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ファンドニュース



ドイチェ・アセット・マネジメントのCIOビュー、2016年は銘柄選別と資産配分が重要に

2016/05/27 14:47

 世界の経済情勢は金融市場が懸念しているほどには実勢が悪くない。ただし、市場には割高、上昇余地の限られた資産もあり、選別的、そして、戦術的に投資する姿勢が肝要だ――ドイチェ・アセット・マネジメントのアジア太平洋地域チーフ・インベストメント・オフィサー兼新興国株式運用グローバル責任者 ショーン・テイラー氏は、5月26日に記者説明会を開催し、同社が四半期に1度まとめている「CIOビュー」にのっとって、当面の資産運用にあたっては「銘柄選別とアセットアロケーション(資産配分)が重要になる。資産配分については常に変化に備えておきたい」と語った。

 テイラー氏は、当面の市場を見通すうえで、「原油市場」「社債」「中国」「欧州」「インフレ」という5つのテーマを取り上げた。まず、「原油市場」については、「向こう12カ月程度でWTIは1バレル=50ドルを予想する。そして、50ドルであれば、産油国のソブリン・ウェルス・ファンドが資産を売却して世界の市場に影響を与えるという懸念は小さい」とした。次に「社債」は、「投資適格社債がしっかりしており、魅力的な投資対象といえる」と語った。

 「中国」は、「GDP成長率は6.0%程度に減速するだろうが、ハードランディングは回避できるだろう。人民元は一段と下落し、2017年3月に1米ドル=6.90人民元を予想する」と、中国経済への過度な懸念は不要と見通した。また、「Brexit(英国のEU離脱)」が話題になっている「欧州」は、不確実性が高まっているが、年率1.5%の経済成長という緩やかな回復は続くと語った。そして、「インフレ」は、「米国でインフレ率が上向き」と、米国の利上げは2017年3月までに2回実施され、フェデラルファンド金利は1.0%になると予測している。

 このような要因分析に基づいて、「2016年の運用は、バイ・アンド・ホールドでは十分でない」として、投資先の選別や戦術的なアロケーションの変更が重要になると語った。

 「米国市場は17年3月までドル高の基調で依然として魅力的な市場といえる。ただ、株式は割高で上昇率は鈍り、銘柄の選別が重要になる。配当に焦点をあてた戦略が有効だと考える。また、米ドル建ての投資適格社債は魅力的な市場だ。ハイ・イールド債は欧州債に魅力がある。一方、日本市場はマクロ経済が厳しくなってきたが、株価は歴史的な割安水準にあり、ROEを高めている企業や高配当銘柄に注目できる」と指摘した。

 一方、「エマージング市場については今年2月に見通しを変更し、ネガティブからニュートラルに引き上げた。エマージング市場の中では、ブラジル、ロシア、韓国、フィリピンはオーバーウエートで、インド、台湾、マレーシア、シンガポールはアンダーウエートにみている。トルコ、タイ、インドネシアはニュートラルだ」として、エマージング市場の中でも選別が重要だとの認識を示した。

 たとえば、アンダーウエートにしているインドは、「インフレ懸念や銀行の不良債権問題の深刻化などで短期的にはネガティブだが、中・長期的には良い方向で改革が進んでおり中長期にはポジティブに評価している」など、各国の経済状況や政策によって評価していくことが重要だと語った。
提供:モーニングスター社