youtube fund_beginer fund_search fund_look

新興国ニュース

<新興国eye>新興国がけん引する世界の医薬品市場とブラジル市場のポテンシャル

2013/05/20 13:53

(12/07 15:00) 現在値
武田薬品工業 3,150 +61
第一三共 2,719.5 +48.5

 近年、中国やブラジルなどを含む新興国17か国(国名は但し書き参照)における医薬品に対するニーズが高まりを見せている。IMSインスティテュートによると、新興国17か国の医薬品市場は17−18兆円に達し、11年に約88兆円だった世界市場の約20%を占めるまでになった。医薬品市場は、新興国の成長にけん引され、15年までに約110兆円の規模に膨らむ見込みである。

 新興国17か国の代表格はBRICs諸国であるが、なかでもブラジルは、国を挙げて医療に取り組む姿勢を見せており、11年のブラジル政府のヘルスケア予算は約3兆8550億円であった。またSUSと呼ばれるブラジル版国民健康保険により、医薬品が15%から場合によっては最大100%まで国の負担で支払われるようになり、個人負担が軽減されたため、国民の医療や医薬品に対する関心も高まってきている。その結果、ブラジルの医薬品市場は年々伸びており、12年度の医薬品市場は約2兆9900億円で世界第7位となり、15年には約5兆5000億円で世界6位になると予測されている。

 またSECEX(開発商工省貿易局)によると、11年度にブラジルが輸入した医薬品の総額は輸入総額の約2.2%の約5100億円で、前年度と比べ約15.6%の伸び率を見せている。

 このような拡大する市場に狙いを定め、武田薬品工業<4502>が12年7月に約200億円でブラジルの医薬品会社大手マルチラブを買収し、グループを通じてブラジルの医薬品市場トップ10に入ることとなった。また第一三共<4568>はインドの子会社と提携し、今年4月にブラジルの後発医薬品事業への参入を発表した。

 もともと街のいたる所に薬局があり、都市部では24時間営業も珍しくないブラジルでは、国内の活発な消費に対応するべく、ここ数年で大手薬局チェーンの合併や買収が相次いでいる。また、薬局の数も増え続けており、現在病院内にあるものまで合わせると、大小で約8万2000店の薬局が存在する。数字で見ると未だに個人経営の薬局店が最も多く47.9%、大手薬局チェーン(上位10社)が35%、スーパーマーケットが2.4%、その他が14.7%となっている。13年3月現在の日本のコンビニ大手10社の店舗数合計が4万7510店であることを考えると、ブラジルの医薬品市場のポテンシャルの大きさがわかる。

◎新興国17か国:中国、ブラジル、ロシア、インド、ベネズエラ、ポーランド、アルゼンチン、トルコ、メキシコ、ベトナム、南アフリカ、タイ、インドネシア、ルーマニア、エジプト、パキスタン、ウクライナ

出所:Abrafarma、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会など

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社