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ファンドニュース



投資経験が浅い投資家の4割以上が自身のポートフォリオに不満、「長期」「分散」の意識は不十分

2016/07/28 18:07

 モーニングスターはシュローダー・インベストメント・マネジメントと協働で「第2回投資家意識調査」を実施し、その結果がまとまった。今回は、投資経験5年未満の「ジュニア投資家」と投資経験10年以上の「ベテラン投資家」の意識や行動について比較集計した。回答を得た全国の個人投資家4247人のうち、投資経験5年未満は26.4%、投資経験10年以上は51.4%だった。調査期間は16年4月27日−5月31日。

<投資目的は「中・長期の資産形成」だが実際の投資は短期志向>

 「投資の目的」については、ジュニア投資家もベテラン投資家も「中・長期的な資産形成のため」が約7割を占めた。超低金利や年金不安などを背景として、「投資」による資産形成のニーズの高まりがうかがえる。

 一方、「投資信託を購入する場合に想定する平均保有期間」を聞くと、ジュニア投資家は「3年未満」の保有を前提とする投資家が33%と「3年以上」を上回り、ベテラン投資家と比較しても短期志向の投資家が多いことが分かった。

<「リスクを抑えた安定運用」を求めるが「分散」の意識は不十分>

 自身のポートフォリオに対する満足度について、ジュニア投資家の42%が「不満・どちらかといえば不満」と答え、ベテラン投資家の同比率34%を上回った。不満の理由は、ジュニア投資家は「投資資産の割合が少なすぎる」がトップだった。ジュニア投資家は現役世代の割合が高く、将来のための資産形成がより重要になってくると思われるが、現時点では十分な投資ができていないと感じている投資家が少なくないことがわかった。半面で、ベテラン投資家の不満は「投資先に偏りがあり、十分に分散投資できていない」がトップになるなど、ポートフォリオの内容を改善したいという思いが強いようだ。

 また、「投資信託を選ぶ際に重視する点」を聞くと、ジュニア投資家は「リスクを抑えた安定運用」(48%)のニーズが高いにもかかわらず、「現在保有している投資信託の投資先」は「日本株式」(45%)がトップで、分散投資により安定運用をめざす「バランス型」の保有は25%にとどまった。前述のとおり、ジュニア投資家は中・長期的な資産形成を目指すものの投資信託の保有は比較的短期を想定していることに加えて、ここでも、求める資産運用と実際の保有にはギャップが見られる。

<投資での最大の不安は「市場環境に応じた柔軟な資産配分の変更」>

 「投資信託を選ぶ際の不安」を聞くと、「投資(売り・買い)のタイミングや、市場環境に応じて資産配分を柔軟に変更することが難しい」という回答が、ジュニア投資家(58%)、ベテラン投資家(61%)ともに多く、投資経験を問わず「時宜を得た資産配分の変更」に不安を抱えている姿が浮かび上がった。

 実際に「経済情勢や市場環境の変化に応じて、投資先の変更や資産配分の調整を行っているか」を聞くと、ジュニア投資家は「どうしていいかわからないため行っていない」が約4割を占めた。ベテラン投資家の5割以上が「自分の判断で調整を行っている」が、25%は「どうしていいかわからないため、調整を行っていない」と回答し、投資経験にかかわらず環境変化に応じた資産配分の調整は難しいという意識が強いことがわかった。

 「運用の専門家が市場環境の変化に応じて柔軟に投資先の資産配分を調整する『資産配分おまかせ型ファンド』に関心があるか」聞くと、ジュニア投資家の55%、ベテラン投資家も49%が「関心がある・どちらかといえば関心がある」と回答し、関心の高さがうかがえる。

 今回の調査によって、ジュニア投資家は「リスクを抑えた安定運用」を意識しているものの、それを実現するための「長期投資」や「分散投資」に対する意識が十分とはいえず、投資に対する意識と実際の投資行動にギャップが生じていることがわかった。また、ベテラン投資家も含めて、資産配分変更のタイミングや方法論について確信が持てず、資産運用の不安要因になっているようだ。

 現在、投資家の中心はシニア世代となっているが、将来への不安や長引く低金利環境、今後のインフレへの対応を考えると、現役世代の中・長期的な資産形成が不可欠になってくる。一方で、最近は市場の不確実性を増す出来事が多く、投資への不安を高める一因となっている。こうしたなか、投資未経験者や投資経験の浅い投資家の不安を軽減するためには、「長期投資」や「分散投資」によってポートフォリオのリスクを抑えるという、投資の基本を理解してもらうための取り組みが重要ではないだろうか。
提供:モーニングスター社