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新興国ニュース



<新興国eye>トルコ中銀、利下げの市場予想に反し政策金利据え置き

2020/06/26 10:55

 トルコ中央銀行は25日、主要政策金利である1週間物レポ金利を8.25%に据え置くことを決めた。市場予想は0.25ポイントの利下げだった。新型コロナウイルス(COVID−19)のパンデミック(感染症の世界的流行)によるトルコ経済への悪影響を抑制し、景気回復を一段と強めるためにはディスインフレ・プロセス(インフレの低下基調)を維持する必要があるとした。
 
 中銀はパンデミックが始まる前から景気刺激を狙って、19年7月に15年2月以来4年5カ月ぶりの利下げ(4.25ポイント)に踏み切り、その後も同9月に3.25ポイント、同10月は2.50ポイント、同12月は2.00ポイント、20年に入っても1月に0.75ポイント、2月も0.50と、利下げ幅を縮めながら利下げを継続していた。しかし、パンデミックによる経済への悪影響が最も強くなった3月と4月に続いて、前回5月会合で、9会合連続の利下げを決めた。この結果、利下げ幅は昨年7月以降で計15.75ポイント、年初来では3.75ポイントに達した。
 
 今回の会合で現状維持を決めたことについて、中銀は会合後に発表した声明文で、「パンデミックの悪影響で、4月のトルコ経済は一段と悪化したものの、5月からはロックダウン(都市封鎖)の緩和による経済活動の再開により、景気回復が始まった」とし、さらに、「パンデミックの経済への悪影響を抑制するために最も重要なのは金融市場と金融システムへの流動性供給、企業のキャッシュフロー(資金繰り)を健全にすることだ。事実、これまでの金融緩和政策と政府による財政刺激政策は金融市場の安定や景気回復に寄与している」と利下げ効果が現れ始めたとの認識を示した。
 
 また、「経済活動の正常化プロセスが続けば、今後はこれまでパンデミックによる経済活動の自粛により広がっていたサプライチェーン(部品供給網)の寸断が段階的に解消され、需要要因によるディスインフレ(物価上昇率の鈍化)の影響が今年下期(7−12月)に広がっていく」とし、その上で、前回会合時と同様、「ディスインフレのプロセスを持続的に維持することがソブリンリスク(国の信用リスク)を抑え、長期金利の低下、さらには景気回復を強める上で重要なカギを握る」とした。
 
 さらに、「ディスインフレのプロセスを維持するには、今後、慎重な金融政策運営が必要となる。こうした観点から、金融政策のスタンスはディスインフレのプロセスが続くようコアインフレ率の指標をよく見て決められる。物価と金融市場の安定を目指し、あらゆる手段を講じていく」とし、行き過ぎた利下げによりインフレ上昇リスクを高めないよう慎重な金融政策が必要との考えを示した。
 
 市場では、トルコ経済がパンデミックの悪影響によるリセッション(景気後退)懸念が依然として強いため、今後も利下げを継続するが、利下げ幅は小幅なものになると見ている。このため、今回の据え置きが利下げサイクルの“中休み”なのかどうか注視する必要があるとしている。特に、トルコのエルドアン大統領は利下げが景気回復に最も効果があるとたびたび主張しているだけに、5月までの9会合連続利下げが止まったことへの批判を強める可能性があると見ている
 
 次回の金融政策決定会合は7月23日に開かれる予定。
 
<関連銘柄>
iS新興国<1362>、上場MSエマ<1681>
 
(イメージ写真提供:123RF)