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ファンドニュース

“先進国株式はわずか10%”、過去20年間における株式型アクティブファンドの対パッシブでの勝率

2021/11/02 19:12

 パッシブファンドとアクティブファンド−それぞれに強みと弱みがあり、どちらが優れていると言うことは出来ない。パッシブファンドであれば、指数への連動を目指すという分かりやすさ、比較的多くの銘柄への分散投資、低コストなどの利点がある一方で、指数に含まれる業績低迷銘柄などにも投資するという問題がある。アクティブファンドであれば、指数を大幅に上回るリターンを獲得する可能性や、(基本的に)目的に沿った銘柄に厳選して投資するといった利点がある一方で、リターンが指数を大幅に下回るリスクやパッシブファンドに対する相対的なコストの高さなどの問題がある。どちらに重きを置くかは投資家の運用に対する考え方によるが、両者のリターンの現状を踏まえておくことは有益だろう。

 国内大型株式、先進国株式(日本除く)、米国株式、新興国株式を対象に、アクティブファンドの暦年のリターンが、その属する資産を代表する指数のリターンを上回った比率を調べた。調査期間は2002〜2021年の20年間で、2021年は9月末時点における年初来リターンを使用した。比率が50%であれば、指数のリターンを上回ったアクティブファンドと下回ったアクティブファンドの数が同じ、50%を超えればアクティブファンドが指数(=指数に連動するパッシブファンド)に対して優勢、下回れば劣勢となる。

 国内大型株式では、モーニングスターカテゴリー「国内大型グロース」、「国内大型ブレンド」、「国内大型バリュー」に属するアクティブファンドの暦年のリターンを調べ、各年におけるTOPIX(配当込み)の騰落率を上回ったファンドの比率を調べた。その結果、20年間のうち50%を超えた年(アクティブ優勢年)は8年に留まった。

 先進国株式(日本除く)では、カテゴリー「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」に属するアクティブファンドを対象とし、MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円ベース)を上回ったファンドの比率を調べた。20年間のうち50%を超えたのはわずか2年であった。

 米国株式では、カテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」に属するアクティブファンドのうち、S&P500種株価指数(配当込み、円ベース)を上回ったファンドの比率を調べた。20年間のうち50%を超えたのは3年であった。

 新興国株式では、カテゴリー「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」に属するアクティブファンドを対象とし、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み・円ベース)を上回ったファンドの比率を調べた。20年間のうち50%を超えたのは4年であった。

 いずれも、アクティブファンドが劣勢となった。アクティブファンドの高いリターンを獲得する可能性に懸けるのであればそれも良いが、株式ファンドへの投資から安定的な収益を獲得したいのであれば、パッシブファンドをコアと位置付けた上で、アクティブファンドでリターンの上積みを図ることが妥当であろう。パッシブファンドではよりコスト水準が低いファンドが、アクティブファンドは低コストかつ良好なパフォーマンスを挙げているファンドが望ましい。なお、国内大型株式では、直近5年間(2017〜2021年)のうち2018年を除く4年間でアクティブファンドの超過率が50%を超えている。国内大型株式についてはアクティブファンドに重きを置く余地もある。

 主な低コストパッシブファンド(ETF除く)を見ると、国内大型株式に投資しTOPIXをベンチマークとするものでは、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ TOPIXインデックスファンド」、「eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)」、「東京海上セレクション・日本株TOPIX」などがある。先進国株式(日本除く)に投資しMSCIコクサイ・インデックスをベンチマークとするものでは、2030年末までの信託報酬が0%の「野村 スリーゼロ先進国株式投信」を始め、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ 外国株式インデックスファンド」、「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」などがある。

 米国株式に投資しS&P500種株価指数をベンチマークとするものでは、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(愛称:SBI・V・S&P500)と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が双璧である。新興国株式に投資しMSCIエマージング・マーケット・インデックスをベンチマークとするものでは、「eMAXIS Slim新興国株式インデックス」、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ 新興国株式インデックスファンド」などがある。

 次にアクティブファンドについて、21年9月末時点で、モーニングスターフィーレベルが「安い」、モーニングスターレーティングが「★★★★★」、純資産残高10億円以上のファンドを調べた。モーニングスターフィーレベルは、資産別とアクティブ・パッシブ別に独自のカテゴリーを設け、ファンドの信託報酬がその属するカテゴリー内でどの水準にあるかを、最も低コスト水準の「安い」から順に、「平均より安い」、「平均的」、「平均より高い」、「高い」で示したものだ。モーニングスターレーティングは、ファンドのリスク調整後のリターンが、その属するモーニングスターカテゴリー内でどの水準にあるかを5段階で示したもので、最上位の「★★★★★」は相対的な運用効率に優れていることを示す。

 国内大型株式アクティブでは8ファンドが該当した。うち同月末時点の純資産残高上位は「年金積立Jグロース」(愛称:つみたてJグロース)、「コモンズ 30ファンド」、「利益還元成長株オープン」(愛称:Jグロース)となった。新興国株式アクティブでは、「JPM アジア株・アクティブ・オープン」、「JPM アジア・成長株・ファンド」、「JPM 新興国小型株式ファンド」(愛称:エマージング・フューチャー)が該当した。

 先進国株式アクティブと米国株式アクティブは該当がなかったが、フィーレベルを「平均より安い」とすると、先進国株式アクティブで「大和住銀 DC海外株式アクティブファンド」と「三菱UFJ 海外株式オープン」が、米国株式アクティブで「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」の「Bコース(為替ヘッジなし)」と「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」、及び「三菱UFJ NASDAQオープンBコース」が該当した。