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ファンドニュース



債券型やアクティブ型など市場の多様化進展、「Xトラッカーズ」のドイチェ・アセットのETF市場展望

2020/01/31 19:15

 ドイチェ・アセット・マネジメントは1月31日、メディア向けにグローバルETFセミナーを開催した。同社も属するDWSグループはETFブランド「Xトラッカーズ」をグローバルに展開し、日本国内で同ETFは適格機関投資家を対象として提供されている。同社機関投資家営業部ヴァイス・プレジデントの岸本拓之氏(写真)は、世界のETF市場が急速に拡大し、その中で、これまでにないタイプのETFも誕生していると語り、「Xトラッカーズ」についても新しいニーズに応えられる商品提案をしていくとした。

 世界のETF市場は近年急速に拡大し、2009年から2019年9月末にかけて残高が1兆ドルから5.8兆ドルに年率平均19%超で成長した。この間、投信残高(ETF除く)は22兆ドルから46兆ドルへと約7.6%成長であったため、ETFの成長スピードの速さがわかる。

 ETF市場拡大は、ETFが低コストであることに加え、運用手法が明確で、構成銘柄が日々開示されるという透明性、さらに、市場で値動きを見ながら取引ができるリアルタイム性などETFのメリットが評価されてのことだろう。投信の組み入れ全銘柄情報は数カ月に1度しか開示されず、価格は1日1度だけ取引完了後に報告されることと比較してETFの透明性は格段と進んでいる。

 また、欧米市場のETF残高は19年12月末で約4.4兆ドル、うち株式ETFが77%、債券ETFが20%、コモディティETFが3%という内訳だが、19年の資金流入額は株式ETFに1670億ドルに対して、債券ETFには1810億ドルとなった。ETF市場が始まって以来、初めて債券ETFへの資金流入が株式ETFを上回った。 岸本氏は、「機関投資家の間で株式ETFの利用が当たり前に行われるようになり、近年は同様の感覚で債券ETFを使う動きが広がっている。債券の取引は、従来は相対取引が基本だったが、ETFは市場で手軽に売買できる。ポジションの拡大や縮小が柔軟にできることも、債券ETFの利用を促している」と解説した。

 そして、欧米では近年、「ノントランスペアレント(非透明)ETF」というタイプのETFが注目を高めているという。従来のパッシブETFが高い透明性を実現していたことと比較して「非透明ETF」は組み入れ銘柄等の情報の開示機会を制限している。主に、アクティブ型ETFで使われ、組み入れ銘柄のどれをオーバーウエイト、アンダーウエイトにしているかという情報を隠すことによって、市場インデックスを上回る成績をめざしている。岸本氏は「もはや、ETF=パッシブ運用とは言えなくなっている。アクティブ運用のETFも増え、また、ESG関連のETF、あるいは、自らインデックスを作ってETFを組成するなど、様々なタイプのETFが現れている」と語り、この多様なETFの登場によって市場が一段と拡大することになっているとした。

 一方、日本のETF市場は、日銀による国内株式ETFの買い入れが継続している。ETF残高は09年の28兆円から19年には40兆円に拡大したが、19年末のETF残高に占める日銀の保有率は70%、また、残高に占める日本株式の比率は93%と、ETF市場が日本株に偏重する歪な市場になっている。

 また、国内機関投資家のETFニーズは、「生損保中心にESG関連ETFのニーズが増えている。欧米の流れと同様に債券投資部門でもETFの活用が確実に進んでいる。さらに、スマートベータともいえるファクターETFの利用も拡大している。ファクターの中で、高配当、低ボラティリティが中心だが、徐々にマルチファクターETFも浸透し始めている」という。「もはやETFはただ市場全体を買うという使い方ではなく、複数のETFを組み合わせることによって市場上昇率プラスアルファを狙うといったアクティブ運用のような使い方がされ始めている」と近年の傾向を語っていた。

 ドイチェ・アセット・マネジメントでは、引き続きETFに関する情報提供を積極的に行って、日本国内におけるETFの利用を促していきたい考えだという。そして、岸本氏は「欧州では、欧州関連の株価指数ETFに加え、ESGや新興国などのETFを多数設定し、『Xトラッカーズ』はイノベーティブなETFとしての評価を得ている。DWSグループが提供するETFについてもより利用していただけるよう、様々な提案をしていきたい」と語っていた。