株式ニュース

2020/05/01 17:05

【GW特集】風向き変わる? 米国株のコロナ関連銘柄を総チェック

 2020年も三分の一が早くも過ぎる中、ここまでの米国株相場を振り返ってみると、「波乱」の一言に尽きるだろう。懸案だった米中貿易問題にどうにか一区切りが付いたと思った矢先、狙い澄ましたかのように降って湧いたコロナ禍に、史上最高値圏で割高感が強まっていた米国株は暴落。4月末までの年初来騰落率を業種別に見ると、テクノロジーやヘルスケアは比較的傷が浅かったものの、原油先物価格の下落歩調を背景にエネルギーが下げを主導したほか、全ての業種が下落した。
 
 一方、足元の米国株の動きからは、やや風向きが変わってきたようにも見える。米国株の4月の騰落率は月間でプラス(主要3指数ではナスダック総合指数を除き今年初)。エネルギー関連銘柄に幅広く見直し買いが入ったほか、一般消費財、素材などの騰勢が目立った。米ジョンズ・ホプキンス大学が開示する新型コロナウイルスの累計感染者数は世界全体で320万人超、米国で100万人を超え、いまだ予断を許さない。しかし、米政府が打ち出した大規模経済対策、FRB(米連邦準備制度理事会)の緊急資金供給策や、米国での段階的な経済活動再開への観測、新型コロナウイルス治療薬の開発に対する期待などが、マーケットで楽観ムードを醸成している。この先、大幅悪化が予想される経済指標や企業業績には注意を怠れないが、秋の米大統領選挙をにらんだ思惑が株価を支える展開もありそうで、有望株を物色するタイミングにあるのかもしれない。中でも引き続き重要テーマと考えられる、新型コロナ関連銘柄を以下にピックアップしてみた。
 
 ヘルスケア分野では、ギリアド・サイエンシズ<GILD>が本命株。新型コロナ治療薬候補「レムデシビル」が中国で治験失敗と伝わり、投資家心理を冷やす場面があったものの、ギリアド側は早期に打ち切られた試験の結果だとしてこれに反論。4月29日、ギリアドは「レムデシビル」の臨床試験で肯定的な結果が得られたと発表し、相場を押し上げた。治療薬ではアッヴィ<ABBV>の抗HIV薬「カレトラ」や、リジェネロン・ファーマシューティカルズ<REGN>の抗リウマチ薬「ケブザラ」も有望視される。その他、イーライリリー・アンド・カンパニー<LLY>などの開発の進捗にも注目。ワクチン開発ではモデルナ<MRNA>、イノビオ・ファーマシューティカルズ<INO>、そしてジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>やファイザー<PFE>など。
 
 新型コロナ検査では、ラボラトリー・コーポレーション・オブ・アメリカ・ホールディングス<LH>やクエスト・ダイアグノスティクス<DGX>など。アボット・ラボラトリーズ<ABT>は新型コロナを5分で陽性判定可能な検査キットを開発。ホロジック<HOLX>は迅速検査キットの開発を米政府が支援と伝わる。その他、遠隔医療大手テラドック・ヘルス<TDOC>や、手術支援の医療ロボットを手掛けるインテュイティブ・サージカル<ISRG>のサービスにも需要が高まりそうだ。
 
 ハイテク分野も面目躍如。マイクロソフト<MSFT>はテレワークにも活用できる協業アプリ「Teams」が利用者数を伸ばしているほか、クラウドサービス「Azure」の利用が外出禁止地区で増大。インターネット電話サービス「スカイプ」や、巣ごもり需要が見込まれる家庭用ゲーム機「Xbox」も同社が展開している。在宅勤務を余儀なくされる中、Web会議のズーム・ビデオ・コミュニケーションズ<ZM>や、ビジネス向けチャットツールのスラック・テクノロジーズ<WORK>のサービスも定番だ。その他、企業向けにID管理サービスを提供するオクタ<OKTA>、クラウド配信やセキュリティ、通信の効率化を担うアカマイ・テクノロジーズ<AKAM>、クラウド型コミュニケーションプラットフォームのリングセントラル<RNG>、業務効率化に向けたクラウドプラットフォームを提供するサービスナウ<NOW>、仮想デスクトップのシトリックス・システムズ<CTXS>などが挙げられる。
 
 消費分野では食品スーパー大手クローガー<KR>の好調が伝わるが、巣ごもり消費の観点からはアマゾン・ドット・コム<AMZN>やイーベイ<EBAY>といったEC(電子商取引)企業に追い風か。フェデックス<FDX>やユナイテッド・パーセル・サービス<UPS>など配送業者も恩恵を受けそう。アマゾンは言うまでもなくクラウド、動画配信でも大手で、動画分野では会員数を爆発的に伸ばしているネットフリックス<NFLX>のほか、ケーブルテレビ大手かつインターネット・サービス・プロバイダ大手のコムキャスト<CMCSA>、ワーナーメディアを傘下に収めたAT&T<T>などにも存在感。
 
 巣ごもりではこの他、ゲーム企業でアクティビジョン・ブリザード<ATVI>やエレクトロニック・アーツ<EA>。ペロトン・インタラクティブ<PTON>は、室内エクササイズ用バイクが部屋にいながら一流インストラクターの指導を受けられると話題に。「Uber Eats」のウーバー・テクノロジーズ<UBER>、ミールキット宅配大手ブルー・エプロン・ホールディングス<APRN>や、缶詰のキャンベル・スープ<CPB>、「SPAM」で知られるホーメル・フーズ<HRL>なども。その他、除菌・消毒剤のクロロックス<CLX>や、パーソナルケア用品のキンバリー・クラーク<KMB>、日常生活用品のコルゲート・パルモリーブ<CL>の製品なども、買い溜めの対象となりそうだ。
 
(イメージ写真提供:123RF)


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