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ファンドニュース

「S&P500」と「オール・カントリー」のトップ3は不変、次世代を担う10位以下にも注目=ネット証券の投信積立契約件数ランキング22年5月

2022/06/02 17:42

 大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、22年5月)のトップ3は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」で変化がなかった。この3ファンドがトップ3に並ぶのは22年2月以来4カ月連続になっている。この3ファンド以外で、目立ったのは「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」が前月10位から、6位にジャンプアップしたことだ。ただ、同ファンドの獲得ポイントは前月の9ポイントから8ポイントに減少している。上位3本以外の獲得ポイントは拡散する傾向があり、積立投資対象の選定に気迷い感が強まっている。

 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。

 投信積立契約は、基本的に数年間、または、数十年間という継続投資を志向していると考えられる。毎月1万円や数千円でも、長期にわたって継続的に資金を積み立てることによって、将来の大きな資産形成に結び付けようという投資行動だ。その際には、長期にわたる成長が期待できる投資対象であること、さらに、できるだけ低コストであることが投資対象に選ばれる条件になっている。トップ3を独走する3ファンドは、世界経済の主柱といえる米国の大型企業で構成される「S&P500」、また、新興国を含む世界の株式に幅広く投資する「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動するインデックスファンドであり、中長期の世界経済の成長という誰もが期待する確かな成長期待をバックボーンに、運用コストも年率税込み0.1%台という最低水準のコストになっている。その点では、「S&P500」、「全世界株式」、「先進国株式/外国株式」、「全米株式」などのインデックスファンドは、投信積立契約の「定番」として定着した。

 積立投資による資産形成に焦点を当てた税制優遇口座である「つみたてNISA」は、制度がスタートした2018年1月から4年が経過した21年12月末時点で518万口座が開設されたが、その多くが投資初心者の若年層であったことを考えれば、投資の基本に忠実なファンド群が、投信積立契約件数で上位を占める現在の姿は、非常に望ましい状況といえる。

 岸田内閣では年内に「資産所得倍増プラン」を発表するとし、現在の「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」など積立型の資産形成口座の機能強化を予定している。日本に根付き始めた積立投資の芽を、より豊かに大きく実らせようというねらいだろう。

 「投資はじめ」の基本動作が順調に滑り出し、「その次」を展望した場合の「次の一手」として期待されるのが、現在のランキングでトップ10に届いていない銘柄群といえる。そこには、アクティブファンド(「ひふみプラス」「年金積立Jグロース」など)、バランス型(「マネックス資産設計ファンド<育成型>」「楽天・資産づくりファンド(しっかりコース)」など)、そして、レバレッジ型(「楽天レバレッジNASDAQ−100」「iFreeレバレッジNASDAQ100」など)が控えている。「1万円を積立投資した後の次の1万円」、あるいは、「つみたてNISAの投資上限の3.3万円を超える積立資金」など、投資に対するリテラシーがある程度高まった後の「次の手」として考えられる銘柄群といえる。

 日本の資産運用環境が「豊か」と感じられる次の時代を拓くカギになるのが、しっかりしたアクティブファンドの台頭であり、納得の運用成績を返す安定的なバランスファンドの成長、そして、投資にアクセントをつけるレバレッジ型などバラエティ豊かな商品の品揃えということになる。ネット証券大手の投信積立契約件数ランキングに、このような日本の投資事情の縮図が見て取れるのは、このチャネルが日本の投信市場、そして、資産形成市場の重要な販売窓口として位置づけられるようになったからだろう。