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<新興国eye>大豆生産量で米国を抜いて世界一になったブラジルと日本の貢献

2013/11/20 10:46

 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は、13年11月8日に13−14年の大豆生産量が8790−9020万トンに達する見通しを発表。これは過去最高だった昨年を11%上回り、米国を抜いて世界最大の大豆生産・輸出国となる。

 実はブラジルが大豆生産を本格化させたのは、ほんの40年前である。しかも、第1次オイルショックの73年に、米国が日本に対して大豆禁輸措置をとった際に、当時の田中角栄首相が大豆輸入先の多角化を目指して翌年9月ブラジルに飛び、不毛の土地といわれたセラード地帯を大豆畑に変える日本−ブラジル間の国家プロジェクトを締結したのがきっかけであった。78年より国際協力事業団(JICA)を核に日本の農業技術と資金を大量に投入して、荒れ地を見渡す限りの大豆畑に変えることに成功し、今回の世界一が実現できたわけだが、このことは意外と知られていない。

 そして、今年ブラジルが世界最大の大豆生産国となった、その恩恵を最も受けているのは残念ながら日本ではなく、おそらくブラジルとその大豆の大量輸入元である中国、そしてそれらを扱っている米国の食糧メジャーであろう。近年は日本の総合商社各社も生産から物流までを押さえることによって、その一角に食い込んでいるが、国家単位で攻めてくる中国にはボリュームでかなわないだろう。

 日本がブラジルの農業にもたらした貢献はそれだけではない。例えば、ブラジル東部のペトロリーナ・ジュアゼイロに入植した日系人移民は、塩害などでなかなか連作ができなかった場所で、独自に灌漑(かんがい)を工夫し、さらには様々な文献をあたることにより、マンゴの人工授粉に成功し、2−3毛作を実現。マンゴのみならず、高品質なぶどうなども含め、ブラジル国内のみならず、ヨーロッパや米国、そして日本にまで輸出する先鞭をつけた。

 さらには、最近日本でも目にするようになったアマゾン産のアサイなどは、アマゾンに入植した日系人移民たちが、熱帯雨林を守りながら収穫をする、持続可能なアグロフォレストリーを実践しながら、日本向けの輸出を行っている。

 また、日系人農家はこれまでブラジルにはなかった野菜をたくさんブラジルに持ち込んで、肉中心のブラジル人の食生活の向上にも貢献している。ブラジルが米国を凌ぐ農業大国として成長していく過程で、日本および日系人の存在は小さくない。

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

◎当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社