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新興国ニュース



<新興国eye>年初から値上げラッシュのブラジル

2015-01-26 14:01:00.0

 1月就任したばかりのジョアキン・レヴィ財務大臣が、新年早々に増税を発表した。内容としては、まずガソリンとディーゼル等に対して以前課していた税金を復活させ、ガソリン1リットルにつき0.22レアル、ディーゼルには同0.15レアルを徴収する。また、化粧品の工業製品税も7−10%上がる。
 日本企業を直撃するものとしては、輸入品にかかる税金が6月以降、現在の9.25%から11.75%に上がる。これは「国内製品を外国製品から保護するため」の対策とのことだ。さらに金融取引税も、1.5%から倍の3%に上がる。これは、減速気味のブラジルへの投資をさらに悪化させる可能性がある。

 市民の日常生活を揺さぶる値上げも多い。まずは電気代。目下の水不足も相まって、地域によっては30%近くの値上げという噂もあったが、実際は9%前後上がる。13年のデモで取り消されたサンパウロの地下鉄・バス料金も、あっさりと新年から前回同様、3レアルから3.5レアルになった。それに便乗するようにタクシーも10%弱上がり、また以前のようにメーターの金額ではなく、料金表を毎回見てから支払わなければならなくなった。特にサンパウロ市内からグアルーリョス国際空港までのタクシー代は、一気にこれまでの料金の1.5倍になる。

 食品も14年に引き続いて上昇傾向にあり、ブラジル人の常用食であるフェジョン豆が13%、ジャガイモにいたっては40%近く上がっている。りんごやチョコレートといったものも、7−10%程度アップしている。
 通常ブラジルの給与は年間インフレ率に合わせて上昇するわけだが、昨年のインフレ率は数字のマジックで、インフレターゲット上限ぎりぎりの6.41%と発表があったが、諸物価の上昇率はそれを大きく超えている。さすがに労働者党らしく、低所得層に厚くということで、最低賃金は約8.8%上がって788レアル(約3.5万円)としたが、それにしてもあらゆるものが値上がりしており、これで本年末にインフレターゲット上限の6.5%に収めるのは至難の業ではないかと思われる。

 すべてが上がっている中で、下がっているものは株価とGDP(国内総生産)予測だ。1月21日付のブラジルの有力紙「エスタド・デ・サンパウロ」によると、IMF(国際通貨基金)は、先日発表した報告書でブラジルの成長見通しを下方修正した。IMFは、ワシントンで年次総会を開いた14年10月の段階では、15年ブラジルのGDP成長率を1.4%としていたが、15年に入って見直しが発表され、0.3%成長に引き下げられた。ほぼゼロ成長ということであろう。年初からの値上げラッシュを見れば、産業の成長を阻害する可能性を指摘する声も多く、見直しもやむを得ないだろう。ジルマ・ルセフ大統領の2期目は厳しい船出となった。

【筆者:株式会社クォンタム/輿石信男】
株式会社クォンタムは91年より20年以上、日本とブラジルに関するマーケティングおよびビジネスコンサルティングを手掛ける。市場調査、市場視察のプランニング、フィージビリティスタディ、進出戦略・事業計画の策定から、現地代理店開拓、会社設立、販促活動、工場用地選定、工場建設・立ち上げ支援まで、現地に密着したコンサルテーションには定評がある。11年からはJTB法人東京と組んでブラジルビジネス情報センター(BRABIC)を立ち上げ、ブラジルに関する正確な情報提供とよりきめ細かい進出支援を行なっている。

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提供:モーニングスター社

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