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新興国ニュース



<新興国eye>トルコ中銀新総裁、「利下げ余地」を指摘

2019/07/17 11:25

 トルコ中央銀行の副総裁から昇格したムラート・ウイサル新総裁は15日の初会見で、今後の金融政策の見通しについて、「金融政策を操作する余地がある」と述べ、25日の金融政策決定会合で、景気を刺激するため、主要政策金利である1週間物レポ金利を引き下げる可能性を示唆した。地元紙デイリー・サバ(電子版)などが伝えた。
 
 多くのエコノミストは中銀が次回会合で、1週間物レポ金利を現行の24.00%から22.00%へ、一気に2.00ポイント引き下げると予想している。ロイター通信のエコノミスト調査では25日時点の政策金利の中央値を22.00%、また、19年末時点については20.00%を予想している。
 
 ウイサル新総裁はトルコのエルドアン大統領が6日にムラート・チェティンカヤ前総裁を電撃解任したあと、後任総裁に任命された。
 
 トルコ経済は、欧州復興開発銀行(EBRD)が5月7日発表した最新の域内経済予測でも19年GDP(国内総生産)伸び率が約1%減と、18年の2.6%増からマイナス成長に転落するほど、景気悪化が深刻化する見通し。このため、エルドアン大統領は中銀が政策金利を高水準で維持し、金融引き締めスタンスを続けていることに強い不満を示していた。
 
 エルドアン大統領は14日の地元放送局ハベルチュルクのインタビューで、「19年末までにインフレ率を現在の15%超の上昇率から一ケタ台の伸びに引き下げることを目指す。また、金利水準についても年末までに達成すべき目標を設定している」とし、その上で、「われわれはこれ(金利水準)を大幅に引き下げる」と述べている。
 
 この大統領発言を受け、ウイサル中銀総裁は会見で、金融政策の調整の余地に言及したが、その根拠について、「金融引き締めの水準は名目の金利よりも(インフレ率を差し引いた)実質の金利で測られるべきだ」とし、最近のインフレ率の低下傾向を考慮すると、名目の政策金利(現在24%)をこのまま高水準で維持すれば、実質金利はどんどん高くなるため、インフレ低下に合わせ利下げが必要との認識を示した。
 
 同新総裁はインフレ見通しについても、「19年のトルコ経済の弱い内需やコスト圧力の緩和トレンドを考慮すると、ディスインフレ(物価上昇率の鈍化)が続く」とし、利下げ環境が整ったことを強調した。
 
 最新のトルコのインフレ率は、トルコ統計局が3日発表した6月CPI(消費者物価指数、03年=100)によると、前年比15.72%上昇と、5月の18.71%上昇や4月の同19.50%上昇、また、市場予想の15.78%上昇も下回り、3カ月連続で伸びが鈍化。伸び率は2月の19.67%上昇以降、5カ月連続で20%上昇を下回っており、インフレが急加速する前の18年6月(15.39%上昇)以来1年ぶりの低い伸びに戻っている。
 
 政府が18年9月に発表したインフレ見通しでは19年が15.9%上昇、20年は9.8%上昇、21年は6%上昇としている。一方、トルコ中銀が4月30日に発表した最新の四半期インフレ報告書では19年末時点のインフレ率は中心値で14.6%上昇(レンジは11.9%−17.3%上昇)、20年末は同8.2%上昇(5.1−11.3%上昇)、21年末は5.4%上昇と、政府予想よりかなり低めとなっている。
 
<関連銘柄>
iS新興国<1362>、上場MSエマ<1681>
 
(イメージ写真提供:123RF)