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ファンドニュース



「投信ブロガーが選ぶ」投票調査(中編)−「たわら」再浮上、新設「SBI・バンガード」躍進

2019/12/26 11:40

※当該記事は、「投信ブロガーが選ぶ」投票調査(前編)−「VT」トップ10圏外の危機、「おおぶね」健闘の続編です。

 投信ブロガーが支持するファンドに投票する「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」の結果が20年1月18日に発表される。発表に先立ち、ブログで公開されている投票を独自に集計、ランキングした(※)。前編(11〜15位)に続き、集計の結果6位〜10位となったファンドの顔ぶれをお伝えする。なお、集計結果には投票先を公開していないブログの票が反映されておらず、公式の集計結果とは異なる独自の集計結果である点にご留意いただきたい。

■第6位「楽天・全米株式」、積立で選好

 独自集計の結果、第6位となったのは、前年(18年)第4位であった「楽天・全米株式インデックス・ファンド」。パッシブ運用最大手のバンガードが運用する米国上場ETF(上場投資信託)「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」(ティッカー:VTI)への投資を通じて、実質的に米国の大型・中型・小型に投資する。低コストで手軽に米国株式全体に投資できる点が評価されている。つみたてNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)で投資をしていると記載した投資家が目立ち、積立の投資先として利用が多いことが伺える。

 また、17年の第8位から18年にトップ20圏外に転落した「たわらノーロード先進国株式」は、今回の独自集計で第7位と再浮上した。19年10月に信託報酬(税込)を0.22%から0.10989%へ大幅に引き下げた。これにより、競合となる「<購入・換金手数料なし>ニッセイ 外国株式インデックスファンド」と並んだほか、純資産残高に応じて信託報酬が異なる「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」に対しても残高500億円未満の部分の信託報酬は同水準になり、コスト競争で負けない姿勢を改めて示したことが評価されている。eMAXISがSlimシリーズを別途設定し低コストを実現したのに対して、たわらが既存ファンドのコスト引き下げで対抗した点を評価する声もあった。売買委託手数料など信託報酬以外のコストを含めた実質ベースのコストが低水準である点も好感されている。

 また、幅広い販売会社での取り扱いがある点を評価する声も多く、当ファンドに1ポイントを投じたブログ「月16万の都会暮らし資産運用記」では、「有名なファンドは販売会社が限られていることが多い中、たわらは多くの銀行や証券で扱っています。“ネット証券でしか優良なファンドを買うことができない”という状況の打破に貢献しているなと感じました」と記載した。

 独自集計で第8位となったのは、前回第6位となった「セゾン バンガード・グローバルバランスファンド」。第1回の07年で第1位となったのを含めて18年まで全12回でトップ20に入り続けた老舗の人気上位ファンドだ。株式・債券50:50というシンプルな資産構成である点や、バンガードの低コストファンドを通じて世界中に幅広く分散投資できる点が評価されている。また、運用する独立系のセゾン投信を評価するブログもあった。投票先の一つを当ファンドにしたブログ「なまずんの『弱者のゲーム』」では、金融庁が公表した会社別の運用損益別顧客比率に言及し、同社では98%の顧客の損益がプラスと他社に比べ高い点を指摘。「この背景には、セゾン投信は顧客に対して、『とことん長期』の投資を提案し、積立投資を推奨していることがあります」と長期目線の取り組みを評価した。

■第10位「3倍3分法」、“野心的”な開発評価

 新設ファンドの中で最も注目を集めたのは、19年9月に設定された「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」で、独自集計では第9位となった。S&P500指数に連動するバンガードのETF「バンガード・S&P 500 ETF」(VOO)に投資を行う。多くのブロガーが挙げたのは、投資先ファンドのコストも含めた信託報酬等(税込)が0.0938%程度と、税込ベースで節目となる0.1%を切る水準を実現した点だ。これに対して、競合となる「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が信託報酬(税込)を11月に従来の0.165%以内から0.0968%以内に引き下げるコスト競争が繰り広げられた。

 投票先のうち1つをSBI・バンガードにしたブログ「ほんのひとさじ ゆるゆる過ごす日々と投資の記録」では、「業界最安値の信託報酬を目指すと宣言している eMAXIS Slim S&P500も少し遅れて追随しました。ただ、その信託報酬引き下げのきっかけをつくったSBIに敬意を表してこちらへの投票です」とコメントし、19年のコスト競争における立役者となった点を評価した。

 また、設定が18年10月と比較的最近で、前回はランク外であった「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」が今回の独自集計では第10位にランクイン。当ファンドの純資産残高は設定からわずか1年あまり(19年11月末時点)で3000億円を超えており、「レバレッジバランス型」の先駆者として急成長している。良好なパフォーマンスのほか、バランス型ファンドで先物取引を用いて純資産の3倍相当額の運用を行うというユニークな運用が評価された。また、投資先ファンドのコストも含めた信託報酬等(税込)が0.484%と低く抑えられている点も挙げられていた。

 当ファンドに3ポイントを投じたブログ「縞縞猫に小判: ひと味違うインデックス投資術」では、投信の発展にはインデックスファンドのコスト競争だけでなく良質で魅力あるアクティブファンドが必要と指摘した上で、「その意味で、真面目で野心的なファンドを開発し良心的な低コストで販売したことは賞賛に値すると思い、投票しました」と記載した。

(後編へ続く)

(※)投票者は持ち点5ポイントを与えられ、1〜5本のファンドに配分できる。ブロガーは投票したことをブログの記事で公開することが条件となるが、投票先と配点を公開するかは任意。今回の調査では、記者がインターネットの検索などで特定した投票表明済みの208のブログのうち、投票先を明示している146のブログ(うち125は配点明記あり、21は配点明記なし)を対象にポイントを集計した。
 配点の明記がない場合は、投票先のファンド数に応じて1〜2点を投じたと仮定して集計した(例えば、4本を挙げた場合は各ファンドに1点、2本を挙げた場合は各ファンドに2点など)。ポイント数が多い順にランク付けし、ポイント数が同点の場合は投票者が多い方を優先した。なお、公式ツイッターによると今回の投票者は200を超えたとされている。