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アナリストの視点(ファンド)

各社ポイント運用サービス、投資先ファンドのパフォーマンスを徹底比較!賢くポイントを運用するコツとは?

2020-08-31

 楽天の「楽天ポイント」、ドコモの「dポイント」といった各社の様々なサービスを活用することで貯まっていくポイントサービスに親しみを抱く人も多いだろう。このポイントを投資に活用する「ポイント運用」が近年、急速に拡大しており、気軽に投資体験ができる点が魅力の一つとなっている。「ポイント運用」では、ポイントを運用会社に預け、指定の投資信託などの購入に充てられるが、ポイントを現金として引き出すことはできない。一方、「ポイント運用」と似ているものの、異なるサービスとして「ポイント投資」がある。「ポイント投資」ではポイントをあらかじめ現金化することで、株式などの金融商品の購入に充てられる。さて今回は、「ポイント運用」を運営している「楽天」、「セゾン」、「ドコモ」、「au」、「PayPay」の主要5社を取り上げ、実質的な投資先である投資信託の特徴やパフォーマンスを比較した。

各社のポイント運用コースの特徴は?

 各社が運営しているポイント運用では、投資家が選択した運用コースにつき1本の投資信託が実質的に組み込まれているため、運用コースに投資したポイントの増減は、各コースの投資先となっている投資信託の運用成績に左右されている。主要5社ではauを除いた4社で、投資家は複数の運用コースから選択できるようになっており、主な運用コースでは、株式を中心とした運用を行うファンドを組み入れている「アクティブコース」と、債券を中心とした運用を行うファンドを組み入れている「バランスコース」に大別されている。加えて、セゾンやドコモでは、日本や米国の株価指数連動型やテーマ型のコースが選択できるようになっており、ある程度投資を学んだ投資家が、さらに一歩踏み込んだコースを選べるような工夫がなされている。さらに、auでは運用コースが1本しかないものの、他ユーザーの売買比率を表示できる点や、PayPayでは所有ポイントを自動的に運用コースの口座に追加する設定にすることで、手軽に積立投資が可能な点など、各社それぞれで特徴があり、差別化を図っている。

 投資先ファンドについてみると、楽天やau、セゾンのコースでは自社グループ内の運用ファンド、ドコモのコースでは提携先のロボアド運用会社のファンドを採用している一方、PayPayでは米国籍のETFを採用している(図表1参照)。

図表1:ポイント運用サービス比較

ポイント
運用サービス
運営会社名
ポイント名 アクティブ
コース名
バランス
コース名
コース
本数
実質的な
投資先
主な特徴
楽天 楽天ポイント アクティブ バランス 2本 国内投信 ・自社グループ内運用ファンドを採用
・(別途、ポイント投資サービスあり)
セゾン セゾン永久
不滅ポイント
アクティブ
(マネックス運用)/
資産形成の達人
(セゾン運用)
バランス
(マネックス運用)/
グローバルバランス
(セゾン運用)
6本 国内投信 ・一部自社グループ内運用ファンドを採用
・株価指数連動型やテーマ型の運用コースあり
ドコモ dポイント アクティブ バランス 10本 国内投信 ・提携先のロボアド運用ファンドを採用
・株価指数連動型やテーマ型の運用コースあり
au Ponta
ポイント
(コース名なし) 1本 国内投信 ・自社グループ内運用ファンドを採用
・他ユーザーの売買比率表示
PayPay PayPay
ボーナス
短期運用向け
チャレンジ
長期運用向け
スタンダード
2本 米国籍ETF ・提携先のサービス経由で米国籍ETFを組入れ
・自動積立機能

※セゾンでは、資産形成の達人コースをアクティブコースとして比較
※auでは、採用ファンドの性質上アクティブコースとして比較
※PayPayでは、短期運用向けチャレンジコースをアクティブコース、長期運用向けスタンダードコースをバランスコースとして比較
出所:各社HPよりモーニングスター作成

投資先ファンドの特徴は?

 次に、主要5社がアクティブコースとバランスコースで採用しているファンドを比較する(図表2参照)。モーニングスターカテゴリーをみると、セゾンの採用する「セゾン 資産形成の達人ファンド」が「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」に分類され、ドコモの採用する「THEOグロース・AIファンド(世界の株式中心)」、「THEOインカム・AIファンド(世界の債券中心)」が、それぞれ「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」、「国際債券・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」に分類されている。また、PayPayでは両コースともにS&P500に連動するETFを組み入れており、これらのファンドの運用コースに投資する際には、他資産を組み入れているファンドの運用コースを併用し、資産分散を図ることが必要だろう。

