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新興国ニュース



<新興国eye>キャッサバ栽培急増、コメやコーヒーに次ぐベトナムの主要輸出農産品に

2014/07/30 11:28

 ベトナムではこの数年、タピオカの原料としても有名なキャッサバの栽培面積が急増しており、全国における栽培面積は56万ヘクタールへと拡大している。栽培しやすいうえ、投資額が少なく資金回収期間が短いキャッサバは農村の貧困削減に向けた作付普及への取り組みに適した作物とされており、いまやコメやコーヒーに次ぐ主要輸出農産品となった。

 商工省によると、09年以降におけるキャッサバおよび加工品の年間輸出額は10億ドル(約1020億円)を上回る。12年におけるキャッサバおよび加工品の輸出額は13億5000万ドル(約1380億円)で、世界のキャッサバ輸出国のなかでタイに次ぐ2位となった。

 ベトナムキャッサバ協会によると、全国にあるキャッサバでん粉工場は5年前の2倍に当たる91カ所へと急増し、キャッサバを原料とするアルコール工場も6カ所ある。キャッサバでん粉の年産能力は160万−200万トンと、5年前に比べ3倍に増加。キャッサバでん粉の8割は海外市場に輸出され、主要な輸出市場は中国(キャッサバ輸出額の85%)、台湾(同4.6%)、フィリピン(同3.8%)、マレーシア(同3.5%)、インドネシア(同1.6%)などとなっている。

 同協会発表の統計データでは、14年6月末時点におけるキャッサバチップの在庫量が30万トン、キャッサバでん粉の在庫量が15万トンに上っている。在庫拡大の要因は、キャッサバ輸出が中国市場に大きく頼っており、南シナ海の領有権をめぐり越中が海上衝突した5月以降の輸出減少の影響が特に大きいためだ。5月のキャッサバおよび加工品の対中輸出額は前年同期比で6.3%減少しており、年初5カ月(1−5月)では同17%減の4億2770万ドル(約440億円)となった。輸出額全体における対中輸出の割合は80%余りを占めている。

 税関総局によると、13年におけるキャッサバおよび加工品の輸出量は前年比25.7%減の314万トン、輸出額は同18.6%減の11億ドル(約1120億円)。14年第1四半期におけるキャッサバおよび加工品の輸出量は前年同期比11.7%減の182万5000トン、輸出額は同11.7%減の5億7600万ドル(約590億円)だった。

 国際熱帯農業研究センターによると、「同センターの供給する新しい品種により、ベトナムのキャッサバ生産性は改善しているが、地域ごとの生産性に大きな差があるため、キャッサバ産業の持続的な発展への道を確かなものにしたといえる段階にはまだ達していない」という。東南部タイニン省におけるキャッサバ生産性は1ヘクタール当たり平均30−50トンだが、1ヘクタール当たり15−17トンに過ぎない地域もある。

 また、キャッサバ加工工場が急増したことで、原料キャッサバの不足が深刻になってきた。その一方で無計画な栽培強化により作付面積が急激に膨らんでいるが、今後は作付面積を拡大せずにキャッサバ生産量を増やせるよう、新品種の導入や技術移転により生産性の地域差をなくしていく取り組みが求められている。加えて中国輸出依存によるリスクを低減するため、生産性だけでなく品質に厳しい輸出先の要求に応えられるよう品質向上をはかることが重要だとの指摘が挙がっている。

【筆者:Viet Economic Research&Advisory Corp.(VERAC)】
2002年ベトナム・ホーチミン市で創業。「ベトナム経済金融情報」「ベトナム株情報」「VIETJOベトナムニュース」の自社媒体を通じ、経済、金融情報を中心に毎日数十本のベトナム関連記事を配信する。業界で唯一、全上場企業730社超の日本語企業データベースを保有。また調査可能な非上場企業のユニバースは22万社を誇る。10年超にわたり蓄積した情報とネットワークを駆使した企業信用調査、産業調査、市場調査に強み。

*当該記事は外部執筆者により作成されたものです。記事は執筆者が信頼できると判断したデータなどにより作成いたしましたが、その正確性などについて保証するものではありません。

提供:モーニングスター社