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ファンドニュース

日興アセット×ARKの2021年の注目テクノロジー、VRとARなど破壊的イノベーションの成長は尽きず

2021/02/25 18:57

 日興アセットマネジメントは2月25日、米ニューヨークの日興アセットマネジメント アメリカズ・インクの千葉直史氏が、同社が業務提携するARK Invest社がまとめている最新技術トレンド「Big Ideas 2021」についてポイント解説する記者向けオンライン説明会を開催した。千葉氏は、「Virtual Worlds」と「Bitcoin’s Fundamentals」をピックアップして、ARK社が着目するポイントを解説した。「Big Ideas 2021」では、15のテーマを立て、ARK社が注目するポイントを解説している。

 「Virtual Worlds」は、VR(バーチャル リアリティ:仮想現実)、AR(オーグメンテッド リアリティ:拡張現実)などの技術の先にあるMetaverse(メタバース:多人数参加型の3次元仮想世界)などにつながる関連技術のこと。千葉氏は、「たとえば、オンラインゲームを楽しむ時間は、1日あたり1時間か2時間程度のものかもしれないが、没入感の強いVRを使ったゲームを遊び、そのゲームの中で、買い物をし、さらには、その仮想現実が別のゲームのプレイヤーの世界とつながるようになって、コミュニケーションができ、仕事までできるようになれば、その仮想空間に滞在する時間は飛躍的に増える。現在は、ゲームの課金はアイテム課金などに過ぎないが、その場でショッピングができたり、映画などを観ることができるようになると、そこから得られる売り上げも加速度的に増えていくことになる」と近い将来を予測する。

 そして、米アップル社が2021年にも発表すると目されている「Apple Glass」はAR関連サービスを一気に普及させるきっかけになると期待されるとした。すでに、アップル社のiPhone12proにはARセンサーが搭載され、iPhoneを使ったAR環境を実現するための施策は進行していると語った。ARK社は、現在、10億ドル(約1050億円)程度のAR市場は、2030年には1300億ドル(約13兆6500億円)の市場に成長すると見通している。

 また、VRやARを取り込みながら進化していくゲーム市場は、2025年までの5年間で年率平均16%成長が期待され、ARとVRの市場は、同じ期間に年率平均59%という勢いで成長する期待があると見通している。

 一方、「Bitcoin’s Fundamentals」については、Bitcoinの市場が拡大し、スクエアやペイパル、テスラなどの企業が法人としてBitcoinの保有に動いている現実を踏まえ、「Bitcoinを保有する理由を説明するための手段が求められ、一般の投資資産として定着するためには、株式投資のPERなどに相当するスタンダードな分析手法が確立されることが必要だろう」との観点から、ARK社なりのアプローチを示している。たとえば、「Realized Capitalization」というビットコインの取引価格の積算とBitcoinの時価総額のグラフを重ねてみると、時価総額は通常は「Realized Capitalization」を上回っているが、市場の下落局面では「Realized Capitalization」を下回る局面が現れる(2019年初頭、2020年3月のコロナショック)。ただ、下回る局面は長く続かず、その後、「Realized Capitalization」を離れて急速に価格が上昇することが分かっている。「Realized Capitalization」は、「市場全体の簿価」に相当し、この水準が下値のメドとして働いていることが確認できている。

 また、現在、事業法人が余剰資金でBitCoinを購入するケースが相次いで明らかになっている。企業の行動としては、余剰資金を米ドルだけでなく、Bitcoinや金(ゴールド)などに分散して保有する意図のもとで進んでいる。現在は、一部の企業にとどまっているが、もし、S&P500採用企業が余剰資金の1.0%をBitcoinの購入に動けば、現在の価格から4万ドルほど上昇するインパクトがあると試算されている。このような事業法人の動きや保険会社などの機関投資家が新たな運用対象としてBitcionを使おうという試みもあることから、Bitcionに関連する技術開発にも注目しているという。

 千葉氏は、2016年12月16日に設定した「グローバル・フィンテック株式ファンド」以来、「グローバル・モビリティ・サービス株式ファンド」「グローバル・スペース株式ファンド」「グローバル全生物ゲノム株式ファンド」「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」など、ARK社の調査力を活かしたファンドの組成に継続して携わってきた。「2015年当時は、運用資産額が数百億円に過ぎなかったARK社は、既に数兆円の運用資産を任せられる会社に成長した」と振り返る。千葉氏は、ARK社の強みについて、(1)テクノロジーから発想する、(2)時間軸が5年程度と長いということに象徴されると語る。「一般の運用会社は、投資先企業の四半期業績を分析し、次の四半期業績の見通しから投資判断をするなど、非常に短い期間の見通しに基づいて動くことがあるが、ARK社は技術のリサーチ会社として、進展が確信される技術の将来市場から発想して関連企業をピックアップする作業を行っている。技術の先が読めるからこそ、確信を持って企業の成長力について判断もできる」と評していた。

 なお、先端技術分野で覇権を争う米国と中国は、ここ数年「米中貿易戦争」といわれるほど対立を深めているが、千葉氏は米国にいて「米中貿易摩擦が解消することはない」とみている。「むしろ、米国を中心とした西側テクノロジーと、中国を中心としたテクノロジーは、数年前から違う道を歩み始め、今後はますますその差が大きくなり、二つの世界を作っていくだろう」とみている。「米国など先進国のテクノロジーは、個人情報やプライバシーの取り扱いを配慮し、主に先進国のマーケットで広がり、中国のテクノロジーは個人情報の取り扱いなどより利便性の追求に力点が置かれ、新興国を中心にスピード感を持って広がっていくだろう。この二つのテクノロジーは相容れることなく、独自の発展を遂げるのではないか」とテクノロジーの将来について語っていた。(図版は、ARK Invest社の「Big Ideas 2021」の表紙画像)