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ファンドニュース

「NASDAQ」が史上最高値更新、過去30年で約22倍という抜群のパフォーマンス

2020/06/23 19:20

 米国株式は新型コロナウイルスの感染拡大「第2波」に対する懸念を抱えつつも、NASDAQ総合指数が史上最高値を更新した。ウィズ・コロナの時代に、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)やFAANG(フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)といった米ハイテク企業の業績を一段と押し上げるという期待が、ハイテク企業比率の高いNASDAQ市場が強い背景と考えられる。このNASDAQ優位の市場展開は、これまで、「米国株式インデックスといえば、『NYダウ』」と目されてきた投資家の常識を変えるきっかけになるかもしれない。

 「NASDAQ」(ナスダック総合指数)は、米NASDAQに上場している約3000銘柄全銘柄を対象とした時価総額加重平均の株価指数。1971年に新興企業向け市場として創設されたNASDAQには、インターネット・情報技術関連企業が数多く上場している。構成銘柄は、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベット、インテル、エヌビディア、アドビ、ネットフリックス、ペイパル、シスコ、テスラなど米国を代表するハイテク企業が顔をそろえている。

 NASDAQは新興企業を対象とする市場として創設されたが、日本の新興市場であるJASDAQでは企業規模が大きくなると、1部市場などに鞍替えをすることが一般的だが、NASDAQは、企業が成長してもそのままとどまることが一般的だ。全米で時価総額順位がトップのアップルから、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックといった上位4社もNASDAQにとどまっている。新興市場だからといって中小型株市場というわけではない。したがって、全米の大手企業で構成されるS&P500やNYダウとも上位銘柄では重なる部分がある。

 「S&P500」は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)やNASDAQに上場している代表的な米国企業500社の株価を時価総額加重平均した株価指数。構成銘柄は、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、アルファベット、ジョンソン&ジョンソン(NYSE)、ウォルマート(NYSE)、VISA(NYSE)、マスターカード(NYSE)、JPモルガン・チェース(NYSE)、プロクター・アンド・ギャンブル(NYSE)など。

 「NYダウ」(工業株30種平均)は、アメリカの様々な業種の代表的な30銘柄の平均株価を指数化したもの。構成銘柄は、アップル、マイクロソフト、ジョンソン&ジョンソン(NYSE)、ウォルマート(NYSE)、VISA(NYSE)、JPモルガン・チェース(NYSE)、プロクター・アンド・ギャンブル(NYSE)、ユナイテッドヘルス(NYSE)、ホーム・デポ(NYSE)など。国内の「日経平均株価」と同様に、米国株式市場の代表的なインデックスとして最もなじみが深い株価指数になっている。

 このように、各指数の特徴を見ていくと、「NASDAQ」は、米国のハイテク企業を中心とした銘柄群に比較的偏った株価指数といえる。「S&P500」は、大型株の株価指数という側面がある。そして、「NYダウ」は、大型株に投資する一方で、業種分散も図った株価指数ということができる。さらに、「NYダウ」は他の2つとは違って、平均株価方式であるため、アップル、ユナイテッドヘルス(NYSE)、ホーム・デポ(NYSE)、マイクロソフトのような株価が高い銘柄の価格変動リスクを受けやすい傾向がある。

 この3つの株価指数の推移について、1990年1月2日を100として、20年6月22日までの約30年の推移をみたのが添付のグラフだ。NASDAQは過去30年間で株価が約22倍に上昇している。NYダウの約9倍、S&P500の8.7倍とは大きな開きがある。ただ、NASDAQは大きく上昇したが、価格変動率も大きい。過去30年間の年率リスクは21.63%と、NYダウの同14.38%、S&P500の同14.50%より、かなり大きい。

 実際の価格の動きをみても、ITバブルの上昇期には98年12月から00年3月まで1年3カ月間でNASDAQは3.5倍超に値上がりし、そのピークから2年半で約78%下落するという乱高下になった。今回のコロナショックでの下落率は1カ月程度の間に30.11%で、NYダウの37.09%、S&P500の33.92%と同等に大きく下落している。コロナショックでは、動画配信サイトや在宅勤務に関連した会議システムやセキュリティサービスなどの需要が高まり、これはNASDAQ上場銘柄に関連銘柄が多いという側面もあって、株価が戻る過程では他の指数よりも、より大きく株価が上昇し、過去最高値をいち早く更新している。

 パフォーマンスを比較してみると、米国株式に投資をするのであれば「NASDAQ」に魅力を感じる人も少なくないと考えられる。しかし、国内公募投信で、現在、NASDAQ総合指数に連動するインデックスファンドは存在しない。NASDAQ上場企業の中から金融事業を除き、時価総額上位100銘柄に絞った「NASDAQ100」に連動するインデックスファンドは存在する。また、NASDAQ上場株式を投資対象としたアクティブファンドは存在するが、公募投信にはインデックスファンドはないというのが現状だ。

 一方、NYダウのインデックスファンドは18本、残高1776.77億円、S&P500のインデックスファンドは9本、残高は1748.04億円になっている。インデックスファンドへの投資は、つみたてNISA(18年1月スタート)の登場などもあって、ようやく市民権を得たような状態で、個別ファンドの規模は、それほど大きくはない。その中で、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が設定から2年足らずで残高が1000億円を超え、また、SBIアセットマネジメントの「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」が半年あまりで残高が400億円を超えている。両ファンドは信託報酬が税込みで年0.1%程度というかつてない低い水準の手数料率を設定したことで市場の注目が高い。

 「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」や「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」などが、短期間で残高を集めることができたのは、インデックスファンドを使った資産運用が定着し始めている証左といえる。今回のような、NASDAQ優位の市場が続くようであれば、NASDAQ連動のインデックスファンドの登場も遠くないといえるだろう。(図版は、米国主要株価指数の過去30年間の推移)