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ファンドニュース

DXが企業の優勝劣敗を加速、「厳選」アクティブ・ファンドに活躍余地広がるか

2020/09/30 17:54

 コロナショックの回復過程で、株式の優勝劣敗が鮮明になった。国内公募投信(ETFとSMA・DC専用除く)で国内株式を投資対象とする695ファンドのうち、過去6カ月間のトータルリターンを調べると、最高はプラス83.25%、最低はマイナス22.74%になっている。同じように日本株式に投資しているつもりでも、投資するファンドによって運用成績に大きな違いがでてしまう。特に、コロナ後に鮮明になってきたデジタルトランスフォーメーション(DX)といったデジタルの世界では「winner−takes−all(勝者総取り)」とされ、少数の勝者と多数の敗者という格差が明確になるといわれている。現在、米国を中心に世界的に「インデックス・ファンド優位」の流れができているが、社会の「格差拡大」が進むのであれば、今後はアクティブ・ファンドの優位性が際立ってくるかもしれない。

 アクティブ・ファンドを象徴する言葉は「厳選」といえる。現在、国内株式を投資対象とする公募投信(ETFとSMA・DC専用除く)でファンド名(愛称含む)に「厳選」と入っているファンドは20本ある。その中で、モーニングスターレーティングが5ツ★、また、4ツ★に格付けされるファンドは4本(8月末基準)。この4本のファンドのトータルリターンをTOPIX(東証株価指数)と比較してみると、コロナショック後の戻り局面で「厳選」ファンドのパフォーマンスが格段に優れていることがよくわかる。

 ただ、一言に「厳選」といってもファンドごとのポートフォリオの中身は違う。4ファンドの中で、最も設定が古い「フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド(愛称:Jテック+)」(設定日:1999年11月19日)は、投資対象をテクノロジー企業に限定したうえで「厳選」している。8月末時点の投資銘柄数は36銘柄。4ファンドの中で唯一、モーニングスターカテゴリーでは「中型グロース」という「中型株」に分類される(他の3ファンドは「大型株」)。

 次に設定が古い「スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)」(同」2008年3月28日)は、8月末時点で18銘柄に投資している。投資銘柄数は4ファンドの中で、一番少なく、また、唯一5ツ★に格付けされている。そして、「シュローダー厳選グロース・ジャパン」(同:2010年5月28日)は、39銘柄に投資。そして、「ROE向上・日本厳選株式ファンド(愛称:収穫)」(同:2015年6月22日)は60銘柄に投資している。

 4ファンドについて9月29日を起点として過去3年間のパフォーマンスをみると、銘柄数をより絞り込んだ「スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)」、「フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド(愛称:Jテック+)」の方が、より投資銘柄数が多い「シュローダー厳選グロース・ジャパン」、「ROE向上・日本厳選株式ファンド(愛称:収穫)」よりもパフォーマンスが良いようにみえる。投資銘柄数が増えるほどに、パフォーマンスがインデックスに近づく結果になるが、構成銘柄数が2100銘柄を超えるTOPIXと比較すると、「ROE向上・日本厳選株式ファンド(愛称:収穫)」で60銘柄と、この4ファンドは十分に絞り込んだポートフォリオになっている。

 なお、10年以上の運用実績がある3ファンドのトータルリターン10年(年率)を見てみると、TOPIXの7.24%、日経平均株価の10.12%に対し、「スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)」は17.74%、「シュローダー 厳選グロース・ジャパン」は12.86%、「フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンド(愛称:Jテック+)」は12.40%という結果になる(8月末基準)。このように、長期にわたってインデックスを上回る運用成績を実現できるファンドは貴重だ。

 日本はDXについては、緒についたばかりといわれている。企業の優勝劣敗は、今後一層明瞭になっていくと考えられる。「厳選ファンド」として取り上げた今回の4ファンドは明らかに優れた銘柄選別能力があるといえそうだが、これからも変わらずに高い運用成績を残せるかどうかはわからない。DXによって社会の構造が大きく変わろうとしている。ファンドに投資をする私たちは、個々のファンドの運用方針やパフォーマンスなどといった特徴をしっかり確認し、納得できるファンドを見極めたい。(グラフは、国内株式「厳選」ファンドの過去3年間のトータルリターン相対比較)