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ファンドニュース

「中の人」が公開、わたしの資産−新入社員コロナに負けず積立、CEOも実績開示

2020/06/18 15:30

 投信の販売会社や運用会社の間で「中の人」が資産状況を開示する動きが出てきている。中の人とは、企業の従業員など組織の中で商品やサービスに関係している人のことを指すネット用語だ。中の人がツイッターなどのSNSを用いて、企業の公式発表では伝わらない本音や裏話といたリアルな情報を伝えることで、ユーザーの間で企業や商品への親近感が湧いたり共感が広がったりする。

 丸井グループのtsumiki証券はブログで、19年4月に入社し、投資についてほぼ初心者だったという社員の大久保さんが毎月積立投資の成果を公表している。同証券が取り扱う「コモンズ30ファンド」、「セゾン資産形成の達人ファンド」、「ひふみプラス」にそれぞれ3000円、計9000円を毎月積み立てているという。

 直近6月8日に更新された投稿によると、同月2日時点で運用成果は10万2918円と3565円のプラスとなっている。コロナショックが直撃し、4月3日時点では1万0889円のマイナスだったが、「マイナスの時期は安く買うことができる時期」と積立のメリットを信じて投資し続けたことで、その後の反発局面も捉えられたようだ。プラスに転じた6月の投稿でも、過去の暴落時もその後は経済が立ち直り成長したことなどに触れ、「価格が戻ってきても売らないことが大事」としている。

 三菱UFJ国際投信では、社員が同社のインデックスファンドシリーズを用いた投資状況を開示する「eMAXIS Slimでつみたて リアルお財布大公開!」というコンテンツを作成している。性別・年代・独身・既婚など様々なケースで社員7人を紹介。保有する商品と積立投資額、損益状況などを公開している。

 投資を始めた理由なども明らかにしており、入社3年目のA.I.さん(独身・25歳)は金融業界にいても「投資って敷居が高く、なんだか面倒くさい」と感じていたが、いざ始めると数百円、数千円から投資できるなど身近なものだと気づいたという。一方、Y.Y.さん(既婚 子供二人・40代)は公立に限定していた子供の進路が急遽私立になった時も資金面で対応できたエピソードを明かし、「投資信託を積み立てて来て良かったーと心底思えました」とコメント。いずれも、これから投資を始めようとする若い人にとって参考になる「生の声」だろう。

 また、運用会社の中の人といえばファンドマネジャーだが、農林中金バリューインベストメンツは運用するファンドの月次運用報告書で、投資責任者(CIO)である奥野一成氏が自身で保有するファンドの口数推移を開示している。米国では一般的なファンドマネジャーによる自己資金投資の開示だが、日本では異例だ。

 ロボアド最大手のWealthNaviはモデルケースによる運用状況を月次で開示するのにとどまらず、CEO(最高経営責任者)である柴山和久氏が保有する同社口座の運用実績を開示している。16年1月〜20年5月までの投資額の累計は487万円で、運用成果は563万円以上と、コロナ危機を経てもなお1年あたりでは4.4%のプラスになっている。WealthNaviが重視する「長期・分散・積立」を柴山氏自らが実践していることを示すことにより、説得力を高める狙いがありそうだ。

 中の人とは言え、企業の情報発信であることからネガティブな内容が表に出にくい点は割り引いて考える必要はあるものの、投資家に商品を身近に感じてもらえるメリットがあるのは確かだ。「投資は怖い、難しい」といった心理的なハードルを少しでも低くするための取り組みとして注目される。