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ファンドニュース

年初来上昇率128%「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」が残高8000億円突破

2020/12/22 17:51

 日興アセットマネジメントが設定・運用する「グローバル・プロスペクティブ・ファンド『愛称:イノベーティブ・フューチャー』」の純資産残高が12月21日、8000億円の大台を突破した。2019年6月28日の設定から、約1年6カ月という短期間で国内の公募投信(ETF除く)の中で3番目に規模が大きなファンドになった。ファンド規模の成長スピードでは、アセットマネジメントOneが設定運用する「グローバルESGハイクオリティ成長株式(H無)『愛称:未来の世界(ESG)』」が2020年7月20日の設定で既に残高8000億円を超えていることに及ばないが、基準価額の水準では「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」は2万4000円を超え、年初来で基準価額は128%上昇(2.28倍)するという上昇を遂げている。

 「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」は、「世界の上場株式の中から、破壊的イノベーションを起こし得るビジネスを行う企業を実質的な投資対象とする」と謳っているが、まさに、今年のパフォーマンスは破壊力十分だった。3月のコロナショックの折には、このファンドも基準価額が大きく下落し、一時は7352円まで落ち込んだ。そこから大きく反発し、3月安値から12月21日までの上昇率は232%と、わずか9カ月間で3.3倍に値上がりしている。

 このファンドの組入れ銘柄の8割以上が米国籍企業で、通貨別では98%を米ドルで投資している関係で、類似ファンド分類は「国際株式・北米」になっているが、この類似ファンドの平均リターンが年初来で約9.8%だった。コロナショック時の最安値からの上昇率が約64%だ。北米株式のパフォーマンスは、今年は総じて高いものだったが、それをはるかに上回る運用成績を残している。

 このパフォーマンスを実現した大きなエンジンは、ファンドの設定来、組入銘柄のトップに置き続けている米テスラの株価上昇だ。日興アセットでは、ファンドの基準価額が2万円に乗せた今年10月にファンドのパフォーマンスを分析する特別レポートを出しているが、そのレポートで基準価額の上昇率100.9%に対し、テスラの寄与度は40.9%を占めるとしている。まさに、「テスラさまさま」といえる運用成績だが、同ファンドの組入れ上位銘柄の顔ぶれをみると、「たまたまテスラを買っていた」というラッキーで運用成績を出しているとは思えない。

 直近の11月末現在のマンスリーレポートで開示している組入上位銘柄は、トップは引き続きテスラだが、第2位は分子診断サービスを手掛ける米インビテ、第3位は、動画ストリーミングサービスの米ロク、そして、第4位はゲノム解析技術のスイスのCRISPRセラピューティクスになっている。テクノロジー株式ファンドというと、いわゆるGAFA(グーグル/アマゾン/フェイスブック/アップル)に代表されるIT大手やその関連企業がポートフォリオの中心を担っていることが多い。ところが、このファンドの業種別組入上位のトップはヘルスケア、ITは第2位になっている。

 近年、「破壊的(ディスラプティブ)イノベーション」という言葉は、テクノロジー系の株式ファンドでは流行のひとつといえ、個別企業の調査分析によって、自らの力で次の成長産業を創出するほどのインパクトがある「破壊的イノベーション」を起こす企業を発掘することをテーマに掲げるファンドは少なくない。ただ、個々のファンドの組入れ銘柄を比較すると、独自の企業調査を強調していながら、銘柄の並び順が異なるだけで、その顔触れはそれほど変わらないというケースが多い。この視点で同ファンドを見てみると、非常にユニークな企業をピックアップしている。上位銘柄の中に、テスラやスクエア、テラドックなどが入っているファンドは少なくないが、インビテやCRISPRセラピューティクスなどが入っているファンドには、まず出会わない。

 同ファンドは、米国のアーク・インベストメント・マネジメントLLC(ARK)の投資助言を受け、日興アセットマネジメント・アメリカズ・インクが、主要投資対象のルクセンブルク籍ファンド「日興AM ARKディスラプティブ・イノベーション・ファンド クラスA」を運用している。この投資助言をするARKは、破壊的イノベーションに特化した調査会社として非常にユニークな企業調査を行っている。現在の注目テーマは、ロボティクス、AI(人工知能)、ブロックチェーン、エネルギー貯蔵、DNA解析といった分野だという。「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」は、特定のテーマを切り出したものではないので、ARKの調査力の特徴がストレートに反映されるポートフォリオになっているといえる。

 今年の成績だけで、同ファンドの実力を判断するのは早計だが、コロナショックによって始まった「新しい生活様式」は日本だけでなく世界各国で意識され、その新しい生活を実現する手段を提供し、これからの成長を謳歌するのは、まぎれもなく「破壊的イノベーション」をもたらす企業群だろう。この分野の株式は引き続き高い株価の上昇が見込まれると予想するアナリスト/ストラテジストは多い。各社各様に提供するテクノロジー系株式ファンドの中で、今年は抜きん出た成績を挙げた「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」をウオッチリストに入れておきたい。(グラフは、「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」の設定来の基準価額と純資産残高の推移)