分散投資の一環として組入れを検討してもよいと思われる。

図表2:注目の「国内REIT」ファンド

ファンド名 運用会社 アクティブ/パッシブ 純資産残高(億円) 決算回数 信託報酬等(税込) レーティング
J-REIT・リサーチ・オープン(年2回決算型) 三井住友トラスト アクティブ 260 半期 1.08 ★★★★
SMT J-REITインデックス・オープン 三井住友トラスト パッシブ 180 半期 0.432 ★★★★
J-REITオープン(年4回決算型) 野村 アクティブ 121 四半期 1.08 ★★★★★
eMAXIS 国内リートインデックス 三菱UFJ国際 パッシブ 109 年1回 0.432 ★★★★
<購入・換金手数料なし>ニッセイ Jリートインデックスファンド ニッセイ パッシブ 92 年1回 0.27 ★★★★
野村 インデックスファンド・J-REIT 野村 パッシブ 59 年1回 0.432 ★★★★
J-REITオープン(資産成長型) 野村 アクティブ 56 半期 1.08 ★★★★★

※ 2018年11月末時点
出所:モーニングスター作成

(永長 祥典)

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