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ファンドニュース



「投信ブロガーが選ぶ」投票調査(後編)−「Slim」1〜4位独占、首位は全世界株式

2019/12/27 22:10

※当該記事は、「投信ブロガーが選ぶ」投票調査(中編)−「たわら」再浮上、新設「SBI・バンガード」躍進の続編です。

 投信ブロガーが支持するファンドに投票する「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2019」の結果が20年1月18日に発表される。発表に先立ち、ブログで公開されている投票を独自に集計、ランキングした(※)。前編(11〜15位)、中編(6位〜10位)に続き、集計の結果1位〜5位となったファンドを紹介する。なお、集計結果には投票先を公開していないブログの票が反映されておらず、公式の集計結果とは異なる独自の集計結果である点にご留意いただきたい。

■「業界最安コスト」、有言実行で支持

 独自集計の結果では、「eMAXIS Slim」シリーズが第1〜4位までを独占した。同シリーズのファンドが人気を集める背景として共通しているのは、業界最低水準の運用コストを目指すという方針。シリーズの該当ファンドより競合ファンドの信託報酬が下回った場合は、信託報酬を引き下げ、業界最低水準を維持するというスタンスだ。19年も有言実行でライバルに対するコスト引き下げを行ったことが支持され、当シリーズを保有していれば自動的に最低水準のコストに切り下がる点が評価されている。ブロガーミーティングなどブロガーとの対話に積極的である点も好感されているようだ。

 トップとなったのは「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」。第2と第3位は3ポイント差と僅差であるものの、第1位と第2位の差は26ポイントとやや差が開いている。当ファンドは前年(18年)に初登場で第3位。18年の投票対象ファンドとなるには18年10月31日までに設定されていることが条件であったが、まさにこの日にぎりぎりで設定されたのが当ファンドだった。投票期限が11月末だったので、わずか1カ月の評価で並みいる強豪を上回り第3位に踊り出たことになり、実質的には前年時点でトップ級の支持を集めていたと指摘するブログもあった。

 今回の独自集計で目立った評価は、1本で全世界株式に投資できるという利便性。当ファンドに5ポイントを投じたブログ「もことんのインデックス投資と節約術」では、「これ一本で全世界の株式を網羅することができます。管理の手間、リバランスの手間を考えると本当に素晴らしい商品」と記載している。

 また、低コストも評価されており、信託報酬については、19年8月、11月と二度のコスト引き下げを実施。11月の引き下げについては、ライバルとなる「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」が9月に投資対象先ファンドも含めた信託報酬等(税込・消費税10%で計算)を0.152%程度から0.1102%程度へ引き下げたことに対抗したものだ。これにより「全世界株式(オール・カントリー)」の信託報酬(税込)は0.1144%以内と、SBIにほぼ並んだ格好となっている。「eMAXIS Slim」シリーズの先進国株式、新興国株式、国内株式を3本持ってポートフォリオを構築するよりもコストが安くなる点を評価する声もあった。

 また、純資産残高は設定から1年後の19年10月末時点で83億円、その後12月5日に100億円の大台に乗せた。安定した残高の拡大基調も評価ポイントとなっている。

■前年王者、「受益者還元型」適用が好感

 独自集計で第2位となった「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は前年第8位。競合となる「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」が9月に設定され、信託報酬等(税込)が節目となる0.1%を切ったことを受けて、0.165%以内から0.0968%以内へ大幅なコストカットを断行したことが高く評価された。

 「米国株式(S&P500)」に2ポイントを投じ、つみたてNISA(少額投資非課税制度)でも当ファンドに投資しているとしたブログ「氷河期ブログ」では、「世界一の純資産を誇るETFとしてステートストリート社のSPYがありますが、その経費率は0.09%なので本当に良い時代になったと思います」とコメント。S&P500種株価指数に連動する米国上場ETF「SPDR S&P 500 ETF」(SPY)と比較し、Slimがそれに匹敵するグローバルで見てもコスト競争力の高い商品であると評価している。

