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ファンドニュース

「eMAXIS Slim」が1・2フィニッシュ=ネット証券の投信積立契約件数ランキング21年1月

2021/02/03 18:30

 ネット証券大手3社の投信積立契約件数ランキング(月次、21年1月)で「eMAXIS Slim」シリーズの「米国株式(S&P500)」と「全世界株式(オール・カントリー)」が1・2位を占めた。前月2位だった「ひふみプラス」は3位に後退した。そして、前月に圏外からトップ10入りした「eMAXIS Neo 自動運転」が8位に順位を上げた。また、長らくマネックス証券の積立契約1位の地位にあった「マネックス資産設計ファンド<育成型>」は第9位にまで後退し、トップ10の最下位に落ちてしまった。前月は10位にあった「世界経済インデックスファンド」がトップ10から外れてしまったように、株式と債券を組み合わせたバランスファンドの人気が退潮している。

 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。

 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、2020年2月に「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス」に代わってトップに立って以来、1年間継続してトップの座を守っている。近年は、アメリカ株価が史上最高値を更新し続ける傾向にあり、同ファンドが連動をめざす「S&P500」も今年1月25日に終値で史上最高値を更新したところだ。その後、やや下落したとはいえ、最高値近辺で高値に留まっている。また、「eMAXIS Slim」シリーズとして同一カテゴリーで最低水準の手数料率をめざすことから、同ファンドの信託報酬は、残高に応じた逓減料率を採用していることから、現在の約2560億円の残高で計算すると0.09602%(税込み)になる。この年率で0.1%をも下回る手数料率が積立ファンドとしての魅力になっている。

 手数料率の低さでは、SBI証券の積立契約件数でトップを走り続けている「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」が税込みで0.0938%としていることで人気が衰えないことも同じ現象だ。

 一方、「マネックス資産設計ファンド<育成型>」は、世界の6資産に投資するバランスファンド。20年12月末現在の配分比率は、日本株式25%、外国株式25%、日本債券28%、外国債券10%、日本リート6%、外国リート6%の比率。20年12月末時点で過去1年間のトータルリターンは3.07%、5年(年率)3.85%、10年(年率)6.96%と長期に安定的なパフォーマンスを残してきているが、年率2ケタ成長の株式ファンドと比較するとパフォーマンス面で見劣りすることは否めず、徐々に人気を失ってきているようだ。

 ただ、パフォーマンスだけをみると、今回3位に後退した「ひふみプラス」は20年12月末現在で過去1年間のトータルリターンは20.73%だ。1位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の10.30%、2位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の8.96%よりも、よほど高いリターンをあげている。たしかに、信託報酬率は「全世界株式(オール・カントリー)」の年0.1144%(税込み)などと比較しても、「ひふみプラス」の0.8941%(税込み、逓減料率を適用)は一見すると高い。しかし、トータルリターンは信託報酬を控除した後の成績であるため、そこで2倍ほども差があるファンドに負けているのは不思議だ。

 投資信託の運用力を測ることは難しいところがある。トータルリターンだけを比較すれば、「ひふみプラス」は過去3年(年率)5.39%で、S&P500指数(配当込み、円ベース)の同10.40%やMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円ベース)の7.23%に負けているが、過去5年(年率)では、12.14%で、S&P500指数の11.20%、MSCI ACWIの9.06%に勝っている。

 もとより、長期の資産形成をめざして投信積立をしている人にとって、最適な積立ファンドは人それぞれに異なるといえる。単純にトータルリターンや信託報酬の水準だけで良し悪しは決められない。それぞれの投資家に「リスク許容度」があって、最大下落率がどの程度の水準までなら耐えられるかに応じてファンドを選ぶことが重要だ。あまりに大きく下げることに驚いて投信の積立を止めてしまうことがないようにすることが最も重要だからだ。この点では、投信初心者が多いといわれるネット証券の投信積立契約では、「マネックス資産設計ファンド<育成型>」や「世界経済インデックスファンド」のようなバランスファンドが、運用リスクが抑えられたファンドとして、もっと評価が高くても良いように感じられるがどうだろう。