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新興国ニュース



<新興国eye>富豪番付で見るタイの産業絵図

2014/07/31 09:56

 少し前になるが、6月4日に経済雑誌「フォーブス(タイランド)」にタイの富豪・資産家トップ50のランキングが出た。タイの産業の写し絵でもあるので、日本と比べつつ、ポイントを紹介したい。

 「セントラル・グループ」のオーナーであるチラティバット家が、過去4年間トップだった農業・食品の「CPグループ」のオーナー、ダニンを抜いてトップに躍り出た。

セントラル・グループの売上はほぼ70億ドル(7100億円)。不況の中で27%も伸びている。グループの中では、「セントラル・リーテイル」の資産がリード役になっている。各地にショッピング・センターを展開し、セントラル・デパートや、ロビンソン・デパートも持つ。

 2位のダニンのCPグループは、昨年160億ドル(1兆6300億円)を投じて、タイの倉庫型小売「マクロ」と中国の「ピンアン保険」の大型案件2件の買収を行なった(借入れも110億ドル)。

 3位には、タイのビールのトップ「チャーン・ビール」の創業者チャルーンが入った。今ではチャーン・ビールの「タイ・ベバレッジ社」は、シンガポールのビール・飲料の「フレイザー&ニーブ社」も傘下に収めている。

 4位には、栄養ドリンク「レッド・ブル」の2代目、チャラーム・ユーウィッタヤーが入った。12年9月には息子が車で人を死なせるという惨事を引き起こして話題になった。

 その他では、最も伸びたのが6位に入った「タイ生命保険」(業界3位)の創業者バニック。13年9月に日本の明治安田生命に株式の15%を売却し、700億円(225億バーツ)強を手にしたといわれる。

 7位には、ビールの老舗「シンハ・ビール」の4代目社長・サンティが入っている。サンティの姪が「農村の選挙民は教育されていないので、選挙制度は信頼できない」と昨年発言し、赤シャツグループからシンハ・ビールのボイコットを受けた。

 そして第10位には、その赤シャツグループの支持を受けるタクシンが入っている。少し資産を減らしてはいるが…。

 こう見てくると、飲料、ビール、食品、小売、デパートといった消費関連の創業者がトップに多く見られる。タイの消費水準の上昇を映したものだ。セントラルの新しい「センタン・フェスティバル」ではレストランや食品などが、かつてのタイに比べれば高級価格路線になっている。

 1位から4位までの資産額は以下の通りとなる。
1位 4140億バーツ(129億ドル)
2位 3748億バーツ(117億ドル)
3位 3683億バーツ(115億ドル)
4位 3227億バーツ(101億ドル)

 いずれも100億ドル以上(1兆円以上)の資産である。4者合わせて、1兆4800億バーツ(462億ドル)にも上る。

 なお、同じフォーブスによる日本の長者番付のトップ4は、以下のようになっている。

1位 ソフトバンク創業者 孫正義 184億ドル
2位 ユニクロ創業者 柳井正 179億ドル
3位 楽天創業者 三木谷浩史 93億ドル
4位 キーエンス創業者 滝沢武光 66億ドル

 4者合わせて522億ドル。経済規模の小さいタイの資産家が日本に迫っている。

 タイのトップ50の資産を合わせると、3兆6300億バーツ(11兆3000億円)。タイの13年のGDP(国内総生産)11兆9000億バーツの30%に相当する。
 タイは経済格差の大きな国だが、金持ちの資産は桁違いだ。トップ50人の1人当たり平均の資産は726億バーツ。邦貨に換算すると2250億円となる。

【筆者:バンディ(ペンネーム)】
「北タイのチェンマイに居を構え、成長著しいタイ、インドシナ半島、アセアン諸国の変化をウォッチしています。インターネットやテレビ、新聞で現地の情報を拾うだけでなく、各地を訪れ、生活実感に基づいた新興アジアの現在をお届けできればと思っています。ブログ「チェンマイUpdate」(uccih.exblog.jp)に、ここ数年の情報が蓄積されていますので、そちらもご覧ください。

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提供:モーニングスター社

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