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ファンドニュース

インデックスを突き抜けるアクティブファンドの魅力=資産形成ことはじめ(6)

2021/04/20 18:15

 投資信託を使った資産形成について「インデックスファンドでコストを抑えて積立投資をすることが一番効率が良い」という意見がある一方で、「アクティブファンドの運用力の魅力を無視するわけにはいかない」という意見もあります。そこで、過去10年のデータ(2021年3月末基準)を使って、日本株式で運用する全アクティブファンドの成績を調べました。日経平均株価に勝てるアクティブファンドは23.41%でしたが、最高の成績をあげたファンドのパフォーマンスは10年間で15.7倍にもなりました。同期間で約3.5倍の日経平均をはるかに超えた成績です。確かに、勝率ではインデックスファンドに分があるのですが、アクティブファンドだから実現できる高いパフォーマンスを無視できるでしょうか?

 過去10年間の国内株式の運用環境は、いわゆるアベノミクスの追い風があり、「デフレからの脱却」と「富の拡大」をめざして、低金利環境を続け、かつ、株高を意識した政策が発動されるなど、株式投資には追い風の時代でした。結果として日経平均株価連動型ファンドの平均は10年間で3.47倍に値上がりしています。トータルリターンは運用コスト(信託報酬)控除後で年平均13.06%になった計算ですから、運用成績としては十分に納得のいく成績といえるでしょう。実際に、過去10年間の運用実績がある国内株式型アクティブファンド(レバレッジ型除く)は346本ありますが、10年(年率)13.06%という成績を超えたファンドは81本しかありませんでした。このような実績を前にすると、国内株式インデックスファンドの信託報酬は年0.154%(税込み)になる中で、年1%を超える信託報酬のファンドも少なくないアクティブファンドを選ぶ必要はないという声が出てくるのも当然です。

 国内株式型アクティブファンドの運用成績は、平均で運用コスト控除後で10年(年率)11.53%でした。ただ、最高の成績を残したファンドは、同31.72%と日経平均株価をはるかに上回る成績をあげました。もちろん、もっとも成績の悪いアクティブファンドは、同0.18%と、日経平均株価が約3.5倍に値上がりする中で、ほぼ横ばいの成績でしかありませんでした。アクティブファンドは選び間違えると、せっかく株式投資の追い風が吹いている市場環境でも、その環境を活かせないことになってしまいます。

 実際に、ファンドを選ぶにあたって、国内株式のインデックスファンドであれば、実質的に「日経平均株価」か「TOPIX(東証株価指数)」の2択です。過去10年間のTOPIX連動型インデックスファンドのトータルリターンは平均で年10.30%でした。この水準は、アクティブファンドの平均を下回ります。TOPIXを上回る運用成績をあげたファンドは346本中で60%超の211本もあります。過去10年間の運用成績においては、インデックスファンドは「日経平均連動型」を選ぶべきだったといえます。そして、アクティブファンドはTOPIXを上回る成績を残して十分に魅力的な投資対象であったといえるでしょう。

 しかし、同じような比較を外国株式に投資するファンドで行ってみると様子が大きく異なります。先進国株式を投資対象とする株式型アクティブファンドについて、代表的な先進国株価指数である「MSCIコクサイ(配当込み、円ベース)」に連動するインデックスファンドのパフォーマンスと比較しました。「MSCIコクサイ」連動型ファンドの過去10年のトータルリターンは年率12.94%でした。しかし、先進国株式を対象とする国際株式型アクティブファンドの平均は同10.54%でしかなく、指数を上回る成績を残したファンドは10年以上の運用実績のあるファンド43本中で、わずかに6本でした。比率にすると13.95%です。しかも、アクティブファンドの最悪の運用成績は10年(年率)でマイナス8.90%です。そのファンドは通貨選択型という特殊なファンドではあるのですが、アクティブファンドを選んだ代償として10年間運用して大幅なマイナスリターンというのは酷すぎます。

 そもそも、外国株式に投資するファンドで10年以上の運用実績があるファンドの絶対数が少な過ぎるのではないでしょうか。まずは、10年間にわたって運用が続いているファンドを選ぶのが難しいということですし、まして、インデックスに勝る運用成績を残しているファンドは約14%しかありません。この結果だけをみると、「外国株式に投資する場合は、インデックスファンドを選んだ方が無難」という結論になりそうです。

 国内公募投信で外国株式に投資するアクティブファンドは、外資系の運用会社、または、国内の運用会社の場合は外国の運用会社に運用を委託しているケースが多いのが現実です。外資系運用会社が日本に進出してくる場合は、日本の投資家のために優れた運用成績のファンドを提供したいという高い理想をもって参入してきているでしょうし、国内の運用会社が外国の運用会社に運用を委託する際にも、運用力のある会社を厳選しているはずです。それでも、過去10年間の結果だけをみれば、魅力ある外国株アクティブファンドは、ほとんどなかったという結果になりました。ここ数年は、アメリカ株式をはじめ、外国株式の高いパフォーマンスが耳目を集めています。外国株式投信への資金流入の規模も大きくなっていることから、現在の売れ筋である外国株式型アクティブファンドは、過去のファンドとは異なる結果になると期待したいところです。(グラフは、国内株式型ファンドの過去10年間の相対比較チャート)