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ファンドニュース

国内債券型のみマイナスのリターン、預貯金から「リスク資産」に資金シフトの検討を

2021/07/30 20:21

 国内公募投信のパフォーマンスを指数化したモーニングスターインデックスで過去5年余りの資産別運用成績を振り返ると、「国際株式型」がトップの成績になった。2020年3月の「コロナ・ショック」による株価の大幅な下落については、21年6月末までに「国内債券型」を除いて主な資産クラスでは急落前の水準を上回っている。「国内債券型」に代表される国内の円金利資産は、預貯金も含めて運用収益があげられず、株式やREIT(不動産投資信託)、また、それらの資産を含む「バランス型」への資金シフトを考えた方が良いのではないだろうか。

 モーニングスターインデックスは、国内の公募投資信託のパフォーマンスをモーニングスターが区分したカテゴリー別に比較できる指数だ。今回は、その中で最も大きな区分について代表的な7分類の推移を見た。この大分類には、他に「商品指数連動型」「オルタナティブ投資型」「特殊運用型」があるが、他の大分類に比べて残高が小さいために省いた。この大分類については、例えば、「国内株式型」は、「国内大型バリュー」「国内大型ブレンド」「国内大型グロース」「国内中型バリュー」などとさらに細かな区分があるが、大分類の動きをみることによって、それぞれの資産クラスのパフォーマンスの傾向がつかめる。

 この大分類について、2016年1月末を起点に、21年6月末まで5年6カ月間の推移をみてみると、「国際株式型」がプラス89.01%と最も大きく値上がりし、続いて「国内株式型」のプラス66.13%、「国内REIT型」がプラス49.35%、「国際REIT型」がプラス41.43%と続く。ワーストは「国内債券型」のプラス1.74%で、「国際債券型」のプラス19.48%よりも大きく見劣りする。また、これらの資産に分散して投資する「バランス型」はプラス30.19%だった。

 このような成績の違いを改めて確認すると、「国内債券型」に投資する意味について考えさせられる。この「国内債券型」は、日本円の金利に投資しているということでは、預貯金と同じだ。そして、家計の預貯金は21年3月末時点で1056兆円もある。家計の金融資産が約1946兆円で、その約54%を占めている。この預貯金と同じような性格を持つ「国内債券型」のパフォーマンスが5年余りでわずかに1.74%でしかない。

 「国内債券型」や預貯金を好む人は、「減らなければよい」と言うが、ゼロ金利状態の現在、少しのインフレでモノの値段が上がると預貯金は実質的には目減りしてしまう。そして、「国内債券型」は既にマイナスのリターンになっているのが現実だ。16年1月末を100として、「国内債券型」が直近でピークを付けたのは19年8月で、その時には104.50だった。そのピークと比べて21年6月末の101.74は、2.6%下回っている。20年3月のコロナ・ショック前103.62だったので、その水準からも1.8%のマイナスだ。「国内債券型」に投資していると、少しずつではあるが、徐々に目減りしている。

 一方、株式やREITは「リスク資産」といわれる。価格が上がったり下がったりするため、買いや売りのタイミングによっては、大きな損失を被ることがある。実際に、「国際株式型」はコロナ・ショック前の高値である19年12月末の145.82から、20年3月末には110.89と約24%下落した。預貯金では置いておくだけで100万円が76万円になることは絶対にないが、株式に投資する投資信託を保有していると、このくらいの目減りは珍しくない。ただ、その後、「国際株式型」は値上がりし、21年6月末には189.01になっている。1年余りでの値上がり率は約70%だ。同じように今、100万円の預金が1年で170万円に増えることも絶対にない。

 「リスク資産」に初めて投資をしてみようとすると、価格の変動に恐怖感を感じてしまうものだ。特に、現在のように、明らかに株価が値上がりしている中で投資すると、値上がりした分だけ下がる恐れがあると思ってしり込みしてしまうことだろう。そのような場合は、一括で投資するのではなく、毎月1回一定額を投資する「積立投資」の活用を考えていただきたい。同じ金額を投資していると、価格が下がれば、より多くの口数を購入することができ、下がれば下がるほどに多くの口数が買えて、平均での購入価格がどんどん安くなることが実感できる。上がったものが下がるのと同じように、下がったものが上がるのもまた事実だ。成果を短期間で求めることなく、5年、10年という長期に「リスク資産」をコツコツと積み立てていけば、いずれ、大きな利益を勝ち得るチャンスがやってくることは、これまで「リスク資産」への投資をおこなってきた先輩投資家が経験していることだ。

 また、預貯金等の金融資産の全てを「リスク資産」にまとめて投資してしまうと、その大きな値動きにハラハラして落ち着かない日を迎えてしまうかもしれない。金融資産の10〜20%などという一部の資産から始める方が良いだろう。預貯金が「国内債券型」と同じように、金融資産の一部で株式やREITなどの「リスク資産」を購入した場合は、「バランス型」のような成果が期待できる。「バランス型」の値動きは、株式やREITと比較すると穏やかで、緩やかに上昇していることがわかるだろう。預貯金だけでは、資産が目減りしてしまうかもしれない現在、株式などの「リスク資産」に資金の一部を振り向けることを考えたい。(グラフは、代表的なモーニングスターインデックスの推移)