youtube fund_beginer fund_search fund_look

ファンドニュース

日本株に強気、22年6月末に日経平均3万2500円を予想する理由=日興アセット

2021/07/13 18:51

 日興アセットマネジメントは7月13日、4半期ごとに発表しているハウスビュー(市場見通し)「グローバル・フォーサイト」がまとまったことを受け、メディア向けにオンライン説明会を開催した。同社チーフ・ストラテジストの神山直樹氏は、「米国の財政支出が小売売上高を大幅に引き上げる効果を表すとともに、米国の貯蓄率を異常な水準に引き上げている。それが、世界の輸出を刺激し、世界経済の好循環につながっている。今後は、米国で貯蓄の取り崩しによる消費拡大が期待され、当面は企業業績が好調な状態が続くだろう」と見通し、世界の株式市場は緩やかに上昇するとした。同社では、グループ各拠点の投資責任者がメンバーとなって「グローバル投資委員会(GIC)」を四半期ごとに開催し、ハウスビューをアップデートしている。

 神山氏が、注目ポイントとしてピックアップしたのは、米国の雇用指標がコロナ前の60〜70%程度まで戻ってきたところであるにもかかわらず、米国の小売売上高は、コロナ前の水準を大きく超え、コロナ前までのトレンドラインを突き抜けて大幅に拡大していること。この雇用状況と消費需要のギャップを生み出しているのが、トランプ政権以来の米国の財政政策であると解説した。2020年3月に個人向け現金給付などトランプ政権が実施したコロナ関連などの財政支出と、バイデン政権の1兆9000億ドルの「米国救済計画」を合わせて5兆7353億ドル(約630兆円)にのぼる財政支出が米国の消費マインドを刺激し、さらに、過去最高水準の貯蓄率を記録している。

 「既に米国では冷蔵庫など耐久消費財の購入が大きく膨らんだが、今後は、膨らんだ貯蓄を使って旅行や外食などで支出していくことが期待される」(神山氏)と見通した。そして、この米国における小売売上高の増加は、米国の輸入額をコロナ前の水準を超えて伸ばし、日本をはじめとした米国を相手先にした輸出の好調につながっている。「米国の財政支出が世界経済を回し、輸出国の恩恵となり、企業の売上や利益を押し上げている」として、これが株式市場を強気にさせる背景とした。したがって、米国の株価などを行き過ぎという見方があることについて、「収益の伸びを伴った株価上昇であり、過熱しているとはいえず、適正な水準であると判断している」との見方を示した。

 一方、リスク要因としては、(1)米国の貯蓄率が下がらないこと。「現在の株価の水準は、米国の貯蓄率が外食や旅行等の支出増によって低下することをコンセンサスとしているため、貯蓄率が下がらずに高止まりすると株価の下落要因になる」という。(2)ワクチンでコロナ重症者の増大を抑えられるという見通しが崩れること。「英国では、ワクチン接種の進展によって、コロナ重症者の増大を抑えられ医療崩壊等のリスクが低減したとして通常の生活に戻す決定をしているが、コロナ感染症が変異種などの影響でこのような流れと異なる動きになると、現在の株高の前提が崩れる」とした。(3)米国の増税。「バイデン政権は共和党に融和的な態度であるため、来年夏の中間選挙戦までは増税について強硬な姿勢に出ることはないと考えている」としながらも、リスクとしては意識しておくポイントとした。

 ただ、当面の3つのリスクについて現状では「リスクは下がったと感じる」として「日米の株価は緩やかに上昇するだろう」との見通しだ。その前提は、米国の政策金利は2022年6月までは動かず、米国のインフレスピードも遅く、米国長期金利は1.5〜1.6%程度で推移し、22年6月末に1.7%程度に緩やかに上昇するイメージだという。現在、3万5000ドル近辺のNYダウは、22年6月末には3万6500ドルに、また、2万8000円台の日経平均株価は、22年6月末には3万2500円に上昇することが期待できるとした。米国をはじめとした世界の経済回復の恩恵を受けることで、米国等と比べて株価の割安感の強い日本株に上昇余力が大きいとみているところは注目される。(グラフは、NYダウと日経平均株価について2021年6月末の終値に対し、2022年6月末の日興アセットの予測値までの上昇率を21年6月末の指数に使って22年6月末の水準を示した)