 コストについてみると、PayPayの「SPDR S&P500 ETF」が0.09%と、他社ファンドに比べ最低のコストとなっており、続いて楽天の「楽天・インデックス・バランス・ファンド(株式重視型)」、「楽天・インデックス・バランス・ファンド(債券重視型)」が0.2%台と、インデックス・ファンドならではの低コストとなっている(※)。

※国内投信は信託報酬等(税抜、%)、PayPayの採用する米国籍ETFはエクスペンスレシオで比較

図表2:主要5社のアクティブコース、パッシブコースの採用ファンド比較

ポイント
サービス
運用元
コース名 実質投資先
ファンド名
モーニングスター
カテゴリー名
モーニングスター
レーティング
信託報酬等
(税抜、%)
楽天 アクティブ 楽天・インデックス・バランス・ファンド
(株式重視型)
バランス - 0.22
バランス 楽天・インデックス・バランス・ファンド
(債券重視型)
安定成長 - 0.24
セゾン アクティブ
(マネックス)
MSV 内外ETF資産配分ファンド(Hコース) 安定成長 ★★★ 0.92
バランス
(マネックス)
MSV 内外ETF資産配分ファンド(Aコース) 安定成長 ★★★ 0.92
資産形成の達人
(セゾン)
セゾン 資産形成の達人ファンド 国際株式・グローバル・含む
日本(為替ヘッジなし)
★★★★★ 1.23
グローバルバランス
(セゾン)
セゾン バンガード・グローバルバランスファンド 安定成長 ★★★★ 0.52
ドコモ アクティブ THEOグロース・AIファンド(世界の株式中心) 国際株式・グローバル・含む
日本(為替ヘッジなし)
- 0.45
バランス THEOインカム・AIファンド(世界の債券中心) 国際債券・グローバル・含む
日本(為替ヘッジなし)
- 0.45
au (コース名無) auスマート・プライム(高成長) バランス - 1.33
PayPay 短期運用向け
チャレンジ
(米国籍ETF)DIREXION S&P 500 3X Trading
-Leveraged Equity
- 1.01
長期運用向け
スタンダード
(米国籍ETF)SPDR S&P500 ETF Large Blend ★★★★★ 0.09

※セゾン(セゾン投信)では、資産形成の達人コースをアクティブコースとして比較
※auでは、採用ファンドの性質上アクティブコースとして比較
※PayPayの採用する米国籍ETFは米モーニングスターのデータを記載。信託報酬等(税抜、%)にはエクスペンスレシオを記載
※2020年7月末時点
出所:モーニングスター作成

アクティブコースは高リスクに注意、バランスコースは4社ともにパフォーマンス良好

 続いて、米国籍ETFを採用するPayPayを除く4社のアクティブコースとバランスコースについて各コースが採用するファンドの、2020年7月末時点の過去1年間のパフォーマンスを比較した。アクティブコースでは、auが他社と比べ高コストであるものの、資産配分比率を機動的に変更する戦略が奏功したことなどによって、4社のアクティブコースの中で最も優れたリターンとなり、続いて楽天、セゾン(セゾン運用)、ドコモが4%前後のおおむね同水準のリターンとなっている。一方で、リスク(基準価額の価格変動のブレ幅)は4社ともに15%超と高い傾向となっているほか、セゾン(運用)とドコモでは株式資産のみの組み入れのため20〜25%と、さらに高いリスク水準となっている(図表3参照)。

図表3:アクティブコースの過去1年間のリスク・リターン分析

図表3:アクティブコースの過去1年間のリスク・リターン分析

※2020年7月末時点
出所:モーニングスター作成

 一方、バランスコースでは、楽天、ドコモ、セゾン(セゾン運用)が、4%台のリターンとなった。リスクについては、各社でバラつきがあり、その中でもセゾン(マネックス運用)が2.35%と最も低リスクとなり、安定した運用を目指すバランスコースの採用ファンドとしてふさわしい運用がなされている。(図表4参照)。

図表4:バランスコースの過去1年間のリスク・リターン分析

図表4:バランスコースの過去1年間のリスク・リターン分析

※2020年7月末時点
出所:モーニングスター作成

賢くポイント運用するためのコツとは?

 主要4社の採用ファンドでは、過去1年間のパフォーマンスを見る限り、コロナショックのなかでも、良好な成績となっており、ほとんどの採用ファンドで一定のリターンを得ることができている。一方で、リスクについてみると、アクティブコースでは高リスクとなっているファンドが多く、運用コースを併用することなどでリスクを抑えることを心掛けたい。また、バランスコースを選ぶ際には、各社によって組入資産比率が異なっていることなどから、リスクに差が出る点にも考慮すべきだろう。本格的な資産運用を始める前の練習台として、ポイントといえども賢く運用してみてはどうだろうか。

(金子 勇大)

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