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国内市況ニュース

<相場の見方、歩き方>日経平均にはもう一段の上昇余地―バリュー株物色の流れが相場を押し上げ(2)

2020/10/12 08:12

(1)からつづく

<グロース株でもバリュー株でもない景気敏感株>

 景気敏感株は、グロース株でもバリュー株でもありません。景気が好調な局面では業績がよく、株価は高く、PBR(株価純資産倍率)はかなり高いところまで駆け上がります。反対に経済の状況が厳しい局面では、業績は悪化し、株価は下がり、PBRは低くなります。

 つまり景気敏感株は、サイクル的に株価が動く分だけ、経済の状況次第ではグロース株にもバリュー株にもなりうる一群です。今のような経済と相場の状態では、景気敏感株のPBRは極端に低いものがほとんどです。

 しかし、だからといって景気敏感株はバリュー株ではありません。確かにPBRは極端に低いのですが、それはあくまで見かけのバリュー株であって、本当の意味でのバリュー株ではありません。ひとたび景気がよくなれば、景気敏感株の一群はすぐに株価は上昇に転じて、大多数を占めるPBRの1倍割れはいずれ解消してゆきます。

 回りくどくなりましたが、米国株と日本株の連動性に戻って、グロース株で構成されるNYダウ(S&P500)の動きと、バリュー株が多く含まれる日経平均(TOPIX)との間に連動性が薄れてきたように感じられるのは、バリュー株に資金が流れ始めているということではないかと思います。

 実のところは今週も、グロース株が非常に高いパフォーマンスを挙げています。この半年間、「ウィズ・コロナ相場」が一貫して続いており、そこでの優位性は圧倒的にマザーズ市場にあります。

 東証マザーズ指数は連日のように年初来高値を更新しており、2018年2月以来の水準に達しました。時価総額も9兆円に乗せ、過去最高を更新しています。

 しかもマザーズ上場の企業は、次々と東証1部に市場が変更されています。成長著しい企業はマザーズからすぐに抜け出してしまう傾向があります。

 9月の東証1部の月間騰落率を見ると、値上がりの第7位に位置するエル・ティー・エス<6560>は今年7月にマザーズから東証1部に移ってきた銘柄です。

 同じように第9位のマネジメント・ソリューションズ<7033>は、昨年10月にマザーズから東証1部に市場変更を果たしました。第17位のギフト<9279>は今年9月、第18位のセグエグループ<3968>は昨年6月、第22位のエイトレッド<3969>は昨年3月と、それぞれ東証1部に上場したばかりです。

 それらの株価が大きく上昇したのが9月相場の最大の特徴です。高値圏での値動きは荒っぽくなりがちですが、いまだに小型成長株の上昇トレンドが変わったとは思えず、株価の騰勢は衰えていないところが驚異的です。これこそが「ニューノーマル」です。

 それがここに来てNY市場と東京市場との連動性の薄れとして、バリュー株の芽が出始めているように感じられます。

 バリュー株(景気敏感株)はここまで何度も浮上しては、頭を押さえられてきました。グロース株はまだ上値余地を残しており、簡単には主役の座を降りるとは考えられません。それでもやはりバリュー株的な流れが生まれつつあるようです。

 そうであれば、日経平均はもう一段の上値余地が生じていると見ることができます。10月相場は始まったばかりです。グロース株とバリュー株の両面作戦で、この先の展開におおいに期待を持つことができそうです。竹内製作所<6432>、ビジョン<9416>、アスクル<2678>、JCU<4975>、日本郵船<9101>に注目しています。

 *おことわり この記事は、2020年10月11日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。

提供:モーニングスター社
(イメージ写真提供:123RF)