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アナリストの視点(ファンド)

10年で純資産総額が4倍増となった世界の日本株ファンド、日本と海外の差とは?

2019-03-28

 モーニングスターのグローバルデータベースによると、2019年1月末時点において世界で運用されている日本株ファンドの純資産総額(ETF含む)は5,565億ドル(約60兆円、※)と、過去10年間で4.1倍に拡大した。内訳をみていくと日本籍が7割、海外籍は3割となっており、10年前との比較では日本籍の比率が1割程度上昇している。

※2019年1月末時点のTTM(1ドル=108.96円)で円換算

 世界の日本株ファンドの7割を占める日本籍について同月末時点における純資産総額シェアを見ると、アクティブが13.4%、ETF以外のパッシブが7.0%にとどまり、ETFが79.6%を占めている(図表1参照)。ETFを本数ベースでみると、TOPIX連動型が6本、日経225連動型が8本となったものの、個別の純資産総額ランキングで第1位に「TOPIX連動型上場投資信託」、第2位に「日経225連動型上場投資信託」が入るなど、純資産総額ベースではTOPIXや日経225連動型が9割超となっていた。日銀によるETFの購入の影響もあるが、日本の投資家にとってなじみの深い指数連動型が中心となっているのが特徴的だ。なお、グローバルデータベースを使用せずに、日本独自で集計した場合には、業種別株価指数連動型なども日本株に含めるため、残高や比率に多少の違いはあったものの、基本的な傾向は同一となっていた。

図表1:日本籍日本株ファンドのアクティブ・パッシブ別純資産総額シェア

図表1:日本籍日本株ファンドのアクティブ・パッシブ別純資産総額シェア

※ 2019年1月末時点
出所:モーニングスター作成

 世界の日本株ファンドの3割を占める海外籍の内訳は、米国籍が5.7%、欧州籍が24.8%などとなっており、その他のアジアなどは0.5%にとどまる。米国籍の純資産総額シェアでは、アクティブが18.4%、ETFを除いたパッシブが0.7%にとどまる一方で、ETFが80.9%を占めており、日本籍と同じく、ETFがシェアの大半を占める結果となった。ただし、米国籍日本株ETFの純資産総額ランキング上位には、MSCIジャパンインデックス、FTSEジャパンなどの海外でメジャーな指数連動型に加え、米国モーニングスターが算出する日本株指数、小型株指数なども含まれている点で日本とは異なる(図表2参照)。なお、米国籍には日本ではメジャーなTOPIXや日経225連動型は1本も無く、JPX日経400連動型が複数設定されているにとどまっている。

図表2:米国籍日本株ETFの純資産総額上位

順位 ファンド名 委託会社 純資産総額
(億ドル)
第1位 iShares MSCI Japan ETF iShares 159.7
第2位 JPMorgan BetaBuilders Japan ETF JPMorgan 39.2
第3位 WisdomTree Japan Hedged Equity Fund WisdomTree 35.0
第4位 WisdomTree Japan SmallCap Dividend Fund WisdomTree 7.7
第5位 Xtrackers MSCI Japan Hedged Equity ETF Xtrackers 6.2
第6位 Franklin FTSE Japan ETF Franklin Templeton 2.7
第7位 iShares MSCI Japan Small-Cap ETF iShares 1.9
第8位 First Trust Japan AlphaDEXR Fund First Trust 1.3
第9位 iShares JPX-Nikkei 400 ETF iShares 1.1
第10位 WisdomTree Japan Hedged SmallCap Eq Fd WisdomTree 0.9

※ 2019年1月末時点
出所:モーニングスター作成

 一方、欧州籍日本株ファンドの純資産総額シェアは、ETF以外のパッシブが16.2%、ETFが17.0%にとどまり、アクティブが66.8%を占めている。アクティブを設定年代別にみていくと、本数ベースでは70.5%が2000年以降の設定ファンドとなっているものの、純資産総額ベースでは2000年以降に設定されたファンドが53.6%、2000年以前に設定されたファンドが46.4%と、資産規模はほぼ同じとなった(図表3参照)。個別ファンドの純資産総額トップ10をみても、1988年に設定された「JPM Japan Equity Fund」が第1位となったほか、6本が1980年代や1990年代の設定である。同じ基準で、日本籍日本株アクティブをみると、設定年代別の本数ベースでは2000年以降に設定されたファンドが87.8%、純資産総額ベースでも2000年以降に設定されたファンドが82.3%となっていた。個別ファンドの純資産総額ランキングでも、第1位の「ひふみプラス」が2012年に設定したほか、7本が2000年以降の設定となっていた。欧州は日米とは異なり、アクティブが高い人気を有しているものの、20年以上の運用実績を有するファンドの比率が高く、長期の実績を重視する投資家が多いのが特徴的だ。

図表3:欧州籍日本株アクティブの設定年代別本数及び純資産総額シェア

図表3:欧州籍日本株アクティブの設定年代別本数及び純資産総額シェア

※ 2019年1月末時点
※ 欧州籍日本株アクティブの本数はオールデストシェアクラスを対象に集計、純資産総額は各シェアクラスの合算値
出所:モーニングスター作成

(平井 綾香)

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