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アナリストの視点(ファンド)

米国籍パッシブが史上初の4割越え!主力は明暗分かれる米国株式

2019-07-25

米国籍ETFは米国株式を中心に外国株式と課税債券が主導

 米国籍ファンド(※1)の月末純資産総額は2019年6月末時点では19.3兆ドル(約2,082兆円)と、米国モーニングスターで統計がとれる1993年2月以降過去最大の資産規模を記録するとともに、パッシブの純資産総額シェアは初めて4割を越えた(図表1参照)。1993年2月以降のシェアを見ていくと、10%を越えたのがETF以外は2008年10月と、ETFの2009年12月よりも1年以上早かったものの、その後の10年間ではETFのほうが伸び率が高かったこともあり、2019年6月末時点にはETF以外が19.9%、ETFが20.1%と同程度のシェアを獲得している。

※1.米国籍オープンエンドファンド(ETF含む)が対象

図表1:米国籍オープンエンドパッシブファンドの純資産総額シェア

図表1:米国籍オープンエンドパッシブファンドの純資産総額シェア

※期間:1993年2月から2019年6月末まで(月次ベース)
出所:モーニングスター作成

 資産別の純資金流出入額の推移を見ると、2006年頃から主力の米国株式でアクティブが流出超過、パッシブでは流入超過の傾向が一気に強まった。2019年6月末までの過去10年間の累計額では、米国株式はアクティブが1.3兆ドルの流出超過に対し、パッシブは1.3兆ドルの流入超過とほぼ同額であった。一方で、外国株式と課税債券は、アクティブとパッシブがともに流入超過となったものの、パッシブの流入超過額は外国株式が9,248億ドル、課税債券が1.0兆ドルと、アクティブの流入超過額(外国株式:1,107億ドル、課税債券:8,895億ドル)を上回った。その結果、2019年6月末時点の資産別純資産総額シェアでは、米国株式がETFの48.6%、ETF以外の62.7%と最も高いシェアを獲得したほか、外国株式が前者は19.1%、後者は15.3%、課税債券が前者は16.9%、後者は18.3%を占めた(図表2参照)。米国籍ファンドでは、ETFとETF以外の比率に多少の差異はあるものの、ともに米国株式を中心に外国株式と課税債券の3資産の合計で8〜9割のシェアを有し、比較的近い傾向を示した点が特徴的である。

図表2:米国籍パッシブ及びETFの資産別純資産総額シェア

図表2:米国籍パッシブ及びETFの資産別純資産総額シェア

※2019年6月末時点
※ETFのシェア上位順に集計
※資産はUSカテゴリーグループに基づく
出所:モーニングスター作成

国内籍パッシブのシェアは米国よりも2年早く4割越えも、日銀の購入が主導

 国内パッシブファンド(※2)の2000年以降の純資産総額シェアでは、2001年3月に10%を越えてから着実にシェアを伸ばし、2017年10月には40.4%と米国籍よりも2年程度早く4割越えを達成していた。2019年6月末時点のパッシブのシェアは48.2%と、5割に迫る勢いを見せている。その内訳は、ETF以外が10.1%にとどまる一方、ETFが38.1%とETF以外の約4倍になっており、両者がほぼ同比率の米国籍とは異なる。

 パッシブのシェア拡大の背景には、2010年12月に開始された日銀によるETFの買い入れがある。当初は日経225やTOPIXといった国内でも代表的な株式指数のETFに限定されていたが、現在では上記2指数のほかに買い入れ対象となる指数が増えたほか、2019年3月までの過去3年間では17.4兆円もの買い付けを行っており、同月末時点の時価保有残高は28.9兆円とETF全体の7割超を保有していることになる。日銀の保有分を除いた後のパッシブの比率は未だ19.4%にとどまる。

 そのため、2019年6月末時点の資産別純資産総額シェアを見ていくと、米国と大きく傾向が異なり、ETFの大半である93.7%が国内株式となる一方で、ETF以外では国内株式が28.5%で最も高いものの、国際株式、国内外債券、バランスもそれぞれ13〜20%のシェアを獲得していた(図表3参照)。米国籍と比べて、国内籍はETFが日銀主導のため極端な偏りがあるものの、ETF以外では複数の資産に分散されており、実質的なシェアはまだ低いものの、パッシブの活用が進み始めている。

※2.国内公募追加型株式投信(確定拠出年金及びファンドラップ専用、ETF含む)が対象

図表3:国内籍パッシブ及びETFの大分類別純資産総額シェア

図表3:国内籍パッシブ及びETFの大分類別純資産総額シェア

※2019年6月末時点
※ETFのシェア上位順に集計
※資産はモーニングスター大分類に基づく
出所:モーニングスター作成

(平井 綾香)

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