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アナリストの視点(ファンド)

国内ファンドは1年半で100本超の減少、その背景は新規設定の減少

2020-08-03

 2020年6月末時点の国内ファンド(※)全体の本数は5,296本となり、その内訳はアクティブが4,496本、パッシブが800本となった。本数の推移では、2010年7月末時点に全体で3,000本程度であったが、10年を経て2,267本、そのうちアクティブが1,858本、パッシブが409本増加していた(図表1参照)。長期で見ていくと国内ファンドの本数は大幅に増加したものの、一方で全体の本数が最多を記録した2019年1月末と2020年6月末を比較すると121本減少している。ただし、アクティブ・パッシブ別で見るとその傾向には違いがあった。アクティブの本数最多は全体と同じく2019年1月末であり、2020年6月末との比較でも158本減少していたが、パッシブの本数最多は2020年5月末であり、2020年6月末には1本減少するにとどまっており、最多本数とほぼ変わらなかった。

※国内公募追加型株式投信(確定拠出年金及びファンドラップ専用含む、ETF等除く)、以下本文、図表同様

図表1:過去10年間のアクティブ・パッシブ別本数推移

図表1:過去10年間のアクティブ・パッシブ別本数推移

※期間:2010年7月〜2020年6月(月次)
※アクティブ・パッシブは投信協会の分類に基づく
出所:モーニングスター作成

 国内ファンドの減少の理由として、償還ファンドが多くなったことを推察したものの、実際のデータを確認すると2016年から2019年までは297本から341本、2020年6月末までは217本と概ね200〜350本の範囲内となっていた。直近で償還するファンドが急増したわけではなかったが、アクティブ・パッシブ別での各年の償還本数に関してはパッシブが30本未満にとどまる中で、アクティブは200本以上と償還ファンドのほとんどがアクティブとなった。

 償還ファンドに反して減少傾向となったのは、新規設定ファンドである。同期間の新規設定ファンドを見ていくと、全体では2016年、2017年が450本を超えていたが、2018年には373本、2019年には268本となった。アクティブでは、2016年の386本をピークに減少が続いており、2019年には前年比で100本近く新規設定本数が減少した(図表2参照)。パッシブでも、つみたてNISAが始まる前年の2017年に対象となるファンドが続けて設定されたことを背景に、110本と同期間で最多の設定本数を記録したものの、2018年、2019年にはそれぞれその半分程度の設定にとどまった。2020年6月末までにおいては、1月〜3月はアクティブが各月20本から32本、パッシブが各月4本から9本設定していたものの、4月以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言などの影響を受けて、アクティブは4月〜6月の各月10本以下、パッシブは4月に1本設定されるのみだった。新型コロナウイルスの感染拡大という異例の状況下ではあるものの、2020年後半も前半と同様の設定本数が継続すれば、2020年の新規設定本数も2019年と比較して大幅に減少する可能性が高い。

図表2:アクティブ・パッシブ別新規設定本数

図表2:アクティブ・パッシブ別新規設定本数

※期間:2016年〜2020年(2020年は6月末まで)
※アクティブ・パッシブは投信協会の分類に基づく
出所:モーニングスター作成

 償還本数が各年で変わらない中で、新規設定本数が減少していることが国内ファンド全体の本数減少につながった。このうち、パッシブについては新規設定本数が償還ファンドの本数を上回っており、本数が減少することはなかったが、アクティブにしてはパッシブと逆に償還ファンドの本数が新規設定本数を上回っており、2019年、2020年においては各年100本近く償還ファンドの本数が多くなったことで減少に傾いた。今回は、各年の本数での比較のみを行ったが、現在金融庁は純資産額が少ないファンドが多いことを問題視し、類似戦略ファンドの統合を示唆している。今後、国内ファンドの変革が進めば、国内ファンドはより厳選されていくかもしれない。

(平井 綾香)

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