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ファンドニュース

イーストスプリングの2021年展望、新興国のバリュー株に投資機会

2020/12/24 19:57

 イーストスプリング・インベストメンツがこのほど、「2021年 マーケットアウトルック」を発行した。特に同社の運用に特徴的なアジア株式について、様々な角度からの見解が紹介されていて興味深い。コロナ禍に大きく揺れた2020年は、新興国株式市場は全体の指数としては年初来の騰落率で先進国株式をやや上回る成績になったものの、国・地域別には2極化の様相を呈した。中南米、EMEA(欧州・中東・アフリカ)は下落し、アジアはプラスのリターンを残した。2021年の見通しについて、新興国株式およびアジア地域バリュー株式チーム・ヘッドのAndrew Cormie氏は、「新興国株式のグロース株とバリュー株のパフォーマンスの乖離がかつてなく大きくなっており、2021年は新興国株式投資の規律あるアクティブ ・バリュー投資は、非常に興味深い投資機会を提供する」とみている。

 年初来の騰落率(2019年12月31日〜2020年12月8日)は、新興国グロース株(MSCI EMグロース・インデックス)の29.5%に対し、新興国バリュー株(MSCI EMバリュー・インデックス)は1.1%とグロース株が大幅に上回る結果になっている。このグロース株とバリュー株のカイ離は、現在、その発生確率が0.3%未満の3標準偏差を超えた水準にあり、これ以上のカイ離の拡大は限りなく低い水準にある。このため、何かのきっかけで、新興国株式において「グロース株からバリュー株へのローテーション(転換)が起こる可能性がある」とする。Cormie氏は、そのきっかけを「投資家の着目点が、足元の四半期の企業業績から、中長期的に持続可能な利益へと変わる時に起きる傾向がある」とし、コロナワクチンの普及拡大や米国新政権の誕生が「今よりも長期的な視野を持ち、より大きなリターンをもたらす可能性があるバリュー株に向かうきっかけになるかもしれない」とみている。

 一方、日本株式チーム・ヘッドのDean Cashman氏は、日本株が他の地域の株式市場と比べて割安な水準にあることに注目している。「2015年以来、外国人投資家は日本株を売り越し続け、現在の外国人投資家の日本株のポジションは2012年以来、最もアンダーウエイトになっている」ことに注意を促した。Cashman氏は日本のコーポレートガバナンス改革の動きを注視し、2019年以降、日本で敵対的買収の発表などが頻発していることは、「これまでに見られた企業統治をめぐる変化が意味のあるものであり、企業価値向上のきっかけになることの証拠」と評価している。そして、日本株に対する投資家の低い期待は、「低成長・低インフレ・低金利環境が当面続く」という見通しの一部が変化するような動きがあれば、「日本株市場が今後持続的に再評価されていくきっかけになる可能性がある」とした。

 また、イーストスプリング・シンガポールの債券運用部門クレジット・マネジャーのTan Yong Han氏は、アジアのESGを切り口とした投資機会に注目している。例えば、「再生可能エネルギーへの投資では、既に業界をけん引する存在が韓国、中国、インドに現れ、アジア太平洋地域では、再生可能エネルギー分野において2025年までに最大2500億米ドルの新規投資が見込まれている。再生可能エネルギー分野への投資および導入機会に基づき各国を順位付けすると、アーンスト・アンド・ヤングが算出する再生可能エネルギー国別魅力指数(RECAI)において、中国、インド、日本は世界的に見ても高い魅力がある国と位置づけられている」として、アジアの国々をESGの観点で評価する必要性を強調している。

 イーストスプリング・インベストメンツは、「イーストS・インド株式オープン」をはじめ、「イーストS・インドネシア株式オープン」、「イーストS・フィリピン株式オープン」、「イーストS・タイ株式オープン」などアジア各国の株式に投資するファンドの品ぞろえが充実している。また、「イーストS・グローイング・アジア株式」、「アジア・オセアニア好配当株式」などアジア地域を投資対象とするファンドや、「イーストスプリング 新興国スタープレイヤーズ」といった新興国株式を俯瞰して厳選投資するファンド、さらに、日本の中小型バリュー株に投資するユニークな「イーストS・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンド」も提供している。今回のアウトルックでもアジア各地の運用拠点を通じたきめ細かな市場見通しが掲載され、同社のアジア地域における存在感が感じられた。(グラフは、「イーストスプリング新興国スタープレイヤーズ」の設定日からのMSCIエマージング・マーケット・インデックスのトータルリターン相対比較チャート。2020年12月23日まで)