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ファンドニュース

「日経平均」の日々の株価変動率は概ね上下1.5%以内、「値幅」よりも「変動率」で変化を測る習慣に

2022/01/20 16:39

 1月19日に日経平均株価は790円以上下落した。この6日に844円下落してから2週間足らずで再急落したことになり、「今年の株式市場は容易ではない」という考えを持った投資家も少なくなかったと考えられる。日経平均株価が800円近く下落すると、ニュースなどでは「株価暴落」という見出しが付けられるケースが多い。800円や1000円の下落は「暴落」といえるほどの大きな変化なのだろうか? そして、これからの株価は「ボラティリティ(株価変動率)」が高まるといわれるが、実際の株価変動率は高まっているのだろうか? 日米の代表的な株価指数の日々の変動率の推移を調べた。

 結論として、日経平均株価の800円程度の下落は、「暴落」という言葉が受ける印象ほど稀有な出来事ではない。1月19日の日経平均株価の790円安は、前日比2.8%の下落になっているが、株価が1日で2%以上下落する確率は、過去10年で5.58%だった。20回に1回程度の頻度で起こっている出来事だ。概ね1カ月に1回くらいは起こるほどの下落ということになる。これが、前日比で4%以上の下落となると0.77%の確率になるため、十分に「暴落」という言葉に値するといえるだろう。実際に4%以上の下落率になったのは、コロナショックで株価が大きく下落した2020年3月12日のマイナス4.41%、同年4月1日のマイナス4.50%にまでさかのぼることになる。

 ニュースなどの報道では、「株価が800円値下がりした」など金額(値幅)で表現される傾向が強い。値段の話は「金額(値幅)」の方が馴染みやすいのだろう。モノの値段の価格交渉で「あと1000円値引きして」とは良く使うが、「あと1%値下げして」とはあまり言わない。しかし、金額で話をしていると、同じ800円でも日経平均株価が2万円の時と3万円の時とでは、その価格の持つ意味が大きく違う。3万円に対する800円は2.7%だが、2万円に対する800円は4%の話だ。2%台の出現率は5.8%だが、4%台は0.77%の出現率になる。「まあまあ普通のこと」と「めったに起きないこと」というくらいに違う。金額による変動幅は、その時々の株価水準によって変動率が異なることを意識しておきたい。

 なお、米国を代表する株価指数である「S&P500(配当込み、米ドルベース)」と「日経平均トータルリターン・インデックス」(配当込み、円ベース)の日々の価格変動率を比較すると、価格変動のブレ幅は「日経平均」の方が大きいことがわかる。「S&P500」は日々の価格変動率がプラスマイナス1%という範囲に79.22%が入ってしまうものの、「日経平均」はその範囲には66.26%しか入らない。「日経平均」はプラスマイナス1.5%の中には80.71%が入っている。「日経平均」の方が、「S&P500」よりも広い幅で価格が変動していることがわかる。

 ただ、過去10年間の最大上昇率と最大下落率は「S&P500」が9.39%とマイナス11.98%に対し、「日経平均」は8.04%とマイナス7.92%だ。日々の変動は「S&P500」の方が少ないものの、動く時にはシャープに動いていることが分かる。

 一方、「日経平均」も「S&P500」も、日々の価格変動率が拡大する傾向はみえない。過去10年間にわたって、概ね同じような価格変動率の中で株価は推移してきた。株価の水準が高くなったために、日々に動く値幅は拡大しているものの、変動率でみると、現時点では変化が現れてはいない。今後、米国の利上げなど、従来の経済環境とは異なる環境になっていくことが想定されている。「S&P500」が上下1%以内に約8割、「日経平均」が上下1.5%以内に約8割が入ってきたという値動きのレンジ(幅)が拡大する方向に動くのかどうか、これからの動向に注目していきたい。(グラフは、「S&P500」と「日経平均」の過去10年の日次の価格変動率の推移)