投資信託への資金流出入速報(月一回更新)

投信全体が流出超となる中で毎月決算型の流入超、5年8カ月ぶり 10年前と顔ぶれは大きく変化−2019年7月推計資金流出入

2019-08-02

 モーニングスターの独自推計によると、2019年7月の国内公募追加型株式ファンド(ETF除く)の資金フローは363億円の純資金流出超過(以下、流出超)となった。流出超は4月以来3カ月ぶり。大分類別では、「バランス型」が1,186憶円、「国内REIT型」と「国際REIT型」がそれぞれ210億円、235億円の純資金流入超過(以下、流入超)となる一方で、「国内株式型」と「国際株式型」がそれぞれ829億円、398億円、「国際債券型」が576憶円の流出超となった。カテゴリー別では、主要投資対象を単一国の株式や債券とする「国際株式・北米(為替ヘッジなし、以下F)」や「国際債券・北米(F)」などのカテゴリーが軒並み流出超となった。他方、複数の先進国株式に投資を行う「国際株式・グローバル・含む日本(F)」や、複数の資産に投資を行うバランス型のうち「安定」、「安定成長」、「バランス」、「成長」の4カテゴリーがいずれも流入超となった。NYダウが史上最高値を更新するなど株高を受け高値警戒感から利益確定売りが進むとともに、リスク回避から投資対象を分散した投信へ資金が向かったためと考えられる。

 決算回数別でみると、半年ごと、四半期ごとがそれぞれ1,231億円、225億円の流出超となる中で、年1回、隔月、毎月がそれぞれ811億円、268億円、14億円の流入超となった。過去10年間の年1回決算型、毎月決算型および投信全体の資金フローの推移をみてみたい(図表1参照)。毎月決算型は2016年までは投信全体の流入超を牽引する人気の商品一つであったが、分配金の受け取りにより複利効果が働かず、長期投資において無分配のファンドと比べて不利となることなどが問題点としてとりあげられ2017年5月以降は24カ月連続で流出超となっていた。同時期に、最も決算回数の少ない年1回決算型は流入傾向を強めた。毎月決算型は2019年5月からは3カ月連続で流入超となっているが、投信全体が流出超となったにもかかわらず毎月決算型が流入超となるのは2013年11月以来5年8カ月ぶり。

(図表1)年1回決算型、毎月決算型と投信全体の純資金流出入額推移

(図表1)年1回決算型、毎月決算型と投信全体の純資金流出入額推移

期間:2009年7月〜2019年7月(月次、2019年7月は推計値)
※国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)
※図表上部の流入超・流出超は毎月決算型について

 個別ファンドでは流入上位25本中11本が毎月決算型。10年前(2009年7月)は25本中24本と純資金流出入額上位のほとんどを毎月決算型が占めていた。10年前との、毎月決算型の純資金流出入額上位10本の顔ぶれの変化をみてみたい(図表2)。10年前は複雑な商品設計で投資家にとって理解しにくい通貨選択型のファンドが4本含まれていたが、2019年7月ではランキングから姿を消した。また、カテゴリーについても10年前は国際債券と国際REITに投資するカテゴリーのみとなっていたが、2019年7月では、幅広いカテゴリー分布となったことに加えバランス型が3本ランクインした。一方で、2019年7月の10本について直近の運用報告書を確認すると、その対象期間で当期の収益以外の部分から分配金を支出していないファンドは2本にとどまっている。基準価額が4,000円未満にまで低下しているファンドも2本あった。過度な分配金の支払いが基準価額の下落要因となっている懸念があるファンドもある。3カ月間連続で流入超となり上位の顔ぶれには大きな変化がみられるものの、引き続き毎月決算型ファンドへの投資は慎重に行う必要がありそうだ。

(図表2)10年前と比較した毎月決算型の純資金流出入額(月次)上位10本

  2009年7月
順位 ファンド名 カテゴリー名 運用会社名 月次流出入額(億円)
1 野村 新米国ハイ・イールド債券(レアル)毎月 国際債券・ハイイールド債(F) 野村 1,314
2 ダイワ 外国債券F(毎月)-ダイワスピリット 国際債券・グローバル・除く日本(F) 大和 731
3 ラサール・グローバルREIT(毎月分配型) 国際REIT・グローバル・含む日本(F) 日興 303
4 短期豪ドル債オープン(毎月分配型) 国際債券・短期債(F) 三井住友DS 228
5 (通貨選択S) 新興国債券<レアル>(毎月) 国際債券・エマージング・複数国(F) 三菱UFJ国際 228
6 ブラジル・ボンド・オープン(毎月決算型) 国際債券・エマージング・単一国(F) 大和 204
7 高金利通貨ファンド 国際債券・エマージング・複数国(F) アセマネOne 200
8 DIAM ワールド・リート・インカム(毎月決算) 国際REIT・グローバル・除く日本(F) アセマネOne 193
9 UBS 世界公共インフラ債券レアル(毎月) 国際債券・グローバル・含む日本(F) UBS 192
10 欧州ハイ・イールド・ボンド(豪ドルコース) 国際債券・ハイイールド債(F) 野村 151
  2019年7月
順位 ファンド名 カテゴリー名 運用会社名 月次流出入額(億円)
1 ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配) 国際株式・グローバル・含む日本(F) ピクテ 409
2 東京海上・円資産バランス ファンド(毎月) 安定 東京海上 184
3 ダイワ 米国リート・プラス (毎月分配型)H無 国際債券・ハイイールド債(F) 大和 139
4 ダイワ J-REITオープン (毎月分配型) 国内REIT 大和 125
5 ダイワ・US-REIT (毎月決算)B為替H無 国際REIT・特定地域(F) 大和 103
6 スマート・ファイブ(毎月決算型) 安定 日興 75
7 AB・米国成長株投信 Dコース(H無) 予想分配金 国際株式・北米(F) アライアンス 72
8 NWQフレキシブル・インカム H無(毎月決算型) バランス 三井住友TAM 57
9 ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月)H無 国際株式・北米(F) ピクテ 55
10 ニッセイ 世界リートオープン(毎月決算型) 国際REIT・特定地域(F) ニッセイ 54

※運用会社名は2019年7月末時点
※2019年7月の純資金流出入額(月次)は推計値
※国内公募追加型株式投資信託(ETF除く)

※資金流出入の詳細は以下のPDFをご覧ください

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