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ファンドニュース



資産形成の入口から出口まで、顧客に生涯伴走できる日本一誠実な運用会社へ=セゾン投信の新社長に聞く

2020/07/03 10:50

 セゾン投信は6月23日の取締役会で、中野晴啓氏が代表取締役会長 最高経営責任者(CEO)となり、代表取締役社長 最高執行責任者(COO)に園部鷹博氏(写真)が就任することを決定した。園部氏に社長就任の抱負と、当面の目標等について聞いた。

 ――社長就任の抱負は?

 創業者である中野は、今回、会長CEOになりますが、私が社長COOとして、文字通り二人三脚で、セゾン投信を日本一誠実な理想の運用会社にすべく発展させていきたいと思っています。

 セゾン投信は2006年6月の創業から14年を経て、独立系運用会社の立場も変わってきている部分があります。創業当初は、直接販売によって販売会社の得ている中間コストを削減し、より低い手数料でお客さまに商品を届ける優位性がありました。また、当時の流行りであった毎月分配型投信やテーマ型投信に対して、長期の資産形成に資するファンドを届けるという点でも特徴を強調することができました。

 ところが、今では、大手運用会社からも低コストのファンドが出ていますし、つみたてNISAに合わせて無分配型で長期投資の目的に適うようにコストを抑えたファンドが揃ってきました。このため、低コスト・長期投資という点では独立系の優位性を訴えることが難しくなってきています。その中で、お客さまと直接つながっている強みは、10年以上にわたって直販を続けてきた独立系の強みといえます。

 私たちは、お客さまを知っています。お客さまの声を直接聞いて、情報開示や関連サービスを強化してきました。大手の中にも直販を始めているところもありますが、創業来、直販によって培ってきたお客さまとの関係は、そうそう簡単には追いつかれないと思います。この直販の強みをしっかり伸ばして、お客さまの声に真摯に向き合い、お客さまの誠実な伴走者として、信頼を一層高めていく努力をしていきたいと思います。

 そもそも私が中野と知り合ったのは、セゾン投信が創業まもない08年頃のことです。当時、私はさわかみ投信にいて、同じ独立系運用会社として共同セミナーを開催したり、情報交換をしながら、日本の運用業界を変えていく夢を語り合うような関係でした。その後、私はドイチェ・アセット・マネジメントに転籍しましたが、ドイチェ・アセット時代も交流はありました。18年10月にセゾン投信に移ってきたのですが、今回、社長COOという役割を担って改めて思うことは、中野と出会った頃の創業の理念を大事にし、しっかり磨き上げていきたいということです。

 ――中野会長との役割分担は?

 会長になった中野は、CEOとして会社の方向性を構想し、私はCOOとしてその構想や方針の実現を担う役割を果たします。中野は、引き続きメディア向けの情報発信を担い、また、金融庁の市場ワーキング・グループの委員として、あるいは、投信協会の理事としての協会活動にも積極的に取り組みます。

 権限の分担としては、マーケティング部門、営業部門、お客様対応部門に関する案件の決裁権限を私が持つことにして、それ以外の領域の決裁権限を中野が持ちます。人事や採用計画については両者の合意事項としています。

 ――これまでは、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と「セゾン資産形成の達人ファンド」の2本のファンドを育ててきました。商品戦略に変更はありますか? たとえば、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資などを新たに加えるようなことは考えていませんか?

 当面は既存の2本のファンドを、より多くの方々に保有していただけるようにしていきたいと思っています。アメリカで何十年もの歴史がある大型ファンドが何本もありますが、私たちは、現在の2本のファンドが長期投資に相応しいと考えて提供してきましたし、今現在でも他のファンドと比べて魅力があると思っています。この2本のファンドを、日本を代表するファンドに育てていきたいと思っています。

 ESGについては、考え方として大事だとは思いますが、ことさらESGファンドを立ち上げる必要は感じません。「セゾン資産形成の達人ファンド」は、アクティブファンドのファンドオブファンズで、私どもが組み入れるファンドを選んでいますが、そのファンド選定の基準の1つとしてESGの要素は既に入っています。

 ――今回の社長交代のきっかけの1つに、資産残高が3000億円を越えて、安定的な経営基盤ができたことがあるということですが、次のマイルストーンとして意識していることは? また、それを実現する方法は?

