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国内市況ニュース

<相場の見方、歩き方>岸田総理誕生ならば、「所得倍増計画」が復活?―どうなる日本経済

2021/09/06 08:12

 鈴木一之です。9月になりました。月が替わったとたんに事態は急展開し始めたようです。今週は文字通り、激動の1週間となりました。

 最大の焦点は自民党総裁選、そしてその先の衆院選です。総裁選に立候補の意欲を見せていた下村博文・政調会長が、菅首相の意向を受けて総裁選立候補の辞退を余儀なくされました。二階俊博幹事長もその座を明け渡すこととなりました。

 その事実が伝わったとたんに事態はさらに二転三転し始め、9月3日には菅首相みずからも総裁選には出馬せず、退陣を表明するに至りました。

 このニュースが伝わった3日の昼前から株価は大きく上昇し、日経平均株価は5日続伸して2万9000円の大台をあっさりと回復しました。まだ告示前の総裁選に対してこれほどの動きが出ています。今後どのような展開になるか、現時点ではまるで予想できません。

 現在、正式に立候補の意向を示しているのは岸田文雄・前政調会長です。9月2日に記者会見を開き、政権の座に就いた時点で取り組むコロナ対策の「4本柱」をはっきりと掲げました。

 そこでの4本の柱とは、(1)医療難民ゼロ(2)ステイホーム可能な経済対策(3)ワクチン接種証明の活用(4)感染症を巡る有事対応の強化――です。その上で「健康危機管理庁(仮)」を新設して担当閣僚を置くことを明言しています。これが3日の株式市場の上昇になによりも寄与したものと見られます。

 菅首相が退陣を表明したことで、岸田氏の掲げる政策に対する期待ががぜん強まりました。早くも岸田氏に流れが大きく傾いています。政治の世界は「一寸先は闇」なので、まだ明言することはできませんが、闇ではなく希望の光が見えてきた様子です。

 このまま岸田氏が政権の座に就けば、宏池会の池田勇人氏の看板政策である「所得倍増計画」が復活するとの期待が早くも高まっています。実現するにはまだ幾多の困難が待ち受けています。それでも閉塞感しか感じられなった菅政権時代とは違った活力が、日本経済に対して早くも生じつつあるようにも見られます。

 世界を見回せば、大きな変化が今週も立て続けに発生しています。コロナウイルスの変異種は依然として強い感染力を示しています。その広がりは10−20代の若い年齢層を襲っており、この世代は世界的にもワクチンの接種が進んでいないため、危機感がそれだけ強まっています。

 異常気象も途切れることなく世界中で災いをもたらしています。米国では大型ハリケーン「アイダ」がルイジアナ州やミシシッピ州などの南部を直撃しました。90万世帯に及ぶ大規模な停電が発生しており、暑い夏に電力供給の再開のメドが立たない状況です。

 ニューヨークやニュージャージー州にも冠水の被害が及びました。米軍の撤退が完了したアフガン情勢はここから本当の心配が始まります。

 世界中で予断が許されない情勢が間断なく続いていますが、それでも懸念事項はこのようにひとつずつ解消に向かっています。

 そして株式市場、業績相場が明らかにスタートしていると見られます。決算内容のよい銘柄がピンポイントで的確に物色されており、機関投資家の資金も少しずつ流入しているように感じられます。そこに政策面での変化が加わって、今後さらに底堅さを増してゆくことでしょう。

 ここからでも十分に間に合います。マーケットの動きにしっかりと貼りついてゆきましょう。メイコー<6787>、ローム<6963>、TIS<3626>、トーメンデバイス<2737>、コマツ<6301>に注目しています。

*おことわり この記事は、2021年9月5日にYahoo!ファイナンスで有料配信されたものです。

提供:モーニングスター社
(イメージ写真提供:123RF)