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ファンドニュース

シャープレシオを「分解」すると?―「ひふみ」など3タイプでチェック

2019/11/29 09:15

 リターンランキングなど、ファンドを選ぶ際はどのくらいの収益(値上がり益と分配金)を得られたかを示す「トータルリターン」が注目されがちだ。しかし一歩進んだ選び方として、リターンのブレであるリスク(標準偏差)を考慮した指標である「シャープレシオ」も活用したい。

 シャープレシオは「(トータルリターン−安全資産利子率)÷標準偏差」の式で計算される指標だ。分母のリスクが低く、分子の超過リターン(安全利子率を上回ったリターン)が高いほど高い数値となり、少ないブレで効率的に収益を獲得していることになる。モーニングスターのホームページでもシャープレシオでファンドを検索することができるが、単純に高いシャープレシオのファンドを選べばよいと考える投資家も多いのではないか?

 ただし、ファンドへの理解をより深めるためには、どのような要因でシャープレシオが高くなっているかを考えてみるのもよい。一口にシャープレシオが高いファンドと言ってもいくつかのタイプがあり、大まかに分ければ(1)リスクは高いがリターンも高い、(2)リターンは低いがリスクも低い、(3)リターンが高くリスクは低い、という3タイプになる。なお、ここでの高い、低いというのはカテゴリー内の他のファンドと比べてということになる。

 国内株式アクティブファンドを例に、3つのタイプを見てみよう。まずタイプ(1)では、「MHAM 新興成長株オープン」(カテゴリー「国内小型グロース」)が該当する。10月末時点での過去5年間のシャープレシオは1.03(51本中第7位)。J−フロンティアの愛称で知られ、ファンドマネジャーの岩本誠一郎氏が“足で稼ぐ”運用をウリとするファンドだ。過去5年間(年率)のリスクは18.45%。カテゴリー内のリスクの順位を示す%ランク(100%が最もリスクが高い)は85%(51本中第43位)となっており、相対的なリスクは高い。一方で、同期間のリターンは18.98%(第8位)と優れており、リスクに見合ったリターンを獲得している。

 一方で(2)のタイプはやや特殊な運用をするファンドではあるが、「BNYメロン・日本株式ファンド 市場リスク管理型」(カテゴリー「国内大型ブレンド」)を挙げたい。過去5年間のシャープレシオは0.62(298本中第4位)。過去5年間(年率)のリターンは5.25%にとどまり、カテゴリー内でのリターンの%ランクは上位68%(第202位)と真ん中以下だ。もっとも、リスクは8.49%と、カテゴリー内での%ランクは1%(第1位)と圧倒的な低リスクとなる。株式市場の下落リスクが高まっていると判断する際に株価指数先物を用いて実質的な株式比率を調整する運用が背景にあり、リスクを抑えつつ安定的にリターンを獲得している。

 タイプ(3)に該当するファンドは多いが、国内株式アクティブファンドで最大となった独立系投信の「ひふみプラス」(カテゴリー「国内中型グロース」)について見ると、過去5年間のシャープレシオは0.85(58本中第1位)。リスクは15.16%(第11位)と低く、リターンも12.89%(第2位)とトップクラスだ。リスク回避局面で現金の比率を高めつつ割安と判断した際には買い出動をする、攻守のバランスが取れた運用となる。