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新興国ニュース



<新興国eye>トルコ、エルドアン大統領が再選果たし経済官庁再編へ―フィッチは経済政策を注視

2018/06/27 12:05

 トルコのエルドアン大統領が24日の大統領選挙で過半数の52.6%の得票率を獲得し、最大の対立候補となった野党第1党の共和人民党(CHP)のインジェ氏の得票率30.7%を大幅に上回り圧勝した。一方、同日の議会選挙でも与党・公正発展党(AKP)と民族主義者行動党(MHP)の国民連合の得票率が53.6%となり、全600議席の過半数の340議席超を獲得した。これを受けて、エルドアン大統領は中央政府の行政組織を大きく改革し、強いトルコ経済の実現に向けて動き出す見通しだ。地元紙デイリー・サバ(電子版)が26日に伝えた。
 
 エルドアン大統領は省庁再編の重点を経済官庁に置く方針で、経済官庁を現在の6省から4省に削減し、経済政策の柱を生産と財政、貿易の3点に集中させる。経済官庁の大臣数もこれまでの6人体制から財政・財務相と産業・技術相、貿易相の3人体制に簡素化される。これまで細分化され縦割り行政の弊害が続いていた省庁間のコミュニケーションが改善され、政策連携を緊密にする狙いがある。
 
 具体的には財政庁と財務省を統合する他、科学・産業・技術省と計画省を統合する。後者の場合、トルコで機械学習などのAI(人工知能)を振興させ、IT(情報技術)などのハイテク技術を使った世界的なブランド企業や製品を創出し、トルコを世界的な知的生産拠点にすることを狙っている。また、関税・貿易省と経済省を統合して「貿易省」とし、輸出額を5000億ドル(約55兆円)に引き上げ、イスタンブールを世界の金融センターにすることも目指す。この他、食料・農業・家畜省と林野・水産管理省と統合して「農林省」を新設するとしている。
 
 米英大手信用格付け会社フィッチ・レーティングスは26日、大統領・議会選挙後のトルコのソブリン債の格付け見通しについて、エルドアン大統領の今後のマクロ経済政策がどんなものになるかによって決まるとの見解を示した。
 
 具体的には、「この2年間、政府による積極的な財政支出と金融緩和政策によって生じた(低水準の外貨準備や対外債務の拡大などで)外部ショックに対するトルコ経済のぜい弱性が高まっている。また、ここ数カ月に急激なリラ安が進行し、経常赤字も拡大、インフレが加速するなどの経済問題が起きており、今後のマクロ経済政策によってこれらの構造的な経済問題にどう取り組むか見定めたい」としている。
 
 また、「18年下期に経常赤字が内需の低下やリラ安によって縮小したとしても、赤字額は今後も500億ドル、対GDP比6%と、高水準が続く見通しだ」として懸念を示し、その上で、「政府は慢性的な経常赤字を引き起こす構造的な経済問題に対処する政策への取り組みを強めなければならない」と指摘している。
 
 ちなみに、米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは3月にトルコのソブリン債格付けを「Ba1」から「Ba2」に引き下げている。
 
<関連銘柄>
 iS新興国<1362>、上場MSエマ<1681>
 
(イメージ写真提供:123RF)