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投資信託への資金流出入速報(月一回更新)

日米で資金逃げる高リスク債券ファンド、背景に米金利上昇-2018年5月推計資金流出入

2018-06-04

 モーニングスターの独自推計によると、2018年5月の国内追加型株式投信(ETF除く)の資金フローは1,640億円の純資金流入と7カ月連続の流入超過となった。大分類別(全10分類)の純資金流入は、「国際株式型」が2,239億円で2カ月連続の第1位となり、第2位が「バランス」で1,534億円、3位は「国内株式型」の677億円となった。一方、債券は「国内債券型」が236億円の純資金流出、「国際債券型」が1,389億円の純資金流出となり株式と対照的に流出傾向が鮮明となった。

■ハイイールド債券は600億円超の流出、2年3カ月ぶりの水準に

 カテゴリー別の資金動向で注目されるのは、債券の中でもハイイールド債券や新興国債券といった比較的リスクの高い債券ファンドで資金流出傾向が顕著になってきている点である。「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジあり)」、「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」の純資金流出額は計604億円と、2016年2月以来2年3カ月ぶりの流出規模となった(図表)。新興国債券についても「国際債券・エマージング・複数国(為替ヘッジあり)」、「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」、「国際債券・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」の3カテゴリーを合計した純資金流出額が計312億円と、こちらも2016年7月以来1年10カ月ぶりの流出規模となっている。

図表 「ハイイールド債券」に属するファンドの純資金流出入(2016年2月〜)

「ハイイールド債券」に属するファンドの純資金流出入(2016年2月〜)

出所:モーニングスター
※国内追加型株式投信(ETF除く)
※ハイイールド債券=「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジあり)」、「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」の合計値
※期間:2016年2月〜2018年5月(2018年5月は推計値)

 比較的リスクの高い債券を投資対象とするファンドから資金が流出した背景の一つに、米金利上昇並びに金融引き締めに伴う、新興国からの資本流出懸念がある。2018年5月末時点の米10年債金利水準は2.86%と1年前と比べて0.66%上昇し、ドルベースの資金調達コストが上昇傾向にある。また、貿易摩擦問題で新興国からの輸入品に関税をかける動きがみられるなどの要因もある。実際、米国籍ファンドにおいても、リスクの高い債券を避ける傾向が認められる。現時点で確認可能な週次ベースのデータによると、過去5週間(4月26日〜5月30日)の累計では、米モーニングスターカテゴリー「ハイイールド債券」が25億ドル、同「新興国債券」が4億ドルの純資金流出(モーニングスター集計値、ETF除く)となっている。

■「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」が2カ月連続の1位、情報技術への関心高く

 2018年5月の純資金流入額を個別ファンドで見ると、「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」が440億円の純資金流入でトップとなった。当ファンドは2017年12月の設定以降6カ月連続での流入超過となっており、今月が過去最高額の流入となり、純資産残高も1,000億円を超えた。実質的な運用はニューバーガー・バーマン・グループのニューバーガー・バーマン・インベストメント・アドバイザーズ・エルエルシーが行い、IoTの実現に必須となる次世代通信技術の5Gに着目した投資を行うファンドである。当ファンドを含めて、第3位の「グローバル・ハイクオリティ成長株式F(H無)」や第9位の「新興国ハイクオリティ成長株式ファンド」などは2018年4月末時点で情報技術セクターへの投資割合が3割を超えている。2016年から2017年に設定された情報技術への投資割合が高いファンドの人気が継続しているといえる。

※資金流出入の詳細は以下のPDFをご覧ください