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原油安の恩恵受けたインドネシア債券ファンドなどが5ツ星に上昇

2016-8-17

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向け及びラップ口座専用、ETF等除く)のうち、2016年7月(以下、同月)末時点でモーニングスターがレーティング対象としているファンドは2,870本(全ファンド中66%)あり、純資産総額では42兆円(同85%)となった。同月の純資金流出入額(推計値)では5ツ星が52億円、4ツ星が1,370億円の流入超過となる一方で、3ツ星が329億円、2ツ星以下は合計で721億円の流出超過となった。同月末時点における純資産額が10億円以上で、かつ前月末とカテゴリーが同一のファンドは1,813本で、そのうちレーティング上昇は114本、低下は93本、新規付与は33本であった。レーティングが上昇したファンドのうち、新興国債券ファンドに着目すると、上昇した9本のうち5本がインドネシア債券ファンド(注1)となった。
(注1)モーニングスターカテゴリー「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジあり)」もしくは「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」に属し、ファンド名に「インドネシア」を含むファンド、以下、文中・図表内で同様とする

 同月末時点において国内で販売されているインドネシア債券ファンドのレーティング分布状況をみると、11本中1本が5ツ星、9本が4ツ星、残り1本が未付与(設定から3年以内)となっており、4ツ星以上の高レーティングファンドで構成されている(図表参照)(注2)。参考として、1年前の2015年7月末には4ツ星以上のファンドは11本中1本のみであったが、2016年1月末では11本中5本が、同月末では11本中10本と、徐々にレーティングの高いファンドの割合が増加している。
(注2)同月にモーニングスターカテゴリー「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジあり)」もしくは「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」に変更されたファンドも含める

(図表)インドネシア債券ファンドにおけるレーティング分布状況の変化(本数ベース)

(図表)インドネシア債券ファンドにおけるレーティング分布状況の変化(本数ベース)

※ 2015年7月末時点及び2016年7月末時点
出所:モーニングスター作成

 レーティングの改善が進んだ過去1年間を振り返ると、チャイナショック、原油安、米国利上げに伴う新興国市場からの資金流出など、新興国債券市場には逆風が吹き、カテゴリー「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」平均は▲9.11%と大幅に下落した。一方、その中でも、インドネシア債券ファンドは同期間のリターン平均が▲1.24%と同平均と比較して8%程度下落幅を抑えた。インドネシアは原油の純輸入国であるため、期間中の原油安は同国にとってプラスに働き、ブラジルやロシアなど資源国が原油価格の動向で乱高下する中、影響は限定的となった様子だ。長期のパフォーマンスを確認しても、過去5年間のトータルリターン(年率)は同平均を0.76%上回った。

 インドネシアの投資魅力を振り返ると、まず世界第4位の人口を誇り、豊富な労働力が経済を支えている点や、GDPの5割以上を内需(民間消費)が占め、輸出に過度に依存していない点が挙げられる。直近では、2014年に就任したインドネシア初の「庶民派」(軍や富裕層出身ではない)として人気の高いジョコ大統領の改革により政治が安定してきている。2016年入ると、原油安により燃料価格が低下しインフレ率が改善したことをうけ、政策金利を4度引き下げており、(7.50%⇒6.50%)中長期的に企業の投資や内需の活発化が期待されている。また引き下げてもなお相対的に高い金利水準や、金利引き下げによる債券価格の上昇はファンドのパフォーマンスに追い風となっている。

 レーティングが上昇した114本のうち、5ツ星となったファンドは14本、4ツ星に上昇したファンドは52本。そのうち、5ツ星に上昇した「ダイワ・インドネシア・ルピア債(毎月分配型)」は、インドネシアの政府および政府関連機関並びに国際機関等が発行するインドネシアルピア建て債券を主要投資対象とする。同月末時点におけるインドネシア債券ファンドの中でモーニングスターレーティングが唯一5ツ星となった。過去5年間のトータルリターン(年率)は3.19%と、カテゴリー「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」平均を1.67%上回り、31本中3位となった。シャープレシオも同平均を上回り、31本中3位と相対的な運用の効率性も優れている。

 4ツ星に上昇した「イーストS・インドネシア債券(毎月決算型)」は、インドネシアの国債、政府保証債、政府機関債などを主要投資対象とするアクティブファンド。同月末時点における過去3年間のトータルリターン・シャープレシオはともに上位30%以内となっている。また、全世界のオープンエンドファンドの内アジアの債券に投資するファンドの会社別純資産残高(2016年6月末時点)を見ると、当ファンドを運用するイーストスプリング・インベストメンツが57億ドルと第1位となっており、アジアにおける債券投資の中心的な存在である。

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