 ゼロから3000億円の残高を達成したことは、胸を張れることだと思います。中野も、残高3000億円には感慨深いものがあると言っていました。ここからめざすのは、1兆円の大台だと思っています。現在の2本のファンドだけで、個人のお客さまだけを対象として、私たちの残高が1兆円を超えたら、業界を変えるほどのインパクトがあると思います。ぜひともやり遂げたいと思っています。

 1兆円実現については、これまで同様に、お客さまにしっかり寄り添って、パートナーとしての信頼を高めていく他にないと思います。

 この7月5日から始める定額換金サービス「セゾン定期便」は、投資の出口で使っていただくサービスです。「定口換金」と「定額換金」の2つのコースを用意し、毎月、または、隔月で定期的に換金して、お客さまの口座に現金を振り込みます。このサービス利用料金は無料です。

 私たちのお客さまは、40代の方までで約70%を占めるほど、圧倒的に資産形成層が多く、今すぐに60代、70代で必要になる出口サービスが強く求められているわけではありません。ただ、出口サービスを用意することによって、お客さまに資産形成の入口から出口までトータルでサービスする会社であるということを理解していただきたいと思っています。

 これまでは、投信を毎月定額で積立投資をすることの価値を訴え、「投資を始めませんか?」ということを薦めてきました。販売会社にとっては、投信を購入してくだされば、仕事は終わりと感じがちですが、お客さまにとって、それはスタートに過ぎないのです。いったん積立投資を始めれば、毎月一定額を上がるとも下がるとも知れない、不安いっぱいの商品に投資し続けることになります。ハラハラしたり、ひやひやすることもたびたびあると思います。私たちの仕事も、投信を購入していただいてから始まります。今回の出口サービスなど、資産形成の入口から出口に至るまでに必要な様々なニーズにお応えできる存在として、私たちのサービスをバージョンアップしていきたいと考えています。

 たとえば、お客さまが使っておられる金融商品は、投信だけではありません。預金、保険商品、あるいは、住宅ローンなど、様々な商品を使われて、時に使い方に疑問や迷いを感じることがあると思います。そのような時の相談は、今でも銀行や証券会社、また、保険会社にコンサルタントがいますが、どこも何らかの商品を提供していて、相談業務のゴールが商品の販売につながっているケースもあると思います。私たちは、投信を保有していただいているお客さまに、商品販売を前提としない純粋なコンサルティングを提供できます。預貯金ではなく、運用商品を真ん中に置いて、そこに預金やローンなどを組み合わせて、生涯の資金プランを策定します。そのことによって、投信を長く保有していただければ、私たちの残高の拡大につながりますし、お客様は長期投資のメリットが得られます。

 あるいは、私どもは、コールセンターでお客様の相談に応じていますが、私たちからの説明だけでなく、お客さま同士で、互いの経験や感想を共有することで、問題解決の糸口が見えてくるようなこともあると思います。そのようなコミュニティがあることで、投資が継続できるのであれば、どういう形で提供できるのかを考えていきたいと思います。

 まだ構想段階ですが、お客さまと向き合って、必要なサービスを提供することによって、長く継続的に投資していただける環境を提供したいと思います。多くのお客さまに、安心して長くお付き合いいただける会社だと思っていただけた時に、自ずと残高1兆円も見えてくると思っています。

 ――最後に投資家の方々へのメッセージは?

 今回、私が社長に就任することによって、中野が引退するのではないかと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、中野は会長CEOとして、むしろ、これまで以上に情報発信に熱心に取り組むのではないかと思います。

 私は、セゾン投信が創業から大切にしてきた「お客さま一人ひとりの大切な将来の幸せを支える資産形成を支援する」という理念を守り抜き、それを磨いて次の世代に伝えていきたいと思っています。社員一人の潜在力を引き出してサービス内容をブラッシュアップし、これまで以上に、お客さまの満足度を高めることに努めます。これからもセゾン投信に、ご期待ください。