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アナリストの視点(ファンド)

優れた成果を出すアクティブファンドとは?インフォメーションレシオで確認

2018-12-19

 今回はファンドの運用成績を測る一つの指標である「インフォメーションレシオ」を用いてアクティブファンドの分析を行い、良好な成績を上げるファンドにどのような特徴があるかを調べた。

インフォメーションレシオとは

 「インフォメーションレシオ」は情報比とも呼ばれ、「超過収益率」を「トラッキングエラー」で割ることで算出する。超過収益率はベンチマークをどれだけ上回ったかを示す指標で、一定期間のファンドのリターンから、ベンチマーク(国内株式ファンドであればTOPIXなど)のリターンを引いて算出する。この数値が大きいほどベンチマークより高い収益を上げたことになる。トラッキングエラーはファンドのリターンとベンチマークのリターンとの差の標準偏差であり、この数値が大きいほどベンチマークから乖離していることになり、リスクを取った運用であることを表している。

図式:インフォメーションレシオ

 インフォメーションレシオは、超過収益率をトラッキングエラーで割って算出することで、ファンドがベンチマークに対して取ったリスクに対し、どれだけ効率的に超過収益を得たかを測ることが可能となっている。

 今回は、2018年11月末時点でモーニングスターカテゴリーが「国内大型ブレンド」もしくは「国内大型バリュー」、「国内大型グロース」のいずれかに属する国内公募追加型株式ファンドのうちアクティブファンド(確定拠出年金専用、ETF、ファンドラップ専用を除く)を対象に、「TOPIX(配当込)」をベンチマークと仮定して過去10年間のインフォメーションレシオを算出した。対象ファンド161本中、一般的に良好なアクティブファンドと呼ばれるインフォメーションレシオが0.5以上となったファンドが10本、0以上0.5未満となったファンドが53本、0未満(超過収益率がマイナス)となったファンドが98本という結果となった。

 以下の図表1はインフォメーションの水準別に、超過収益率の平均値とトラッキングエラーの平均値を示したものである。インフォメーションレシオが高いファンドは超過収益率も高くなる傾向が見られた。インフォメーションレシオが0.5以上のファンドの超過収益率(年率)の平均値が3.87%、0以上0.5未満のファンドの平均値が0.91%、0未満となったファンドの平均値が▲1.25%となった。また、インフォメーションレシオがプラスとなったファンドは、トラッキングエラーも相対的に大きくなる傾向が見られた。インフォメーションレシオが0.5以上となったファンドのトラッキングエラー(年率)の平均値が6.02%、0以上0.5未満となったファンドの平均値が4.99%、0未満となったファンド平均値が4.11%となった。

 インフォメーションレシオの高い優れたファンドについては、「TOPIX(配当込)」と比べて超過収益率だけではなくトラッキングエラーも高くなっているが、これは積極的にリスクを取りつつも、それに見合う十分な超過収益を実現していたということになる。

図表1:超過収益率とトラッキングエラー(過去10年間、年率)

図表1:超過収益率とトラッキングエラー(過去10年間、年率)

※ 2018年11月末時点
※ 同月末時点でモーニングスターカテゴリーが「国内大型ブレンド」もしくは「国内大型バリュー」、「国内大型グロース」のいずれかに属するアクティブファンドを対象に単純平均で集計
※ ベンチマークを「TOPIX(配当込)」と仮定して計算
※ 確定拠出年金専用、ETF、ファンドラップ専用を除く

ベンチマークにとらわれすぎない柔軟な運用を行うファンドがトップに

 図表2は、過去10年間のインフォメーションレシオが0.5以上となったファンドの一覧となる。トップとなったのは2018年11月末時点でカテゴリーが「国内大型ブレンド」に属している「DIAM 国内株オープン」であり、インフォメ―ジョンレシオは1.06と優れた成果を発揮している。当ファンドは「TOPIX」をベンチマークとしているものの、マクロの投資環境の変化に応じて、成長系、割安系、大型、中小型といった視点等から、その局面で最適と思われる投資スタイルを採用していることが特徴である。同月末時点では、小型株等を27.2%組入るなど、「TOPIX」にとらわれすぎない柔軟な運用を行っている。

 残りの9本はカテゴリーが「国内大型グロース」に属している。ランキングでは大型グロースが目立つものの、同カテゴリーに属する49本中21本はインフォメーションレシオがマイナスとなっている。つまり、全ての大型グロースファンドが良好な結果となっていたわけではなく、一覧の9本は中でも効率的に超過収益を稼いだファンドといえるだろう。

図表2:インフォメーションレシオが0.5以上のファンド一覧

ファンド名 超過収益率
(10年・年率)
トラッキングエラー
(10年・年率)
インフォメーション
レシオ(10年)
DIAM 国内株オープン 4.68% 4.40% 1.06
スパークス・新・国際優良日本株ファンド 7.16% 9.34% 0.77
三菱UFJ 日本成長株オープン 4.21% 6.16% 0.68
年金積立Jグロース 2.49% 4.21% 0.59
利益還元成長株オープン 2.47% 4.20% 0.59
スパークス・アクティブ・ジャパン 3.53% 6.09% 0.58
スパークス・ジャパン・オープン 3.47% 6.13% 0.57
ニッセイ 日本株グロースオープン 3.09% 5.53% 0.56
スパークス・ジャパン・エクイティ・ファンド 3.34% 6.12% 0.55
情報エレクトロニクスファンド 4.27% 8.07% 0.53

※ 2018年11月末時点
※ 同月末時点でモーニングスターカテゴリーが「国内大型ブレンド」もしくは「国内大型バリュー」、「国内大型グロース」のいずれかに属するアクティブファンドを対象に集計
※ ベンチマークを「TOPIX(配当込)」と仮定して計算
※ 確定拠出年金専用、ETF、ファンドラップ専用を除く

(永長 祥典)

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