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株式ニュース



【GW特集】次世代サービス「MaaS」が変える交通手段

2019/05/06 15:00

 ゴールデンウイーク明けからは、株式市場も「令和」時代を迎える。新たな相場テーマとして次世代の移動サービス「MaaS(マース=モビリティー・アズ・ア・サービス)」関連をマークしたい。
 
 MaaSとは、鉄道やバス、タクシーなど従来の交通サービスに加え、カーシェアリングなど様々な手段を一体のサービスとして扱うもの。スマートフォンなどを利用してルートの検索、予約から決済までを行うことが出来る。ウーバーなどが提供する配車サービスや、近い将来実現するとみられる自動運転などと組み合わせることにより、全く新しいサービスが誕生する。インフラには5G(次世代高速通信)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)など最新技術が結集、サービスのあり方が根本的に変わる。
 
 インターネットやスマホの普及により、通信料金に定額サービスが普及したほか、音楽や映像などエンターテインメント系のコンテンツでも定額で聴き放題、見放題のサービスが普及した。MaaSが普及すれば通信と同様の変化が交通の世界でも起こると考えられる。ネットの世界ではGAFA(グーグル、アップル、フェースブック、アマゾン)のようなプラットフォーマーが市場を支配し、利益を吸い上げる仕組みを作りだしたが、MaaSでも同様の構図となる可能性が指摘されている。ルート検索から予約・決済まで一連のシステムをプラットフォーマーとして押さえ、利用者の膨大なデータを取り込む仕組みを構築してしまえば、一人勝ちできる可能性が高くなるということだ。
 
 日本ではトヨタ自動車<7203>とソフトバンクグループ<9984>が共同出資してMaaS事業を提供するモネ・テクノロジーズを立ち上げている。すでに専用スマホアプリを利用したタクシーの相乗りサービスなどの実験に取り組んでいる。自動車の最大手と世界の最先端企業に投資する企業が手を組んだ意味は大きい。
 
 MaaSは2016年にフィンランドで実用化された。首都ヘルシンキ市内では全ての公共交通機関と、カーシェアリング、レンタカー、タクシーが一つのサービスとして統合され、スマートホンアプリでルート検索から予約・決済まで行える。IT技術の活用によって定額制のサービスが可能になったことも新サービスの特長だ。ヘルシンキ市内では毎月一定の料金を支払えば、市内の交通機関やタクシー、シェアリングの自転車などが乗り放題になるサービスが提供されている。
 
 鉄道各社もMaaSに取り組んでいる。JR東日本<9020>は電子マネーSuicaという交通と金融を融合できる基盤を武器に、鉄道分野だけでなくクレジットカードによる顧客の取り込みなどを視野に入れたサービスが可能になる。また、JR東日本は東急電鉄<9005>と伊豆(静岡県)で専用アプリで鉄道やバスの経路、観光施設の検索や利用ができる実証実験にも取り組んでいる。小田急電鉄<9007>も連携する交通各社、商業施設など連携する基盤づくりに取り組んでいる。
 
 このほかでは、乗換案内サービス大手のジョルダン<3710>が5月から、英国マサビ社のチケットサービス「ジャストライド」の提供を全国の自治体や観光施設、交通事業者向けに開始する。スマホアプリで交通による移動、観光や買い物などをシームレスに行うことが可能になるという。
 
 車載向けソフトウェアに強みを持つ企業としてはSCSK<9737>、車両データの収集や管理などではデンソー<6902>などがある。デンソーは技術開発を加速させるため、クラウドやエッジコンピューティング等で、次世代のソフトウェア開発を行うオンザロード(愛知県名古屋市)に出資している。オンザロード社は、通信やクラウドを使った大規模なシステム開発に実績があり、次世代のモビリティサービスの基幹技術の開発でも期待が高い。 (三浦 祐輝)
 
(イメージ写真提供:123RF)