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新興国ニュース



<新興国eye>ブラジル中銀、全員一致で政策金利据え置きを決定―市場予想通り

2019/05/09 12:05

 ブラジル中央銀行は8日の金融政策決定委員会で、政策金利(セリック)である翌日物金利誘導目標を過去最低水準の6.50%に据え置くことを全員一致で決めた。市場予想通りだった。
 
 中銀は18年5月、急激なレアル安が輸入物価を押し上げインフレを加速させるリスクが高まったとして、それまでの利下げ継続から現状維持に転換した。現状維持はこれで9会合連続となる。中銀は16年10月に4年2カ月ぶりに利下げ(0.25ポイント)に踏み切り、それ以降、18年3月まで12会合連続で利下げを実施。その結果、16年10月以降の利下げ幅は計6.75ポイントに達し、金融緩和スタンスが続いている。
 
 現状維持を決めた理由について中銀は、前回会合時と同様、「われわれは基調インフレ率(コアインフレ率)が適切かつ好ましい水準で進んでいると判断している」とインフレが抑制されていることを挙げた。
 
 中期のインフレ見通しについては、「経済の不活発による高水準のたるみ(生産設備や労働力などの余剰)がインフレ下ブレリスクとなる一方で、経済の改革や調整の継続期待が裏切られれば上ブレリスクとなる。また、新興国経済の先行き見通しが悪化すればこの上ブレリスクはさらに高まる」とした上で、「インフレの上ブレリスクと下ブレリスクは均衡している」との前回会合時の文言を据え置いた一方、「経済のたるみによるインフレ(下ブレ)リスクのウェイトが高まった」との文言を追加し、経済のたるみへの懸念を強調している。
 
 インフレの外部リスクについては、先進国、特にFRB(米連邦準備制度理事会)が金利水準の正常化のための利上げ継続に慎重姿勢を示し始めたことから、これまでのように米利上げによるドル高・レアル安の進行でブラジルの輸入物価が上昇し、その結果、国内物価が上昇するというリスクは「低い」とした。しかし、中国の景気減速や米中貿易摩擦などの先行き不透明感によって、「世界景気の減速リスクは依然高い」との認識を示した。
 
 景気見通しについては、前回会合時とほぼ同様に、「最近の経済指標をみると、昨年末時点で観測された景気減速が今年初めになっても続いているものの、ブラジル経済は徐々にゆっくりとしたペースで回復している」とし、また、「経済状況は景気刺激的な金融政策、つまり、(インフレなき経済成長が可能となるような)構造的な金利水準より低い政策金利が必要」と述べている。
 
 今後の金融政策の見通しについては、前回会合時と同様に、「経済予測の標準シナリオや(インフレの上ブレ・下ブレ)両リスクのバランスを考慮すると、政策金利を現在の水準で維持することが適切だと考える」と現状維持の継続に含みを残した。
 
 次回の金融政策決定会合は6月18−19日に開かれる予定。
 
<関連銘柄>
 ボベスパ<1325>、iSエマジン<1582>、上場MSエマ<1681>、
 iS新興国<1362>、上場EM債<1566>
 
(イメージ写真提供:123RF)