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ファンドニュース

「未来の世界(ESG)」設定額3800億円、みずほ証券がAIも使った販売戦略でコロナ禍を吹き飛ばす

2020/07/22 19:55

 アセットマネジメントOneが7月20日に設定し、運用開始した「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)『愛称 : 未来の世界(ESG)』」は、その設定額が3830億円になった。国内は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に歯止めがかからず、対面による商品説明が制限される中だったが、同ファンドの設定額は2000年2月に記録された過去最大の設定額である約7900億円を集めた「ノムラ日本株戦略ファンド『愛称:Big Project−N』」に次ぐ設定額という歴史的な金額になった。その背景を取材すると、シリーズ残高1兆円となった「未来の世界」シリーズのブランド力に加え、主力販社であるみずほ証券のAI(人工知能)も使ったきめ細かな販売手法など、コロナ禍を吹き飛ばす工夫や努力があったことが分かってきた。

 「未来の世界(ESG)」の当初募集期間は、20年6月22日〜7月17日。新型コロナウイルスの国内での新たな感染者数が1日当たり数十人という2ケタ台に抑え込まれていた期間に募集がスタートされた。ただ、募集開始後間もない6月30日には117人と3ケタに乗せ、その後も新規感染者数は増え続けた。販売にあたっては顧客との接触は最小限にするなど神経を使った販売活動が繰り広げられたことは想像に難くない。

 みずほ証券では、そのように対面での接触が制限される中で「AIを活用して様々な変数からお客さまの商品志向を割り出し、マーケティングにおけるターゲティングを強化した」という。同ファンドへの関心が高いと考えられる顧客には、DMの発送やメールの発信などに加えて、電話を使った商品説明や質疑応答などをきめ細かく対応したという。コロナ禍での販売資料は「販売用資料」「営業員向け解説動画」「顧客向け説明動画」を3点セットとし、顧客に対してDM等で資料を送ることと並行して同社の営業担当者に対する商品内容、運用戦略等の理解促進を進め、商品説明資料を顧客が閲覧するタイミングで電話でのフォローをタイムリーに行った。

 さらに、顧客とのコミュニケーションを深めるために、運用を担当するモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インクのクリスチャン・ヒュー氏の手紙を同封したり、その際に、みずほ証券の営業担当者が直筆の手紙を合わせて郵送するなど、デジタル化とは逆行するようなローテクも活用して顧客との距離感を縮めるように取り組んだという。

 みずほ証券の顧客にとっては、「未来の世界」は2016年9月30日に設定された第1号ファンド「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)(年1回決算)」から、約4年間にわたって「新興国」「年2回決算型」「先進国」とシリーズが拡充されてきた馴染みのファンド。運用の基本方針は変わらず、運用チームもクリスチャン・ヒュー氏が率いる運用チームが務める安心感のある運用商品になっている。しかも、1号ファンドは、設定から4年足らずで基準価額が2万円を超えるほどに大きな運用成果をあげている。

 アセットマネジメントOneは、今回の大きな設定額について「これまでに設定した『未来の世界』シリーズのトラックレコードに対する信頼感と、ESG色を強めた運用プロセスが投資家の支持を集めたと認識しています。みずほ証券が近年すすめてきたグローバルエクイティ戦略へのお客さまの信頼感の高さを示していると考えています」と、みずほ証券が一貫して進めてきている海外の株式で資産形成を行うという考え方が浸透してきた力強さを感じたという。

 運用責任者のクリスチャン・ヒュー氏は、今回の設定額について「多くのお客さまが私たちの運用哲学に共感し、私たちを資産形成のパートナーとしてお選びいただけたことを大変光栄に感じております。今回の新型コロナウイルスによるパンデミックは世界中が変わる大きなきっかけとなり、ESG重視のトレンドやディスラプションが世界中で加速しています。当ファンドを通じて、良好な投資リターンの獲得だけでなく、世界をより良くすることへの支援になることも感じていただけると幸いです」とのコメントを寄せている。

 「ノムラ日本株戦略ファンド『愛称:Big Project−N』」は、設定後まもなく1兆円の超大型ファンドになったが、運用成績が振るわなかった。基準価額は設定から2年後には5000円の大台を割れ、さらに1年後には4000円の大台も下回った。華々しいスタートだっただけに、その後の運用は大変厳しいものになってしまった。「未来の世界」は、コロナショックの荒波を乗り越えて基準価額が最高値を更新する力強い運用成績を残している。新ファンド「未来の世界(ESG)」についても、投資家の期待に応える成果を期待したい。(図版は、「未来の世界」のフラッグシップファンドの設定来の基準価額と純資産額の推移)