 また、前年王者の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」は今回の独自集計で第3位と劣勢であり、連覇達成は容易ではなさそうだ。(中編)で伝えた通り、前年はトップ20圏外であった「たわらノーロード先進国株式」がコスト引き下げにより、今回の独自集計で第7位と復活したことが影響している可能性がある。とはいえ、シリーズ有数の人気を誇ることに変わりはない。コスト面では、ライバルの「<購入・換金手数料なし>ニッセイ 外国株式インデックスファンド」によるコスト引き下げに対抗して6月に引き下げを実施したのに続き、投票期間後ではあったものの12月にも「SBI・先進国株式インデックス・ファンド」のコスト引き下げに対して信託報酬(税込)を0.10989%以内から0.10615%以内へ引き下げている。

 さらに、純資産残高も順調に拡大し、19年7月には500億円を突破したことにより、残高に応じた信託報酬率となる「受益者還元型」が適用開始となったことも注目を集めた。12月のコスト引き下げ後では500億円未満の部分が0.10615%であるのに対して、500億円以上1000億円未満の部分は0.10252%とさらに低コストとなっている。上位入賞によりファンドへの注目度がいっそう高まれば、資金流入がさらに増え、それが残高増加とコスト低下につながるという「好循環」を期待した投票も目立った。

 独自集計で第4位となったのは、前回第5位の「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」。国内株式・債券、先進国株式・債券、新興国株式・債券、国内・先進国REIT(不動産投資信託)の8資産に均等投資するバランス型ファンドで、初心者でも手間をかけずに幅広い資産に分散投資できる点が好感されている。前年に続き当ファンドに5ポイントを投じたブログ「Time is money キムのセミリタイア日記」では、8資産均等配分について「インデックス投資の根底である、予想しない、選ばないを地で行くような素晴らしいコンセプトだと思います」と指摘した。また、信託報酬(税込)は0.154%以内とバランス型ファンドで最安水準となる点も高い評価の理由だ。

■「ニッセイ 外国株式」、コストに加え運用規模や長期実績も評価

 初登場となった14年〜16年に連続第1位、17年、18年に連続第2位と常にトップ争いをしてきた「<購入・換金手数料なし>ニッセイ 外国株式インデックスファンド」は今回の独自集計で第5位と、やはり今年も高い人気を維持しているようだ。

 コスト面では前述の通り、6月にシリーズ5回目となる引き下げを公表。信託報酬(税込・消費税10%で計算)を0.1199%から0.10989%へ引き下げ、税抜きでは0.0999%と先進国株式ファンドとしては初めて0.1%の壁を破ったことが話題となった。純資産残高は11月末時点で1400億円を超えており、十分な運用規模を誇ることから安定した運用が期待されるという声があった。また、当ファンドは設定が13年12月と、15年12月設定の「たわらノーロード先進国株式」、17年2月設定の「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」に比べて長く、比較的長期の実績を評価する声もあった。

 当ファンドの安定した資金流入もプラス評価となっている。実際にデータで見ると、設定来直近の19年11月まで一度も純資金流出となったことがなく、この72カ月連続流入という記録を達成しているのは、モーニングスターカテゴリー「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」に属するファンドの中で当ファンドだけだ。

(※)投票者は持ち点5ポイントを与えられ、1〜5本のファンドに配分できる。ブロガーは投票したことをブログの記事で公開することが条件となるが、投票先と配点を公開するかは任意。今回の調査では、記者がインターネットの検索などで特定した投票表明済みの208のブログのうち、投票先を明示している146のブログ(うち125は配点明記あり、21は配点明記なし)を対象にポイントを集計した。
 配点の明記がない場合は、投票先のファンド数に応じて1〜2点を投じたと仮定して集計した(例えば、4本を挙げた場合は各ファンドに1点、2本を挙げた場合は各ファンドに2点など)。ポイント数が多い順にランク付けし、ポイント数が同点の場合は投票者が多い方を優先した。なお、公式ツイッターによると今回の投票者は200を超えたとされている。